表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
136/219

ぶらり旅(宿泊②)

魔王...愛の宿に到着


古代インドに語り継がれる叙事詩「ラーマーヤナ」、ヴィシュヌ神の化身「ラーマ王子」の愛する「シーター妃」を奪還するために耗発した羅刹羅闍ラクシャーサラージャ「魔王ラーヴァナ」との戦の末、羅刹の王が敗北者となり、王子と妃が運命の再開を果たした物語...


もしこの物語は何者かの筋書き(運命)によって定められたとしたら、それに抗えないだろうか?


時は現代日本、ある女子大学生「椎谷しいたに蘭華ランカ」がラーマーヤナの物語(世界)に巻き込まれ、滅んだはずの羅刹の王との出会いで運命の歯車がついに再び動き出して、心を探す旅が始まった...ぶらりと...

余の目の前にはなんということ...なんというものに目にしたというんだ...

とても信じがたく...夢だ...幻影だ...と自分に言い聞かせている。

あ...崇高なる神よ...

今度こそ...今度こそ...

御礼を...申し上げる

と思えるのはこの先の話。


...

この気持ちになるまで余の不完全な心はとても哀しい気持ちで埋められていた。

余に気を遣っているだろうか愛する我が君はできるだけ余に話しをかけてくれた。

相変わらずの片言を精一杯余に説明しようとした優しい愛する我が君。

その優しさに触れられるだけでもこの哀しみが一時的に忘れることができた。

それでも完全に消えることのない...この心の痛み。

今まで感じたことのない痛みは余の感情まで変化をもたらしたかのようだ。

哀しいときには無論感じたことがあるさ...

しかし、ここまで消えないのは初めての体験だった。

このように落ち込んでいる?と言っても良いのか分からない気持ちは初めてと言っても過言じゃない。

余は...弱くなったのか...

そう思ってしまった自分にはとても無力さを感じてしまった。

これから余はどうすれば...

と考えているときにも愛する我が君が隣に歩いている。

其方が隣にいてくれることは今の余のせめての救い...

この痛みを和らげる唯一の存在だ。

其方のおかげで今はなんとかなった。


しかし、食べ物が食べられる場所に入ってしばらくすると、愛する我が君の様子が少し変わった。

料理を余の代わりに注文した後、何かあの光った小さな板...スマホというものをじっと見つめている。

何かに悩んでいるに違いないが、それを聞くにも失礼の気がした。

そのとき、突然悩んでいる表情が別の表情に変わった。

その表情は...困惑と恥じらいだと思う...

料理が運ばれた後でもずっとその表情になった愛する我が君はただ黙々と目の前のご飯を食べている。

余も何かを言い出せないまま、目の前の料理...ウドンと呼ばれた料理を前に使い方をお触った木の棒オハシで食べた。

まだまだ慣れていないが、少しずつコツを掴んできた気がする。


それからしばらくあの場所にとどまった。

余の勘違いならいいが、次の目的地に行きたくないような顔を愛する我が君がしているにも見える。

余はただ其方が動き出すことを待つしかないと思い、其方を見つめていた。

これさえあれば、何時間...否!永遠に続いても余には構わないと思ったからだ。

人間が徐々にいなくなり、外の人間も減っていることに気づいたとき、ある人間が愛する我が君に話しかけた。

えい!この時間を邪魔するんじゃないぞと少し不満だったが、やっと愛する我が君が動き出した。

まずは外を出ようと言われた。

その場所からしばらく愛する我が君に付いて歩くと、ある建造物の前に辿り着いた。

「次...ここ...シュクハクする...」と気のせいか少し恥ずかしそうな声で言われた。

その言葉はどういう意味か最初は分からなかったが、

要するにこの夜をこの場所で過ごすということではないかと予測が付いた。


しかし、奇妙な建造物だ。

外見は街の中の建造物と違い、使われる色と光が派手だ。

大きさもかなり大きめ。

まるで宮殿の一部みたいだ。

ここは何という場所なんだ...


中に入ると、薄暗い薄紅色の光に包まれる廊下が見えた。

見通しが悪く、奥まではハッキリ見えなかった。

入り口の辺には門番のような人間が窓が挟んだところに居座っている。

愛する我が君はその人間に何かを話しに行って、戻った。

手に入れたにはどうやら鍵らしきものだった。

その後、ある扉まで一緒に歩いた愛する我が君は何かの押して、押された場所は光った。

それから、その扉が開いた。

その中には人間では複数に立って入れる空間だった。

まさか...ここでシュクハクするというのか!?

さすがにここで横になることは不可能だ。

例え余が犠牲になって、立とうとしても愛する我が君には横になる場所が足りない。

こんな大きさの建造物なのに、なぜこのように狭い空間で夜を過ごすことになるなんて...

と思いながら、入るように言われた。

その狭い空間に入った後、扉が閉まり...そして動き出した音がした。

これは一体...と考える間もなく再び扉が開いた。

どうやら別の場所に移動させられたらしい。

何の術を使っているのか感心したところ、愛する我が君に背中を押されて、その空間から出ることになった。

後で分かったことだが、その狭い空間はエレベーターと呼ばれて、建造物の中の階層を移動するためのものらしい。


そして、ついにある扉に着いた余と愛する我が君。

なぜか入ることを躊躇する様子が丸出ししている愛する我が君...

よく見たら、彼女の顔が少し赤らめているような気がしなくもない。


...

...!?


その瞬間から余は気づいた...

ここで二人が一夜を過ごすことになる...ということと

愛する我が君が恥じらう表情を見せる本当の意味を...

これはまさか...

最後までお読みいただきありがとうございました。金剛永寿と申します。


こちらは「第11回ネット小説大賞」の一次選考通過作品です!

二次選考で選ばれませんでしたが、一次選考通過作品である事実は消えません。

だから今もこれからも胸を張って、誇りを持って言えます!

これを励みだと思って、前にもっと進みたいと思います。

今まで応援していただいた読者の皆様にはお礼を何回言っても足りません。

このような作者ですが、今後ともよろしくお願いいたします!


魔王、ついに宿泊先に到着!

まあ、最近ではこんな〇〇ホテルという雰囲気の場所が残っているのか分からないぐらいザ固定概念で書きましたが、あくまでイマジネーション上の場所ですので、許してちょんまげ!(年齢がバレる的なギャグw...いや、作者はまだ若いです!少なくとも精神的に!さすがリアタイでそのギャグを知る歳ではありません)

魔王の視点から見た蘭華の様子と言動…これもまた興味深いですね。

少しずつ現代のものに慣れた魔王でも初めてエレベーターに乗ったらどんな感じになるか書いてみました。やはりあんなスペースは寝れないですね...さすがに(経験者がいらっしゃいますか?)

果たして!魔王が目にしたものとは!それはなんなんだ!

(1話でおさまらないので、カットしてしまったことを認めます。すみません!)

次回には乞うご期待!


もうここまで来て、付き合ってくれた皆さんに御礼を申し上げます。

次回は誰を登場させるか...どのような物語と展開になるか...今後の展開もぜひお楽しみに!


この作品は古代インドの叙事詩「ラーマーヤナ」をベースにした輪廻転生系ローファンタジーフィクションです。

日本では三国志や西遊記よりかなりマイナーですが、南アジアから東南アジアまで広く親しまれる作品です。ぜひご興味ある方は原作にも読んでいただければと思います。


ご興味ある方はぜひ登場した気になる言葉をキーワードとして検索してみていただければと思います。


もし続きが気になって、ご興味があれば、ぜひ「ブックマーク」の追加、「☆☆☆☆☆」のご評価いただけるととても幸いです。レビューや感想も積極的に受け付けますので、なんでもどうぞ!


毎日更新とはお約束できませんが、毎週更新し続けるように奮闘していますので、お楽しみいただければ何より幸いです!


追伸:

実は別の作品も書いていますので、もしよろしければそちらもご一読ください!↓


有能なヒーラーは心の傷が癒せない~「鬱」という謎バステ付きのダンジョン案内人は元(今でも)戦える神官だった~


https://ncode.syosetu.com/n6239hm/

現代社会を匂わせる安全で健康な(訳がない)冒険の世界を描くハイファンタジーです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ