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○○の記憶~兄者~

名が消された者が思う...兄者の自分


古代インドに語り継がれる叙事詩「ラーマーヤナ」、ヴィシュヌ神の化身「ラーマ王子」の愛する「シーター妃」を奪還するために耗発した羅刹羅闍ラクシャーサラージャ「魔王ラーヴァナ」との戦の末、羅刹の王が敗北者となり、王子と妃が運命の再開を果たした物語...


もしこの物語は何者かの筋書き(運命)によって定められたとしたら、それに抗えないだろうか?


時は現代日本、ある女子大学生「椎谷しいたに蘭華ランカ」がラーマーヤナの物語(世界)に巻き込まれ、滅んだはずの羅刹の王との出会いで運命の歯車がついに再び動き出して、心を探す旅が始まった...ぶらりと...

兄者(あにじゃ)

...

兄者!この岩は凄く重たい...でも、兄者なら余裕だよね!

...

兄者兄者ってうるせーよ!

俺にまとわりつくな!

異父兄弟で、俺は年上だからと言って...仕方なく一緒にいてあげただけなんだ。

でもさ...

あの太陽神の子だと聞いて、どんな強者かと思ったら...

こいつは本当に...軟弱!

見ているだけでイライラする。

俺の目の前から消えてくれないのかな...と本当にそう思った。

少なくとも最初に会ったときはそう思っていた...


兄者!

神様から力をもらったのは誠か?

さすが兄者!神様も認める強さだ!

否!神でも劣らない力の持ち主は俺の...この国の皆の誇りだ!

...

ふっ!軟弱のお前と違って、俺は選ばれし者なんだよ...

この力でもはや俺は無敵になった。

一対一という条件はただの大してない枷!

俺なら幾多の相手でも無敵だ!

と...そのような意地を張って、お前にそう思われたいだけなのかもしれん。

いや!誰相手でも勝つぞ!

俺には神の加護がなくても無敵だ!

誰が相手であろうと...


兄者!

改めて即位おめでとう!

やはりこの国の王に相応しいのは兄者だけだ!

これからも兄者の側近に相応しい者になれるように最善を尽くす...

いいえ、尽くしてまいります...我が王!

...

ああ...ありがとう...

なんか照れくさいな...直に言われると...

とお前に言ったが、俺の心の中は少し複雑だ。

俺は王か...いや、俺は王だ!

この力を持つ俺には王に相応しいに決まっている!

でも、気づいてしまった。

俺は王になれるが、王に相応しい器を持っていないということぐらい...

それでもあいつは何も言わず、俺の側近になってくれた。

だから...あのときの出来事でお前を心底恨んだ。

そして、あんな目に遭わせた。


兄者!

俺と勝負だ!

今度こそ兄者に勝ってみせる!

...

ほ...

こんな大口がたたけるようになったか、この軟弱者が!

俺を裏切って、王になりすましたくせに、また俺の目の前に現れてきやがった。

いいだろう...受けて立とうじゃないか!

この俺にはこの国を治めるだけじゃ...小さすぎる

この俺なら...魔族(アスラ)でも天人(デーヴァ)でも負けるわけがない!

神さえ...全てを手に入れてみせる!

まずはお前を始末することで、俺が一歩その野望に近づけられると証明できる機会だ。

そう思っていた。


勝負は俺の勝利だが、

結果的には俺の敗北...つまり死だ。

なんだよ...あんな軟弱の人間の矢でくたばるなんて...かっこわりー

俺はこんな罰を受けるのはしゃくだし...介入してきたあんな人間から説教までくらった。

正論は好きじゃないが...でも、それもそうか...

あのときもお前を心から信じきれなかった。

訳があると心が分かったのに...お前を裏切り者だと思ってしまった。

お前は昔から今でも俺のことをずっと変わらずに俺のことを信じていた。

結果はどうであれ...

俺は王ではなくなった時点で俺の負けが確定だ。

そもそも俺は王に相応しくないかもしれんな。

認めたくないが...お前は王に相応しい。

少なくても俺よりは...な。

お前は軟弱者じゃない...前からな...

悪いな...俺はお前の理想の兄者にはなりきれなくて...

悪いな...お前の兄者はお前が思ったほど強くなんかじゃない。

強さを求めるばかりに...大事なことを忘れたみたいだ...

まあ...何を言っても俺の役割はここまでだ。

だから、俺はもう逝く...

俺の子供を頼んだぞ。

王の素質を教えるのはお前の方が適任だ。

力は俺譲りだけどな...きっとこれからの大戦に活躍できる。


言い残したいことはもうないな...

ん?

転生はどうって?

あ...()()()に話したら、それはもう当然できるざ。

むしろここで蘇ることさえも可能ぐらいだ。


でも、これは俺の生きてきた道だ。

例え、神でも...俺の生き様を指図されるつもりはまっぴらだ。

だから...これで俺の物語は終わり...

転生とかは遠慮させてもらう。

お前らの物語はどうなるか知ったこっちゃないが...

俺より良い結末が待っていると祈るぜ...

...

いいや...

一層、神様にお願いしてみるか?

もっともっと面白い展開が訪れるように...ってか?

無論、俺がそれに参加できないところでつまらないに決まっているけど...な

最後までお読みいただきありがとうございました。金剛永寿と申します。


こちらは「第11回ネット小説大賞」の一次選考通過作品です!

二次選考で選ばれませんでしたが、一次選考通過作品である事実は消えません。

だから今もこれからも胸を張って、誇りを持って言えます!

これを励みだと思って、前にもっと進みたいと思います。

今まで応援していただいた読者の皆様にはお礼を何回言っても足りません。

このような作者ですが、今後ともよろしくお願いいたします!


急に誰の話だと思ったら...あの〇〇さんでした。

名前を言っちゃいけないあの人みたいな呼び方になったけど、まあ...そこまでじゃないですよ。

たまに明らかに名前を晒さないで、検索してみたり...推測してみたりしてもらうのもアリかなと思って。

検索したら、すぐに誰なのか分かると思います。

この登場人物の役割はなんだかあれですよ。

ただ普通に王子側に付いていれば、もはや対戦はすぐおわっちゃうぐらいのチートキャラなんです。

だから、そのジョウタロウみたいなキャラを出すわけにはいかないということで、こんな展開になってしまいました。

昔でも今でもチートキャラの扱い方は変わらないと言えなくもないですね。

彼の物語は終わった。この物語との関係はもうないでしょう。でも、残された者にはどうでしょうね...


次回も乞うご期待!

もうここまで来て、付き合ってくれた皆さんに御礼を申し上げます。

次回は誰を登場させるか...どのような物語と展開になるか...今後の展開もぜひお楽しみに!


この作品は古代インドの叙事詩「ラーマーヤナ」をベースにした輪廻転生系ローファンタジーフィクションです。

日本では三国志や西遊記よりかなりマイナーですが、南アジアから東南アジアまで広く親しまれる作品です。ぜひご興味ある方は原作にも読んでいただければと思います。


ご興味ある方はぜひ登場した気になる言葉をキーワードとして検索してみていただければと思います。

もし続きが気になって、ご興味があれば、ぜひ「ブックマーク」の追加、「☆☆☆☆☆」のご評価いただけるととても幸いです。レビューや感想も積極的に受け付けますので、なんでもどうぞ!


毎日更新とはお約束できませんが、毎週更新し続けるように奮闘していますので、お楽しみいただければ何より幸いです!


追伸:

実は別の作品も書いていますので、もしよろしければそちらもご一読ください!↓


有能なヒーラーは心の傷が癒せない~「鬱」という謎バステ付きのダンジョン案内人は元(今でも)戦える神官だった~


https://ncode.syosetu.com/n6239hm/

現代社会を匂わせる安全で健康な(訳がない)冒険の世界を描くハイファンタジーです。

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