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不可解な出来事(羅刹女②)

羅刹女...姿現す


古代インドに語り継がれる叙事詩「ラーマーヤナ」、ヴィシュヌ神の化身「ラーマ王子」の愛する「シーター妃」を奪還するために耗発した羅刹羅闍ラクシャーサラージャ「魔王ラーヴァナ」との戦の末、羅刹の王が敗北者となり、王子と妃が運命の再開を果たした物語...


もしこの物語は何者かの筋書き(運命)によって定められたとしたら、それに抗えないだろうか?


時は現代日本、ある女子大学生「椎谷しいたに蘭華ランカ」がラーマーヤナの物語(世界)に巻き込まれ、滅んだはずの羅刹の王との出会いで運命の歯車がついに再び動き出して、心を探す旅が始まった...ぶらりと...

場所は池袋から一駅の雑司ヶ谷に戻る


あるお寺の中に建てられた一つの堂、【鬼子母神堂(きしぼじんどう)

その前に立っているのは一人の男性、(おおとり)だった。

堂の中を見つめようとしている鳳の背後に声が聞こえた。


「鳳先生!」

そこに(ラク)羅亜夢(ラーム)が追いついた。

鳳は振り向かずにただこう言った。

設楽(したら)くん...説明は後です。ここからは私に近づかないでください。」

「どういうことですか?たたき起こすって...その石像をどうするつもりですか?」

「私には考えがある...と言っても実行するのは初めてです。だから、結果はどうなるかはわかりません。万が一何があれば、君たちはすぐに逃げられるように私との距離を取っていただきたいという意味も含めます。」

「...」


ラクもラームも戸惑いの表情を浮かべ、鳳にどのような言葉をかければいいか分からなくなった。その代わりに鳳の様子を見守りながら、二人で会話し始めた。

「ラク...鳳先生は前に会ったときって、こんな感じだったの?さっきの言葉を聞いて、中々変わった人だ...」

「僕だってまだ理解が追いつけないよ、兄さん。確かに前に話したときにはラーマーヤナの話がメインで、あとは僕に起きた不思議で不可解な出来事のことについて話を聞いてもらっただけだ。先生はそれに否定もせず、ちゃんと聞いてくれたことから...何か背景を持つ人だなと思ったけど、今日はさすがに言動は突拍子もなさすぎるよ。」

「そう...だな。石像を幼馴染と呼ぶ時点で驚いた。」

「いや、そこはそうだが...イマジナリーフレンドだと考えればまだ説明がつく。問題はたたき起こすという行動だ。まさか...物理的じゃ...一応調べたけど、その堂は文化財だ。何があったら...」

「ラク...場所の心配よりまずは人の心配をしような。」

とここで兄弟のやり取りが一旦終わった。

なぜかというと、周りを見渡そうとしたラクは何かを発見したようだ。


「兄さん...これ...」

とラームに声をかけて、ある方向に指を指した。

ラームもその方向を見ると、そこにはある石像があった。

二人は近づいていくと、険しい顔をする女性らしき石像が立てられた。

「これは...ハーリーティ?」

「そうですね...ここは鬼子母神象と書いてあるので、この石像のはずですが...?じゃ、先生は一体その堂に何をしようとしているんだ。」とますます疑問が浮かんできた二人だったが、再び鳳の方を見ることにしたとき、鳳は何かをし始めた。


いつもの眼鏡を外して、堂の中にある個所を目を凝らして見つめた。

そして、彼は言った。

()()()()()()()()()...出てきて...()()()()()


静かな境内に響いたその言葉はラクとラームにも届いた。

「...ハー...ちゃん?」とここで聞こえたワードにツッコミを入れた方がいいのか迷ったラームだったが、ラクはシーと兄をこれ以上喋らないように止めたと一瞬鳳から目を離した隙に、誰かの声が聞こえた。


「久しぶりだね...タカくん...」

姿はまだ見えないが、確かに女性...女の子の声が聞こえた。

どこからだ...とラクは声の発生源を探すために周りを見渡したが、見当たらなかった。

そして、その声が次にこう言った。

「どの部分を食べていいの?」という質問に聞こえた人が悪寒を感じさせる。

しかし、鳳は特に顔色を変えずにその質問を答えた。

「好きにしていい...君に尋ねたいことがある。約束を破ることになるのは分かったが、その代償は私が支払う。君の声だけじゃなくて、姿も見せてほしい。出てきてくれ...君に...会いたいんだ。」といつもの鳳にしては彼らしくない言葉が彼の口から出てきた。

「腕一本じゃ済ませないかもよ...」

「構わない...」

「...分かった...」という声と共にその声の主は姿を現した。

そこには...一般的に言うと少女が一人鳳の前に立っている。

服装は日本の小学生と変わらないが、いささか今の時代じゃない制服に違和感を感じさせる。

見た目も普通の女の子だ。

これは...鬼子母神ハーリーティ...なのか?と頭の中に疑問がまた増えてきたのはラクだった。

そこでその少女と鳳は話し始めた。


「その姿は何十年前だね...変わる気がないのか?」

「あなたにとっては馴染みがあっていいじゃないの...それとも歳を取ったあなたにはこれに違和感を感じる?」

「どっちでもいいが...本題に入らせてもらう...」

「まずは腕一本分の質問ね...わざわざ姿を現したから、ガッカリするような質問をしないでね。」と少女は無邪気な笑顔と正反対な言葉を口にして、鳳を見ている。

そこで、鳳は外したメガネを再びかけて、位置を直してから次のように言った。


「魔王ラーヴァナのことは()()()()()()()()()


それを聞いた瞬間、少女の様子が変わった...

「逆に質問するよ、タカくん...私のことをどこまで知っているの?」

「あくまで仮説でしかないが、それを証明するためにここに来て、君と今対面している。」と動じずに鳳が答えた。

「そう...」とボソッと言葉が溢れた少女は次のように言った。


「ふふっ...本当に腕一本じゃ済ませないよ...鳳・タカオ」とここで少女の姿が変わった。


距離を取ったラームとラクはそれを目撃した。

普通に見える少女が...()()に変わった瞬間を...

最後までお読みいただきありがとうございました。金剛永寿と申します。


こちらは「第11回ネット小説大賞」の一次選考通過作品です!

二次選考で選ばれませんでしたが、一次選考通過作品である事実は消えません。

だから今もこれからも胸を張って、誇りを持って言えます!

これを励みだと思って、前にもっと進みたいと思います。

今まで応援していただいた読者の皆様にはお礼を何回言っても足りません。

このような作者ですが、今後ともよろしくお願いいたします!


激闘の後の話に眠り姫の夢からの...羅刹女の話に戻りました。

いくつかの場面で話を進めると、こうなってしまいました。

魔王の話を楽しみにしている方...前回の夢の世界の展開を気になる方...必ず次の展開が来ますので、それまでお待ちしていただければ幸いです(と言いながら、いつになるかは保証しませんw)


これは...幼馴染との会話...と言えるのでしょうか?なんだか違うようでこんな感じじゃない?と思わせます。

もともと普通とは言い難い関係なので、こんなもんでしょう...と作者は諦めました(おいおい)


ここだけ言えるのは、この謎もまた意外なところに結びつけます(それはそうだ)


もうここまで来て、付き合ってくれた皆さんに御礼を申し上げます。

次回は誰を登場させるか...どのような物語と展開になるか...今後の展開もぜひお楽しみに!


この作品は古代インドの叙事詩「ラーマーヤナ」をベースにした輪廻転生系ローファンタジーフィクションです。

日本では三国志や西遊記よりかなりマイナーですが、南アジアから東南アジアまで広く親しまれる作品です。ぜひご興味ある方は原作にも読んでいただければと思います。


ご興味ある方はぜひ登場した気になる言葉をキーワードとして検索してみていただければと思います。


もし続きが気になって、ご興味があれば、ぜひ「ブックマーク」の追加、「☆☆☆☆☆」のご評価いただけるととても幸いです。レビューや感想も積極的に受け付けますので、なんでもどうぞ!


毎日更新とはお約束できませんが、毎週更新し続けるように奮闘していますので、お楽しみいただければ何より幸いです!


追伸:

実は別の作品も書いていますので、もしよろしければそちらもご一読ください!↓


有能なヒーラーは心の傷が癒せない~「鬱」という謎バステ付きのダンジョン案内人は元(今でも)戦える神官だった~


https://ncode.syosetu.com/n6239hm/

現代社会を匂わせる安全で健康な(訳がない)冒険の世界を描くハイファンタジーです。

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