トリムルティ(参拝)
神々が集う...祈願を体験するために...
古代インドに語り継がれる叙事詩「ラーマーヤナ」、ヴィシュヌ神の化身「ラーマ王子」の愛する「シーター妃」を奪還するために耗発した羅刹羅闍「魔王ラーヴァナ」との戦の末、羅刹の王が敗北者となり、王子と妃が運命の再開を果たした物語...
もしこの物語は何者かの筋書き(運命)によって定められたとしたら、それに抗えないだろうか?
時は現代日本、ある女子大学生「椎谷・蘭華」がラーマーヤナの物語(世界)に巻き込まれ、滅んだはずの羅刹の王との出会いで運命の歯車がついに再び動き出して、心を探す旅が始まった...ぶらりと...
都内のある場所...人がその場所を「神社」と呼ぶ。
鳥居を通して境内に入ると、たくさんの人で静けさを感じさせながら、賑わっている。
屋台やおみくじ...お守りが並べているところまで人だかりという状況を三人の男性が少し離れた物陰で様子を見ている。
「人間が多い...この場所...苦手」とその中に一人が言い始めた。
「はっ!人が多ければ抹消すればいいじゃないか...お前の破壊で!」となんだか物騒な言葉を言いだしたもう一人の男性。
「よさないか...世界の維持神だと思えない発言だ。そんな言葉は控えろと何度も言わせないくれ、維二郎」ともう一人の男性が先ほどの発言に対して真剣なトーンで注意をした。
「僕が自分の手で下すわけないでしょう?それをやるなら壊三でしょう...僕にはとうていそのような残酷なことができるに見えますか?」という冗談のようで本気のような質問をさっき自分を注意した男性に問いかけた。
「...全く...一応ここの神様が寛大の方から許されるけど、自分のフィールドじゃないところにあまり派手にやらかすんじゃない。
は...お前を祀っている人間は可哀そうだ。もしお前があの偉大な神様だと分かったらという話なんだが。」という呆れた回答で返した男性に対して、それを言われた男性は何か言い出そうとしたが、別の男性が割り込んだ。
「ところで...なんで俺たちが自分が祀られていない場所まで来たの?」という素朴の疑問を他の二人にぶつけた。
「それはいい質問だ、壊三!確かに...ここは僕たちの本来祀られている国じゃない...
しかし!この国ではね...八百万の神々という考えがあるんだ!」
「へ...なんで神々は10800柱いるという明確な数字になったの?」
「さあ...それはあくまで人間、特にこの国の人間は神様は万物の全てに宿るという意味であって、数える人がいるのか分からない。」と説明した男性にもう一人もさらに説明を加えた。
「この国の人間の全員じゃないけど、一部には八百万の神々の中に私たちのような別の地の神々が入っているという考える人間もいる。」
「要するに...なんでもアリということ?...人間ってこの辺の考えは大雑把だな。」
「はっ!面白いことにあの悟りを得た者でも神様扱いだぞ。
僕からにしては輪廻転生から解放された者にはもはや神より別の存在になった...
というよりはまだ存在しているのかそこは何とも言えないぜ。」
「信仰というのはそういうことだ。私たちにも該当するから、祀られた分には何かをしないといけない。」
「さすが造一お兄様...ご立派ご立派...」という皮肉と共に拍手をした男性。それをスルーした男性はまた話した。
「案外...名前が違えど、世界共通のものには神様が存在するからな。親戚というか同じ存在というか...」
「それはそうと...なぜ俺たちがここにいるのかまだ説明してもらっていないけど...」という男性の淡々と答えを求める姿勢が言葉になった。
「あ...悪い。年の初めに【初詣】という風習がこの国にあるんだ。
検索してみると、一年の感謝を神様に捧げるとか新しい年には無事でいられることを願ったりするらしい。」
「ふっ!年末とか年始とか...こんな考えを持っているのは人間だけだ!
永久に近い存在の僕たちにとって...一年はもはや宇宙の中では認識できないほどの塵みたいな瞬間に過ぎない!」
「それはそうだが、俺達にはあまりにも時間が余り過ぎた...と言いながら、今を楽しまないと損だよ。どうせ終わるなら...」
「いいことを言うじゃないか、壊三!」
「それも一理がある...いや、真理とも言えるな。」
「前のあの尊い?ライブハウスに行ったときに思ったけど、こんな感じで人間と共に過ごすのも悪くない。」
それを聞いた他の二人は少し興味深そうな顔をした。
「...まさか君から言われたとはな。確かにこの世界の各地にいる神々の中にたまたま私たちはここにいるだけだ。ここに来ては何かしたことないことをすることも含めると思う。
この瞬間でも不老不死ではない存在にはサンサーラの中に囚われ続けているんだ。
同じ星でも同じ場所でも...同じ時間なんて訪れない。
これは私たちにも同じだ。
時間というものは平等に全てを訪れる。そして、時間という檻に囚われる。」
「はっ、時間を弄るなんて...勇気ある者か愚か者がすることだ。
でも、たまにいますよね...それを何かしようとした者。」
と話した男性に対して、珍しく別の男性も否定をせず話の続きをした。
「あ...ときには運命と時間が交錯するとき...
奇跡なのか...悲劇なのか...
何かが起きる...
神々でも驚くぐらいに...な。」と言ったそのとき、また最初に質問をした男性から何かを言った。
「人間にしては新しい年が訪れることはおめでたいね...
世界が終わらないだけでも...おめでたい...」と言ってから、別の男性が追加で言葉を口にした。
「天命とよく人間が言うけど...
命が長かろうが短かろうが...命だ。
命が尽きない限り...生きていく。
それは生き物に与えられた完全なる平等で理不尽な摂理だ。
あるいは祝福か...呪怨か...」と中々理解が難しい話をしたが、別の男性はその話から別の話に切り替えた。
「さあ...参りましょうか...この込めた願いが神様に届きますように...少なくともここの神様に
ん?作法?
作法とかはまあ、人間がやったことを見れば、すぐにできるよ。」
いざお参りしたときに男性の1人が急に気になったことを口にした。
「で?お願いごととかは?」
それを聞いた別の男性は待っていました!みたいな笑顔で答えた。
「さあ...世界平和というの?そんなもん...僕がなんとかしてみるさ!
ダメになったときは...お二人にお任せいたしますね...」
神々の参拝は人間が知るはずがなく行われた。
最後までお読みいただきありがとうございました。金剛永寿と申します。
こちらは「第11回ネット小説大賞」の一次選考通過作品です!
二次選考で選ばれませんでしたが、一次選考通過作品である事実は消えません。
だから今もこれからも胸を張って、誇りを持って言えます!
これを励みだと思って、前にもっと進みたいと思います。
今まで応援していただいた読者の皆様にはお礼を何回言っても足りません。
このような作者ですが、今後ともよろしくお願いいたします!
今年の初更新です!
明けましておめでとうございます!
今年もよろしくお願いします!
年明け早々に大変なことが起きましたが、自分ができることを精一杯やると思わせるとも言えます。
まずはこの更新です!
今回はあの謎の3人の回になりました。
皆さんは初詣をしましたか?
作者は家の近くの神社でしましたよ。
人がいないところで落ち着きますね!
3人が訪れた神社とは全く違いますが、どこでしょうかね。
信仰とか祈願とか時間とか中々神々から見ては、人間がやっていることには何か意味があるのか理解し難いかもしれません。しかし、同時に理解しようとした神様がいれば、それもそれで面白そうかなと思って、書いてみました。
作者自身の考え方も入っていますので、何か共感できるとかできないらとかが混ざるかと思いますが、何かの気づきになればと思います。
時事ネタみたいな感じですが、たまにこの3人を登場させることも悪くないなと感じます。どう本編に関連付けするのかは、お楽しみに!
もうここまで来て、付き合ってくれた皆さんに御礼を申し上げます。
次回は誰を登場させるか...どのような物語と展開になるか...今後の展開もぜひお楽しみに!
この作品は古代インドの叙事詩「ラーマーヤナ」をベースにした輪廻転生系ローファンタジーフィクションです。
日本では三国志や西遊記よりかなりマイナーですが、南アジアから東南アジアまで広く親しまれる作品です。ぜひご興味ある方は原作にも読んでいただければと思います。
ご興味ある方はぜひ登場した気になる言葉をキーワードとして検索してみていただければと思います。
もし続きが気になって、ご興味があれば、ぜひ「ブックマーク」の追加、「☆☆☆☆☆」のご評価いただけるととても幸いです。レビューや感想も積極的に受け付けますので、なんでもどうぞ!
毎日更新とはお約束できませんが、毎週更新し続けるように奮闘していますので、お楽しみいただければ何より幸いです!
追伸:
実は別の作品も書いていますので、もしよろしければそちらもご一読ください!↓
有能なヒーラーは心の傷が癒せない~「鬱」という謎バステ付きのダンジョン案内人は元(今でも)戦える神官だった~
https://ncode.syosetu.com/n6239hm/
現代社会を匂わせる安全で健康な(訳がない)冒険の世界を描くハイファンタジーです。




