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不可解な出来事(羅刹女③)

試された...怪物と男


古代インドに語り継がれる叙事詩「ラーマーヤナ」、ヴィシュヌ神の化身「ラーマ王子」の愛する「シーター妃」を奪還するために耗発した羅刹羅闍ラクシャーサラージャ「魔王ラーヴァナ」との戦の末、羅刹の王が敗北者となり、王子と妃が運命の再開を果たした物語...


もしこの物語は何者かの筋書き(運命)によって定められたとしたら、それに抗えないだろうか?


時は現代日本、ある女子大学生「椎谷しいたに蘭華ランカ」がラーマーヤナの物語(世界)に巻き込まれ、滅んだはずの羅刹の王との出会いで運命の歯車がついに再び動き出して、心を探す旅が始まった...ぶらりと...

鬼子母神(きしぼじん)堂の前


(おおとり)の前に立っている少女の姿に異変が起きた。

その姿は完全に別の何かに変わった様子に2人の兄弟の羅亜夢(ラーム)(ラク)が目にした。

そして、頭の中で整理しようと思った。


変貌したあの少女の姿は恐ろしく、何と例えればいいか自分たちが知っている範囲の者ではまとまらなかった。

例えば鬼だと...皆が脳内に浮かんだイメージがあるだろう...

しかし、その固定概念のような鬼でもなく、もっと...醜いという表現もよろしくないかもしれないが、見た瞬間そう思わざるを得なかった。

さらに、容姿だけではなく、大きさも増してもはやさっきの少女の片鱗も残さなかった。

想像できる鬼とか妖怪の概念に全く当てはまらない()()になってしまった。

ラームもラクもその得体の知れない怪物に近づけることなく、その距離を保っている。


彼女?だった怪物は、目の前にいる鳳を猛獣が子鹿を見るかのような目で見つめている。

そして、その姿では初めて言葉を発した。

「じゃ...まずは腕一本をいただくね。」

その声はさっきの少女とは変わらない。

だからこそその場で不気味さがさらに増している。

一方、鳳は怯む様子を一切見せずにその怪物にこう言った。

「その前に...君に会って欲しい人がいてね...そこだ...」と言ってから、ある方向に指を差した。

その方向はラームたちが立っている場所だった。

その怪物はその方向に顔を向いて、そこにいる者を確かめると...その大きな目をより大きくした。

急に動きが止まった...どうしたんだ...というかこっちを見ているじゃないのか?とラームがそう思った瞬間、その怪物はラームの方に素早く移動し、襲いかかろうとした。

ラームもラクもその素早さに追いつけず、ただ身構えしかできなかった。

まずい!と心の中に思った二人だが、そこで声が聞こえた。

その声は鳳だった。

鳳はこの展開が読めるかのように次のようにラームに声をかけた。

「ラームくん!やめてと言ってください!」

何か何だか理解が完全にできないラームだが、聞こえた言葉を突発に発した。

「やめて!」と次の瞬間...その怪物の動きは本当に止まった。

身構えして目をつぶったラクは目を開けると、目の前の光景に信じられない顔をした。

「本当に...止まった。」

「やはり...私の仮説が正しかったですね...」と鳳はラームたちの方に歩いてきた。

まだ状況が掴めないラームとラクは混乱している。

そこで、また何者かの声が聞こえた。

「全く...今回は俺の出番がなさそうだな...」とここでその声の主が姿を現した。


それは、以前ラームたちと出逢った自称風神ヴァーユの子、(そん)悟空(サトラ)だったが、これもまた様子がおかしい。

なぜかというと...その小さい少女は今手のひらサイズで二人の前に浮いているからである。

「サトラ?」とここでラームがそのミニサイズのサトラに声をかけた。

「よ...旦那...この可愛い姿を気になるかい?

これはね...二人に纏った風をついでに俺の分身も付けてみたんだ。

と言ってもあまり力がないか弱い分身でね...戦いにはあまり役に立てないじゃけん。前にも言った通りせいぜい俺に知らせて、俺が自分で飛んでくるという流れになるけど...まあ、こんな()()()()なら、大丈夫そうだ。」

「まや...かし...?」という言葉に疑問が浮かんできたラームとラクだったが、ミニサトラに質問する前にその彼女は今度鳳の方に話しかけた。


「よ...あんただね...あの鳥の王の生まれ変わり。話は聞いたぜ。久しいなと言っては変か...あの時以来会っていないしな」

という言葉に鳳は少し驚いた表情を見せたが、すぐにいつもの表情に戻った。

「あなたは...」

「サトラじゃ...又の名はヴァーユの子じゃ。」

「そうか...あなたはあの伝承の(ヴァーナラ)の最強戦士...随分想像と違いましたが」とい鳳の言葉にサトラはくくっと笑った。

「まあ...今はこの姿だけだ...いくらでも変身できる。あなたの好みの女性にでもできるんじゃよ...」

「興味ありません。でも、あなたがここで現れたということは私の仮説をより立証できる何よりの証拠です。」

「ほ...つまり?」

「あなたが旦那と呼んだラームくんには...」

「すみません、鳳先生。もしよろしければ僕たちに説明していただけますか?

止まっているアレもそうですけど...兄のこととかそもそもここで偶然会ったじゃないですか?

なぜ僕たちがここに訪れることが分かったかのようなことを...」と話した途中に鳳が話を割り込んだ。

「混乱しているのは分かります。正直、私も驚きました。最初には自分一人で彼女を呼びだして、

話を聞くという試みのつもりでしたが、ちょうどよかったときに君たちがここで会いました。」

と説明したようなないような話を述べた鳳だったが、ここでラームに向けて話し始めた。

「アレはあくまでまやかしに過ぎません。彼女の本体はこの堂の中にあります。そこで、設楽(したら)・ラームくん...君に頼みがあります。」

「あ、はい。」と思わず返事したラームだったが、その鳳の次の言葉を聞いたラームはさらに混乱させてしまうということは彼は事前に知る術がなかった。


「君の()()では...彼女の封印が解けるかもしれません。」

「え!?僕...ですか?」

「そのために...君の愛が試されますが...」

「...」

「...」

「はい!?!?」

最後までお読みいただきありがとうございました。金剛永寿と申します。


こちらは「第11回ネット小説大賞」の一次選考通過作品です!

二次選考で選ばれませんでしたが、一次選考通過作品である事実は消えません。

だから今もこれからも胸を張って、誇りを持って言えます!

これを励みだと思って、前にもっと進みたいと思います。

今まで応援していただいた読者の皆様にはお礼を何回言っても足りません。

このような作者ですが、今後ともよろしくお願いいたします!


この話で30万文字到達!

ここまで書いたか!自分!

いつ終わりなのか、この作品!

それはもう神のみぞ知る世界...ではなく作者が考えるものです。今後もお楽しみにしていただければ幸いです。


前回の記憶シリーズからまた鬼子母神堂での話に戻りました。

それはつまり、あの羅刹女の記憶...でしょうか?(作者が分からなかったらどうすんの?)


少女から怪物に変わって、ラームに襲いかかると思ったら...それはまやかしだって!?びっくり(笑)

ここでなぜかミニロリ...ごほんっサトラちゃんの登場!

ここで鳳と会うのも初めて?ですね。


とまさかのラームの愛の試練!?!?

一体どうなるのか!は次回をお楽しみに...

次回では明かされる...かもしれません(こら!)


もうここまで来て、付き合ってくれた皆さんに御礼を申し上げます。

次回は誰を登場させるか...どのような物語と展開になるか...今後の展開もぜひお楽しみに!


この作品は古代インドの叙事詩「ラーマーヤナ」をベースにした輪廻転生系ローファンタジーフィクションです。

日本では三国志や西遊記よりかなりマイナーですが、南アジアから東南アジアまで広く親しまれる作品です。ぜひご興味ある方は原作にも読んでいただければと思います。


ご興味ある方はぜひ登場した気になる言葉をキーワードとして検索してみていただければと思います。


もし続きが気になって、ご興味があれば、ぜひ「ブックマーク」の追加、「☆☆☆☆☆」のご評価いただけるととても幸いです。レビューや感想も積極的に受け付けますので、なんでもどうぞ!


毎日更新とはお約束できませんが、毎週更新し続けるように奮闘していますので、お楽しみいただければ何より幸いです!


追伸:

実は別の作品も書いていますので、もしよろしければそちらもご一読ください!↓


有能なヒーラーは心の傷が癒せない~「鬱」という謎バステ付きのダンジョン案内人は元(今でも)戦える神官だった~


https://ncode.syosetu.com/n6239hm/

現代社会を匂わせる安全で健康な(訳がない)冒険の世界を描くハイファンタジーです。

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