業の矢先(翠猿③)
両者の思惑...交錯する
古代インドに語り継がれる叙事詩「ラーマーヤナ」、ヴィシュヌ神の化身「ラーマ王子」の愛する「シーター妃」を奪還するために耗発した羅刹羅闍「魔王ラーヴァナ」との戦の末、羅刹の王が敗北者となり、王子と妃が運命の再開を果たした物語...
もしこの物語は何者かの筋書き(運命)によって定められたとしたら、それに抗えないだろうか?
時は現代日本、ある女子大学生「椎谷・蘭華」がラーマーヤナの物語(世界)に巻き込まれ、滅んだはずの羅刹の王との出会いで運命の歯車がついに再び動き出して、心を探す旅が始まった...ぶらりと...
蘭華と巨漢がフェリーに乗ってメギ島に出発したその後
同じカガワ県タカマツ市の鬼無町にある純喫茶【桃太郎】
コーヒーの香りが漂う静かな雰囲気の店内でマスターらしき男性の一人が新聞を読んでいる。
その新聞の大きな見出しには政治家の問題が書かれている中、片隅に小さく書かれた別の記事はこう書かれた。
「ホームから消えた!?改札を通らずに出た2人の電車代支払う義務は?」
という冗談のようで奇妙な見出しが書いてある。
しばらく新聞を読んだあと、それを置いて外を眺めた。
「あと少しで到着するのか...」と独り言をした。
しかし...店の静けさを壊すかのように突然店の扉が開けられた。
「いらっしゃい...」とマスターは来客に声をかけたが、返事がなかった。
客は一人じゃない...何人かの男性は店の中に入っている。
そして、誰かを迎えるかのように二つの列に分かれて整列し始めた。
そこで、一人の男性は店に入った瞬間...他の男性は頭を下げてお辞儀をした。
その男性はカウンターに座り、マスターの方を見た。
きっちりとした黒いスーツの姿を着て、ちょっとオシャレな黒いサングラスをかけている。
見た目は20代でまだ若い...
しばらくマスターを笑顔なしでジッと見た男性はやっと声を出した。
その最初の一言は...
「すみません...クリームソーダをください。」
それを聞いたマスターも特に驚きの様子をせず「はいよ。」と答えて、品物の準備をし始めた。
そして、メロンソーダが出来上がった。
「はい。クリームソーダ。」
「おう!噂の美味いクリームソーダだ。写真を撮っておこう~」とご機嫌にスマホを取り出して、写真を撮った。
スマホを少しいじった後、男性はスプーンを手に取り、クリームソーダのアイスから堪能した。
「...うん!」という声を発した後、ストローでメロンソーダを吸ってアイスを口に運んだ。
「うん!」とまた同じ声をした男性はあっという間にクリームソーダを完食した。
「ふ~」と言葉ならない声を上げた男性は満足の顔をした。
ここで、男性はマスターに話しかけた。
「いや...ここのクリームソーダは美味しい!SNSに載せたいですけど、いいですか?」
「悪いな...こういうのは疎い方だ。なんか急に...なんだっけ...バズったとかになって、店に客が殺到したら、常連にも迷惑だし...この雰囲気も台無しになるから、控えてもらえまないかな。」
「あ...確かに最近オーバーツーリズムという話もニュースになりましたね。分かりました...やめておきます。」とスマホをポケットにしまった男性。
「この美味しいものが食べられて、今日はいい収穫ができそうな気がします。」という満面な笑顔を見せた男性に対して、マスターは彼に問いかけた。
「あんた...何者だ。」という唐突な質問に対して、男性は普通な笑顔で返した。
「【翠猿】ですよ...本物でね...」
という言葉が発した途端、整列した男性たちは突然銃を取り出して、マスターの方に向けた。
マスターはその光景を見ても特に物怖じず...相手の男性の目を見た。
「昨日私の部下は別の重要人物と接触しました。私を装ってね...まあ、匂いを誤魔化すためにわざわざ自分の匂いの香水まで作りましたよ。
その様子だと...流した情報は聞いていない...ということは、そっちとのつながりがないということか...
ちなみにさっき部下に写真を送りました。ただの連絡です。」
とここで男性はマスターに近づき、こう言った。
「あなたをここから動かないようにしないとですね。
あなたには自分の役割が来る日まで大人しくしてもらいます。
まあ...魔王の居場所は一応さっきうちの取引先に伝わったという連絡ももらいましたが、
しかし...偶然なことに取引先の目標であるあなたの友人も魔王が向かった先にいるなんて...偶然じゃないか...
彼のことはどうなるか分かりませんが、凄腕のボディーガードはすでに到着したと聞いたので、大丈夫かと思います。」
とさらに顔をマスターに近づき、真剣な眼差しでマスターを見つめて、言葉を口にした。
「あなたには守りたいものがあると同じく...私たちには果たさないといけない大義がありましてね...
大人しく待っていれば、こちらも特に乱暴なことをせずに済みます。」
マスターの顔は表情を変えずにただ男性を見ている。
しかし、男性の次の言葉はマスターにも驚かせたキーワードが入っている。
「待っているついでに聞きたいことが一つ...
彼女...シーターは今どこにいますか?」
!?!?
最後までお読みいただきありがとうございました。金剛永寿と申します。
こちらは「第11回ネット小説大賞」の一次選考通過作品です!
二次選考で選ばれませんでしたが、一次選考通過作品である事実は消えません。
だから今もこれからも胸を張って、誇りを持って言えます!
これを励みだと思って、前にもっと進みたいと思います。
今まで応援していただいた読者の皆様にはお礼を何回言っても足りません。
このような作者ですが、また今月から「第12回ネット小説大賞」に再挑戦しています。
今後ともよろしくお願いいたします!
はい!お約束の!また別のキャラ登場でーす!
作者は話の続きが書けないという呪いにかかりまして、どうしてもこんな形になってしまいます(嘘つけw!)
しかも、あの喫茶店のマスターと...翠猿と名乗った男
これはいったい...どういうことなんだ!?
初対面ということを利用して、オーナーのスリーヤと接触させて、自分がこの場所に来るとはなかなかの策士ですね。
さらにシーターの話まで出てきました。
何が本当の目的なんでしょう...(作者もだんだん分からなくなってきました)
どうなるかそれは次回の楽しみ!
乞うご期待!
もうここまで来て、付き合ってくれた皆さんに御礼を申し上げます。
次回は誰を登場させるか...どのような物語と展開になるか...今後の展開もぜひお楽しみに!
この作品は古代インドの叙事詩「ラーマーヤナ」をベースにした輪廻転生系ローファンタジーフィクションです。
日本では三国志や西遊記よりかなりマイナーですが、南アジアから東南アジアまで広く親しまれる作品です。ぜひご興味ある方は原作にも読んでいただければと思います。
ご興味ある方はぜひ登場した気になる言葉をキーワードとして検索してみていただければと思います。
もし続きが気になって、ご興味があれば、ぜひ「ブックマーク」の追加、「☆☆☆☆☆」のご評価いただけるととても幸いです。レビューや感想も積極的に受け付けますので、なんでもどうぞ!
毎日更新とはお約束できませんが、毎週更新し続けるように奮闘していますので、お楽しみいただければ何より幸いです!
追伸:
実は別の作品も書いていますので、もしよろしければそちらもご一読ください!↓
有能なヒーラーは心の傷が癒せない~「鬱」という謎バステ付きのダンジョン案内人は元(今でも)戦える神官だった~
https://ncode.syosetu.com/n6239hm/
現代社会を匂わせる安全で健康な(訳がない)冒険の世界を描くハイファンタジーです。




