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ぶらり旅(宿泊)

魔王...共に宿を探す


古代インドに語り継がれる叙事詩「ラーマーヤナ」、ヴィシュヌ神の化身「ラーマ王子」の愛する「シーター妃」を奪還するために耗発した羅刹羅闍ラクシャーサラージャ「魔王ラーヴァナ」との戦の末、羅刹の王が敗北者となり、王子と妃が運命の再開を果たした物語...


もしこの物語は何者かの筋書き(運命)によって定められたとしたら、それに抗えないだろうか?


時は現代日本、ある女子大学生「椎谷しいたに蘭華ランカ」がラーマーヤナの物語(世界)に巻き込まれ、滅んだはずの羅刹の王との出会いで運命の歯車がついに再び動き出して、心を探す旅が始まった...ぶらりと...

ふ~...

良かった...少し元気になったみたい。

そう思ったのは、さっきまでずっとしょんぼりとした姿に全く似合わない巨漢がゆっくり立ち上がったのを見た女子大生...椎谷(しいたに)蘭華(ランカ)だった。


何か励まそうとしたが、慌てたせいかうっかり普通に日本語で口走ってしまった。

あと、一瞬意識がなくなった気もしなくもないけど...

まあいっか、結果オーライということで!ヨシ!

というザ・ポジティブ思考のランカは立ち上がった巨漢の方を改めて見た。

うん...この人?が楽しいと思えることは何だろう...

前みたいに路上ライブとか?

確かにそのときは楽しそうな顔をしていたな。

自分でも日本の路上でヴィーナの演奏が聴けると思わなかった。

というか普通は路上でやるものじゃないから...

そう言えば、あの路上ライブでギターを弾いた人...その後どうなっているんだろう。

中々のバズった具合だからな...

その人にはいいことがあったら...いいね。

でも、これ以上この人?が目立つことはできるだけ避けたい。

空港のときも...路上ライブのときも...

ニュースとかにはならなかったものの、ネットでは結構騒がれたから...

今でもこの人?の正体を探すモノ好きの人たちもいるかもしれないし、

また話題になったら、こっちも困る...

他に楽しそうなことと言うと?

観光自体は楽しいけど、何かアクティビティができればな...

持ち金もそこまでないから

あ、そうか!

まだ伯父様に連絡していない!

今日中にはちょうどいい時間に着くと思ったけどな...

と思った彼女は自分のスマホを取り出して、何かを検索し始めた。


...ん?

あああああ!?!?!?

と突然大声を出したランカ。

隣にいた巨漢まで少しビクッとした。

その巨漢は何事かみたいな顔をしてランカの方を見たが、彼女は大きい口を開けて、目を丸くした。

ずっとこの人?のことを迷子探しみたいに慌てて、自分はどこの駅に降りたか意識していなかったけど、自分の現在地をよく確認したら...ここは岡山(オカヤマ)だった。

ということは、彼女は途中で下車してしまったではなく、降りるべきの駅に降りたんだ。

よかった...と安堵とした表情になったランカ。

危ういところで新幹線代をさらに払わないといけないと思い込んでしまったところだった。

...待ってよ...この人?が突然いなくなければ、逆に乗り過ごしてしまったじゃないのか?

まあ...目的地までの電車代はまた払わないといけないけど、それはなんとか...なる。

ううう...安心した矢先に改札を出たときに葛藤した自分を思い出すと、バカみたいでちょっと恥ずかしい。

と思ったランカは巨漢の代わりに今度座り込んだ。

彼女の隣にいる巨漢はしばらく様子を見て、言葉を発することがなかった。

ランカがなんとか頭の整理ができたときにはその巨は隣に座っていた。

それに気づいたランカはふっと笑い出した。

「あ...ごめんなさいね。せっかく立ち上がったのに、また座ったよね。えーと...感謝する...今から...あそこ...戻る...」と巨漢になんとか次の行動について説明したランカは巨漢と一緒に立ち上がり、その広場を後にした。

気がつけば、その広場には子供連れの人たちや年寄りの人たちがそこそこいた。

今は...もう夕方になったとランカは自分のスマホで時間を確認した。

この時間帯なら、普通に誰か訪れるじゃないかという場所はその謎の男がこの人?とやり合っているときに全然人がいないもの...やはり、あの見えない壁のせいで人が入れないのか?

まあ...普通に戻ったらいいか。

まずは駅に戻ろう...


2人で駅舎がある場所に戻ったが、そこでランカは時刻表を確認しに行った。

うん...

今の時間だと、次の特急には乗れるけど...伯父様の家って、()()()()な...

電車の後にすぐフェリーが乗れる時間を狙っていたけど、こういうことになったし、間に合わっ...

と再びスマホで何かを検索した。

...

フェリーはもともと多くないから、今の時間だともう間に合わない。

うん...できるだけ目的地に近い街まで行って一泊するかここで一泊するか...迷うな。

そっちに比べて、こっちの方はまだ都会だと考えるのはちょっと失礼だと感じるけど...

そっちまで行って、空きがないなら元も子もない。

...仕方ない

今日はここに泊まることにするか...


そう決意したランカは駅の辺で簡単な飯屋を探して、巨漢と2人で入った。

店の中で巨漢に説明しながら、この人?にも食べられそうな料理を代わりに注文した。

注文した料理を待っている間、ランカは次のプランについて考えた。

うん...

朝イチで行けば問題ないはず。

さっき伯父様に連絡したし...ゆっくりしてもいいから、気をつけてねと言われた。

ありがたいけど、そう言ってもね...

宿はどうすれば...

これ以上負担をかけたくないし、ここは自分でなんとかするしか...

ホテルとかはそもそも予約していないし、あるのかな...

...やっぱりない

一個一個当たるのは現実的じゃないよな。

ネットカフェとかは?と思ったランカは向かい席に座っている巨漢のサイズを見た。

デカい荷物だと思えばできなくはないが...窮屈しそうだ。

2人分にすると、あまり値段がホテルと変わらないよな。

うん...それとも...

ともう一つの案を思い出したランカはすぐその案を頭から払拭しようとした。

()()()は...ダメだ...

...

本当にダメなのかな...となぜかその案を捨てきれなかったランカ。

値段も短時間滞在だと思ったら、割と高くないし...

ネットカフェより広いという点もある。

まあ...大丈夫だよな。

この人?なら...あそこに泊まっても...

うん...きっと大丈夫...はず

と思ったランカだったが、ちょうど注文した料理が来たので、彼女は目の前の料理に集中することにした。

向かい席の巨漢も...ただ黙っていて目の前の料理をまだ器用に使えない箸で食べ始めたのだった。

最後までお読みいただきありがとうございました。金剛永寿と申します。


こちらは「第11回ネット小説大賞」の一次選考通過作品です!

二次選考で選ばれませんでしたが、一次選考通過作品である事実は消えません。

だから今もこれからも胸を張って、誇りを持って言えます!

これを励みだと思って、前にもっと進みたいと思います。

今まで応援していただいた読者の皆様にはお礼を何回言っても足りません。

このような作者ですが、今後ともよろしくお願いいたします!


魔王登場!そしてぶらり旅シリーズ!

ことが一旦終わって、やっと自分がどこにいるか気づいたランカちゃん。最初はしょんぼりした魔王の代わりに座り込んだ彼女をそばに寄り添う魔王の図は個人的に好きです。

再び動き始めた2人に待ち構えているのはなんと!目的地にはもう行けないという残酷な?事実

宿を探すランカちゃんが見つかったあの宿とは?

どこだろう?

全然検討がつきませーん(おいおい!)

この2人の今後を見守っていただければ幸いです。


もうここまで来て、付き合ってくれた皆さんに御礼を申し上げます。

次回は誰を登場させるか...どのような物語と展開になるか...今後の展開もぜひお楽しみに!


この作品は古代インドの叙事詩「ラーマーヤナ」をベースにした輪廻転生系ローファンタジーフィクションです。

日本では三国志や西遊記よりかなりマイナーですが、南アジアから東南アジアまで広く親しまれる作品です。ぜひご興味ある方は原作にも読んでいただければと思います。


ご興味ある方はぜひ登場した気になる言葉をキーワードとして検索してみていただければと思います。


もし続きが気になって、ご興味があれば、ぜひ「ブックマーク」の追加、「☆☆☆☆☆」のご評価いただけるととても幸いです。レビューや感想も積極的に受け付けますので、なんでもどうぞ!


毎日更新とはお約束できませんが、毎週更新し続けるように奮闘していますので、お楽しみいただければ何より幸いです!


追伸:

実は別の作品も書いていますので、もしよろしければそちらもご一読ください!↓


有能なヒーラーは心の傷が癒せない~「鬱」という謎バステ付きのダンジョン案内人は元(今でも)戦える神官だった~


https://ncode.syosetu.com/n6239hm/

現代社会を匂わせる安全で健康な(訳がない)冒険の世界を描くハイファンタジーです。

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