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竜王の試練(伝達③)

竜王...初の対面報告


古代インドに語り継がれる叙事詩「ラーマーヤナ」、ヴィシュヌ神の化身「ラーマ王子」の愛する「シーター妃」を奪還するために耗発した羅刹羅闍ラクシャーサラージャ「魔王ラーヴァナ」との戦の末、羅刹の王が敗北者となり、王子と妃が運命の再開を果たした物語...


もしこの物語は何者かの筋書き(運命)によって定められたとしたら、それに抗えないだろうか?


時は現代日本、ある女子大学生「椎谷しいたに蘭華ランカ」がラーマーヤナの物語(世界)に巻き込まれ、滅んだはずの羅刹の王との出会いで運命の歯車がついに再び動き出して、心を探す旅が始まった...ぶらりと...

或る場所

誰かの手に取っているスマホは通知音が鳴った。

そのスマホはその誰かに画面を確認された。

それはあるチャットアプリのグループチャットだった。

そのグループ名は【竜王】


その内容はこのように示された。


弐号)

現状報告

尊敬するお方からのお告げを頂いた我々【竜王】は、復活した魔王に【試練】を与えるべく封印から解き放たれ、次々と現世に出現しました。

現在の状況を報告いたします。

【力】の試練と【血】の試練を突破した魔王は現在次の試練に直面しています。


(はち)号)

ご苦労。

その試練を担当するのはやはりあの者で間違いないな。


弐号)

はい!そうでございます。

今取りかかっているのは(ろく)号です。

今回の試練には陸号に一番適切で、まさに今遂行中です。


捌号)

弐号もいつもの取り纏め役を任して申し訳ない。


弐号)

いいえ!これは小生の使命!いや、天命ですので、お気になさらず。


捌号)

前の時には完了したときに報告したが、今回の試練には何か問題でもあるのか?


弐号)

いいえ。ただ陸号の連絡を待っている間に少し待機時間があるため、先に報告というよりメッセージを残しておくことにしました。捌号も本当に反応が素早くて、大変助かりました。

最近の人間では、返事が遅いことや読んだのに返事しない、いわゆる既読スルーということが理由で喧嘩になったりしたことがあるとかなんとか...少し辛抱を持って欲しいですね。


捌号)

我々と違って人間たちの今の意思疎通の手段が発展したから、逆にその便利さに囚われたと言っても過言ではないでしょう。


弐号)

さすが捌号...小生の考えとは全く同じです。


捌号)

実際のこと...今我々が連絡を取り合うことができるのも人間のおかげでもある。

その点に関しては感謝しないとな。


弐号)

あ!先ほど陸号から連絡が来ました。試練の遂行は完了しましたとのことです。

詳細については追って連絡いたします。


捌号)

ご苦労...と書いても陸号にはまだこのグループに招待されていないか...


弐号)

後ほどに追加いたしますので、ご安心を...


捌号)

分かった。参号からは返事がないが、何かの連絡があったのか?


弐号)

参号に関しては個人の方にも連絡しました。例の件についてはまだ調査中で、時間を少々いただきたいと言われました。


捌号)

了解した。弐号と参号...そして、今日試練の遂行を完了させた陸号にもとても感謝している。

引き続きの報告をよろしく頼む。

では、尊敬するお方とこの世界の行方のために!


弐号)

この世界の行方のために!


というメッセージを送った人は手に取ったスマホを見て、自分の後ろにいる何者かにこう言った。


「一応報告はしました...あとは君にもこのグループに参加させていただきますね。」と言ってから、振り向いた。

「ありがとう...()()。」とその弍号と呼ばれた者の後ろにいた誰かがそう言った。

「じゃ、ここからはオフレコで...まずは長年魔王の末裔に育てられたにも関わらず、自分の本当の使命を忘れたことなく然るべき時までよく耐えてくれた...我が同胞よ。」

「よせよ...弐号...今の私の姿を見れば分かるようにもはや八大竜王とはかけ離れた何者かになってしまった。

本来であれば、参号の瞳みたいに竜王の証である特徴が残っているはずなのに...今は普通の人間の姿だ。

しかし...不思議なことに竜王としての使命...魔王の末裔としての使命...この二つを同時に遂行できるということはとても都合が良すぎるぐらいだ。

これからも相手の懐に入り込み、そちらの企みが分かれば連絡する。」

「それは頼む...君の容姿をどうこう言うつもりじゃないし、私も見た通りだ...それでも君は我が同胞という事実が変わらない。それだけで十分だ。」

「ありがとう...ございます。」

「ははっ...お辞儀はやめてくれ...その見た目で日本のサラリーマンみたいなことをして、就職活動中の留学生みたいだ。」

「実際にはやっているが...」

「そうか。それも頑張ってくれ...こんなおっさんになる前にな...

それはそうと、確認したいことは...」

「あ...参号の話を聞いたことを参考にして、今回の結界は魔王本人限定にした。

本当に何者にも入れないし、そもそもそのエリアには人間が無意識に近づかないように作っておいた。

しかし、あの娘は結界の中に入れないものの...最終結界を張っているところまで来たのだ。」

「つまり...何らかの理由で魔王のことが感知できたのか...強いつながりがあるのか...そこまで来られるということなのか...」

「一緒に旅をしているに見えたから...何らかの(えにし)が結ばれたのは確かだが、どのような関係なのかそこまで分からない。

しかし...強いて言うなら、魔王がこの試練に乗り越えられるかは彼女次第かもしれない。彼女とすれ違ったときにそう感じたんだ。」

「そうか...彼女の件は、捌号が参号に任せることにしたから、君は気にしなくてもいいのだ。

後はこの試練の結果を待つことにしましょう。

はい!オフレコはここまで!せっかく岡山(オカヤマ)まで来たし、美味いものと酒を楽しもう!」

「分かった。私は帰りの新幹線までしか付き合えないが、それでもよかったら...」

「ヨシ!じゃ、行こう!これからの経過観察のためにも精力を付けないとな!」

「...」

「どうした?」

「最後に質問していいか...弐号。」

「...なんだい?」

「...我ら八大竜王の中では頂点に立っていると思われる...()()()()()なんだ?」

「...その話は酒の席に取っておきましょう...」

最後までお読みいただきありがとうございました。金剛永寿と申します。


こちらは「第11回ネット小説大賞」の一次選考通過作品です!

二次選考で選ばれませんでしたが、一次選考通過作品である事実は消えません。

だから今もこれからも胸を張って、誇りを持って言えます!

これを励みだと思って、前にもっと進みたいと思います。

今まで応援していただいた読者の皆様にはお礼を何回言っても足りません。

このような作者ですが、今後ともよろしくお願いいたします!


今回は!魔王の話でもなく!ラームたちの話でもない!

竜王たちの近況報告の回でした...

さらに今度はチャットだけだと思ったら...竜王同士の対面も!


弍号と陸号のオフレコの話はいかがでしょうか?

試練の結果というのは、まだ完了していない...結界のこともだし...

なぜ弍号は報告しないのか...

そして、明かされる(のか分からない)捌号のことも気になりますね...

というか今は岡山ですね...なんでと言われても...そういうことです!(なんだそれ!)

謎を増やしておいて、解かない作者にどうか...それが明かされるまでは楽しみにしてください。


もうここまで来て、付き合ってくれた皆さんに御礼を申し上げます。

次回は誰を登場させるか...どのような物語と展開になるか...今後の展開もぜひお楽しみに!


この作品は古代インドの叙事詩「ラーマーヤナ」をベースにした輪廻転生系ローファンタジーフィクションです。

日本では三国志や西遊記よりかなりマイナーですが、南アジアから東南アジアまで広く親しまれる作品です。ぜひご興味ある方は原作にも読んでいただければと思います。


ご興味ある方はぜひ登場した気になる言葉をキーワードとして検索してみていただければと思います。


もし続きが気になって、ご興味があれば、ぜひ「ブックマーク」の追加、「☆☆☆☆☆」のご評価いただけるととても幸いです。レビューや感想も積極的に受け付けますので、なんでもどうぞ!


毎日更新とはお約束できませんが、毎週更新し続けるように奮闘していますので、お楽しみいただければ何より幸いです!


追伸:

実は別の作品も書いていますので、もしよろしければそちらもご一読ください!↓


有能なヒーラーは心の傷が癒せない~「鬱」という謎バステ付きのダンジョン案内人は元(今でも)戦える神官だった~


https://ncode.syosetu.com/n6239hm/

現代社会を匂わせる安全で健康な(訳がない)冒険の世界を描くハイファンタジーです。

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