羅刹羅闍(迷子)
古の魔王...迷子扱いされる
古代インドに語り継がれる叙事詩「ラーマーヤナ」、ヴィシュヌ神の化身「ラーマ王子」の愛する「シーター妃」を奪還するために耗発した羅刹羅闍「魔王ラーヴァナ」との戦の末、羅刹の王が敗北者となり、王子と妃が運命の再開を果たした物語...
もしこの物語は何者かの筋書き(運命)によって定められたとしたら、それに抗えないだろうか?
時は現代日本、ある女子大学生「椎谷・蘭華」がラーマーヤナの物語(世界)に巻き込まれ、滅んだはずの羅刹の王との出会いで運命の歯車がついに再び動き出して、心を探す旅が始まった...ぶらりと...
ある駅の新幹線のホーム
なんで外!?とホームで思わず大声が出そうになって、驚愕の表情を見せたのは小麦色肌の女子大生、蘭華だった。
さっきまでは一緒に新幹線の中にいるのに...目を離してトイレに行ったら、こんなことになるとは...
居場所が特定できるのはいいものの、ただ単純に間違えて新幹線を降りたじゃなさそうだし...
何が起きたの?なんで降りたの?...というかなんで駅の外まで行っちゃったの!?とまた頭の整理が追いつかないランカ。
今の状況じゃ...まるで【迷子】を探す親じゃない...とランカは失礼だと思わずに魔王のことを子ども扱いしているような考えまでした。
正確には迷子ではないけど...あそこまでいたのも迷っているからじゃないかという気もするが...
とにかく急いで探さないと!と思ったランカは急いで駅の改札に向かった。
まさか...突然飛び出したり、あの空を飛ぶ戦車を召喚したりとかしないよな...とランカはふっと考えた。
また動画とかを撮られたら...まあ、そこはまたあったらあったでの話にしよう。
最近の技術なら、どんな動画でも作れるからな...ネタとかミームにされるだけだ。
本気に思っている人がいない...はず...
と言いながら、前のゲリラ路上ライブの動画の拡散数もなかなかだったな。
いけない...まずはあの人?を探すことに集中しよう。
そこで、改札に着いたランカの足が止まった。
一旦外を出たら、この駅から伯父様がいる場所までの電車代は自腹になっちゃう...
せっかく伯父様からもらった電車代...勿体ない...
バイト代の何日分ぐらいだよな。うー...と金銭面の葛藤を感じて、戸惑ってしまったランカ。
...でも、そんな悠長にここにとどまるわけにはいかないよ...私!
吞気な私でもこの状況の緊急さが分かる...
伯父様に後で遅れるとも連絡しないと...
あ...ごめんなさい、伯父様...
「えーっ!」
躊躇いをここで切り捨てて、つい改札に切符を入れて通ったランカは駅を出て、巨漢がいるとされる場所へ向かった。
駅から歩く10分ぐらい離れたある広場に走ってたどり着いたランカはちょっと息切れしながら、その周辺を見渡した。そして彼女は発見した。
その広場の中には人間らしき者が2人いて、片方は彼女がちゃんと見覚えありありの巨漢の姿がいた。
その体格とピチピチTシャツ...なにせよ彼女が自分で買ってあげたものだから、見間違えはずがない。
「ラージャ!」と声をかけたが、聞こえないのかその二人から反応がなかった。
ランカはもっと近くに近づけようとしたら、今度は見えない何かにぶつけた。
...あれ?
異変を感じたランカは手を伸ばしてみると、その何かを触ったという感覚があった。
この感触は...壁?
これは、ATなんちゃら...いや、バリアというやつ?
またの不可解なことを目の前に現れないが、存在したことに遭ったランカはまた?...のような表情をした。
ということは...中に入れない的なやつ?声も届かないの?
それからランカは、両手で見えない壁を触って確かめた。
うん...隙間がないっぽいな...
なんでこの場所を選んだのか考えてみると、彼女は不思議だと思った。
誰もいない広場...
以前大蛇と名乗った者と会ったときも誰もいない廃校した学校の校庭だったと思い出した。
この展開...また戦いが始まるじゃないのかと不安になったランカだったが、彼女はただ蚊帳の外にいる側でその二人の様子を見るしかできなかった。
迷子が見つかったと思ったら...今度はその子が無事でいられることを祈るしかできない親の気持ちになってしまったランカであった。
まだ親じゃないけど...こんな気持ちになるのかな...と言っても子供がこんなに成長した巨漢という時点でなんか嫌だと思ったランカでもあった。
本当に他に入れる場所がない...よね?とその場を試しに回ろうとしたそのとき...
その二人は動き始めた。
最後までお読みいただきありがとうございました。金剛永寿と申します。
先日のご報告の通り、「第11回ネット小説大賞」の一次選考にこの作品が通過しました!
これからは誇りを持って、一次選考通過作品だと胸を張って言えます。
今まで応援していただいた読者の皆様にも改めてお礼を申し上げます。
今後ともよろしくお願いいたします!
さて...今回は魔王の話になりますが、別の視点...ランカちゃんの方からスタートしました。
第117話の終りからの続きで、今度はランカちゃんが魔王のところにたどり着くまで彼女には何があったのかという感じです。
迷子というワードw
ちょっと個人的にこのワードが使いたいためだけに...ねじ込んだ感になったらすみません。
見つかってはいいが、今度はATフィっ!...見えないバリアが現れました。
ふ...危ない危ない(何が?(笑))
迷子を探すとか...一緒に親を探すとか...迷子センターに行くとか...よくあるパターンですが、さすがこんなのは迷子とは...まあ、いろんな意味で迷っているので、ヨシとしましょう...(作者も迷子中です...)
動き出した二人!と思ったら今回はここまで!
次回はどうなるか...また来週!(いきなり強制終了w)
もうここまで来て、付き合ってくれた皆さんに御礼を申し上げます。
次回は誰を登場させるか...どのような物語と展開になるか...今後の展開もぜひお楽しみに!
この作品は古代インドの叙事詩「ラーマーヤナ」をベースにした輪廻転生系ローファンタジーフィクションです。
日本では三国志や西遊記よりかなりマイナーですが、南アジアから東南アジアまで広く親しまれる作品です。ぜひご興味ある方は原作にも読んでいただければと思います。
ご興味ある方はぜひ登場した気になる言葉をキーワードとして検索してみていただければと思います。
もし続きが気になって、ご興味があれば、ぜひ「ブックマーク」の追加、「☆☆☆☆☆」のご評価いただけるととても幸いです。レビューや感想も積極的に受け付けますので、なんでもどうぞ!
毎日更新とはお約束できませんが、毎週更新し続けるように奮闘していますので、お楽しみいただければ何より幸いです!
追伸:
実は別の作品も書いていますので、もしよろしければそちらもご一読ください!↓
有能なヒーラーは心の傷が癒せない~「鬱」という謎バステ付きのダンジョン案内人は元(今でも)戦える神官だった~
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現代社会を匂わせる安全で健康な(訳がない)冒険の世界を描くハイファンタジーです。




