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羅刹羅闍(哀)

試練の反動...始まる


古代インドに語り継がれる叙事詩「ラーマーヤナ」、ヴィシュヌ神の化身「ラーマ王子」の愛する「シーター妃」を奪還するために耗発した羅刹羅闍ラクシャーサラージャ「魔王ラーヴァナ」との戦の末、羅刹の王が敗北者となり、王子と妃が運命の再開を果たした物語...


もしこの物語は何者かの筋書き(運命)によって定められたとしたら、それに抗えないだろうか?


時は現代日本、ある女子大学生「椎谷しいたに蘭華ランカ」がラーマーヤナの物語(世界)に巻き込まれ、滅んだはずの羅刹の王との出会いで運命の歯車がついに再び動き出して、心を探す旅が始まった...ぶらりと...

余は...なんということをしたのだ...

自分の子をこんな死に方をさせるとは...


蘇ったかのように思い出してきた記憶...

否...これは余の記憶じゃない。

余はその場にいないから...それだけは断言できる。

余の弟、クンバカルナが命を落とした後のことだ。

簡単に忘れられまい...

事が済んだ後に報告をもらった。

弔いのためにラーマの軍勢に挑んだ余の4人の子供たちと家臣...全員は命を落とした。

殺されたというより、命を捨てに行った愚かな行為だった。

余には何も相談をせず、勝手に戦を始めた子たちには相当な報いだ。

だから、例え自分の子であろうと命を落とした我が同胞と同じ扱いにした。

無論...ラーマと家臣たちにも同じ目に合わせてやる気持ちで戦いに挑み続けた。

この戦は、愛する我が君のためになるのかという疑問が浮かべきたとしても...

これは負け戦だと分かったとしても...止めるわけにはいかなかった。

この戦は何のために始めたのか徐々に分からなくなってきて、気づいたときはもう...手遅れの状況になった。


さっきの者が使った術は攻撃ではない。

幻を見せられるだけだった。

受けた攻撃は全く余に効かない...余の肉体はそう理解した。

そのはずなのに...

なぜここまで余の未完全な【心】がこんなに苦しいんだ。

なぜ哀しいという感情に圧倒されたのか自分自身でも分からない。

見せられた術と心に刻まれた子たちの死の記憶...

こんな死に方をしたのかと自分の目で見えたかのように...

その場にいない余にとってはもっと哀しむべきことだったのか?

そうか...

ちゃんと自覚してきたから、哀しいのだ。


愛する我が君への哀しみは一生消えないのは覚悟した。

子供たちの死は彼らにとって不甲斐ないの父親のせいだということも理解している。

しかし...何千年越しで実感が湧いてくると、この心にはちゃんと痛みを感じる。

まだ完全な心ではなくても...この哀しみを感じている。


溢れてきた哀しみの感情があまりにも膨大すぎたのか...余は立ち上がることができなかった。

このままで...この感情に向き合う時間が必要のようだ。

愛する我が君が近づいてきたときにはただただ自分の状況を告げた。

余にはない記憶を思い出した...しかし...とても哀しい...と


そう口にすると、愛する我が君は余の体に抱きしめようとしたようだが、彼女の手では余の体が覆えないため、代わりに余の手を握って、しっかり目を見て何かを話した。


「あなたは何者か私はよく知らないけど...もっと知りたいし、

でも、今のあなたはとても哀しい顔をしているのはすぐ分かる。

だから、まずはここから離れて、何か楽しいことをしましょう!

楽しいことがあったら、哀しいことを少し忘れるかも!

一緒に行こう...今度迷子になったとしても私は見つけてみせるから...大丈夫!」

何を言っているのか全く理解できなかったが、愛する我が君の笑顔が見えただけでも余の心が少しだけだったが、楽になった。


「そう...すぐに哀しみが消えません。

今すぐ立ち直らなくても良いのです。

ゆっくりで...

寄り道してもいい

迷子になってもいい

()()()()っと行きましょう...

あなたなら、きっと...大丈夫。」

!?

さっきまで理解できなかった言葉は余でも分かる言葉に変わり、

その囁きだけははっきり余の耳に届いた。


()()()()


と愛する我が君に話をしようと思ったとき、彼女の言葉はいつものカタコトに戻った。

さっきみたいにたまに起きたこの現象の正体が分からないが...そのおかげで余は決意した。

まずは立ち上がる...

そして、この不完全な心の中に今感じている哀しみを抱えながら...

そう...ゆっくりなブラリタビでも...余は愛する我が君と共に進んでいく。

最後までお読みいただきありがとうございました。金剛永寿と申します。


こちらは「第11回ネット小説大賞」の一次選考通過作品です!

二次選考で選ばれませんでしたが、一次選考通過作品である事実は消えません。

だから今もこれからも胸を張って、誇りを持って言えます!

これを励みだと思って、前にもっと進みたいと思います。

今まで応援していただいた読者の皆様にはお礼を何回言っても足りません。

このような作者ですが、今後ともよろしくお願いいたします!


今回は魔王の方に戻りました。

哀の試練の後?いや、まさにその後は本番です。

感じてきた哀しみは立ち上がれないほど深刻のようなものだそうですね。

肉体にダメージを与えなくても、精神攻撃のようなものを書いてみたかったので、こんな形になりました。

バトル要素がありつつ、実は効果が心の方だった。

いかがでしょうか?


果たして、愛する我が君とともに進むことを決意した魔王の行き先はどうなるのか?

そして、この哀しみはいつ良くなるのかは?

ぜひお楽しみいただければと思います。


そして!2023としては書き納めになります!

今年はネトコンのこともあったので、来年ももっと創作活動に励みたいと思います!

今年はお世話になりました。

来年もこれからもよろしくお願いします!

良い良い年を!


もうここまで来て、付き合ってくれた皆さんに御礼を申し上げます。

次回は誰を登場させるか...どのような物語と展開になるか...今後の展開もぜひお楽しみに!


この作品は古代インドの叙事詩「ラーマーヤナ」をベースにした輪廻転生系ローファンタジーフィクションです。

日本では三国志や西遊記よりかなりマイナーですが、南アジアから東南アジアまで広く親しまれる作品です。ぜひご興味ある方は原作にも読んでいただければと思います。


ご興味ある方はぜひ登場した気になる言葉をキーワードとして検索してみていただければと思います。


もし続きが気になって、ご興味があれば、ぜひ「ブックマーク」の追加、「☆☆☆☆☆」のご評価いただけるととても幸いです。レビューや感想も積極的に受け付けますので、なんでもどうぞ!


毎日更新とはお約束できませんが、毎週更新し続けるように奮闘していますので、お楽しみいただければ何より幸いです!


追伸:

実は別の作品も書いていますので、もしよろしければそちらもご一読ください!↓


有能なヒーラーは心の傷が癒せない~「鬱」という謎バステ付きのダンジョン案内人は元(今でも)戦える神官だった~


https://ncode.syosetu.com/n6239hm/

現代社会を匂わせる安全で健康な(訳がない)冒険の世界を描くハイファンタジーです。

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