不可解な出来事(羅刹女)
雑司ヶ谷で…羅刹女の謎に迫る
古代インドに語り継がれる叙事詩「ラーマーヤナ」、ヴィシュヌ神の化身「ラーマ王子」の愛する「シーター妃」を奪還するために耗発した羅刹羅闍「魔王ラーヴァナ」との戦の末、羅刹の王が敗北者となり、王子と妃が運命の再開を果たした物語...
もしこの物語は何者かの筋書き(運命)によって定められたとしたら、それに抗えないだろうか?
時は現代日本、ある女子大学生「椎谷・蘭華」がラーマーヤナの物語(世界)に巻き込まれ、滅んだはずの羅刹の王との出会いで運命の歯車がついに再び動き出して、心を探す旅が始まった...ぶらりと...
蘭華たちが新幹線で出発した同じ日...
イケブクロから地下鉄で一駅離れた...雑司ヶ谷駅
二人の男性は地下鉄の入り口の前に立って、スマホで何かを調べている。その調べが終わったのか二人は話をし始めた。
「ここから少し歩きますね...」
「降りたことないな...この辺。でも、地図から見たらブクロからめっちゃ近い。」
「ええ...そっちからも歩けますし、あとは都電もあります。しかし...駅の名前は本当にそのままですね。【鬼子母神】って...」
「最初に聞いた人は多分え?の顔をするだろうな。何この名前って...はは。」
「ところで...僕は一人で調べると言ったはずですが、なぜ兄さんはここにいるのですか?」
「うん...今日は仕事もないし...暇だから?...たまには弟に付き合ってみようかと思ってね。最近あまり構ってあげられなかったから、これで俺たちの仲にも少し修復できたじゃないかな...と。」
「全く...第一その呑気で自由奔放のところには気に入らないから、一緒にいたくないのです。さらに言うと、一緒にいると何が起きるかっ!」と男性が言いかけたところに突然膝のあたりで何者に押されて、膝がくんの状態で体勢が崩した。
後ろを見ると、その者は...大型犬だった。
「すみません!すみません!怪我がありませんか?」とそこで飼い主らしき女性が慌てて大型犬に押されて、一時的にひざまずいた状態の男性に頭をペコペコして謝った。それに対して、男性は体勢を立て直して、女性に話した。
「大丈夫です。気にしないでください。ちょうど当たったところが膝の裏だから、特に怪我とかはありません。」
「うちのワンちゃんが本当にすみません。ちょっとリードを手放してしまって、そのまま走り出してしまいました。でも不思議ですね...あなたではなく、この方に突進するかと思いきや...まるで避けられて、あなたの方に...」という言葉に被害に遭った男性はただ苦笑を浮かべて、こう応えた。
「はは...いつものことです。慣れました。」
「よしよし...良い子は突然人に膝ガクンはしないでね。」と言ったのはもう一人の男性で、大型犬を撫でている。
「兄さん...行きましょう。」と静かな怒りが込められた一言で、女性にお辞儀をして男性はその場を去った。
目的地に向かって歩いている二人...
そこでさっき犬の災いに遭った方の男性はため息をした。
「言ったそばからこれですよ...だから、一緒にいて欲しくないです。」
「大丈夫だって...この程度ならサトラがかけた風の鎧で防げるはず...さっきはピッタリの衝撃で急所を突かれたか...本当に大変だな。」
「誰のせいだと思っているのですか!」
「悪い...でも、本当にヤバいことなら風で弾けられるから...とサトラが言っていた。」
「は...ならいいですけど...」
そこで男性は先日自分自身で遭った不思議で不可解な出来事を思い出す。
出逢った孫・悟空という謎の白い少女...というか猿か。
知人...?の古海・香蓮と...彼女が一時的に眠り姫状態になったこと。
古海さんには...まだ連絡をしていない。埋め合わせのことも考えないといけない。
でも、今日じゃない...
そして、先日自分ともう一人の男性が共有した情報をまとめると...
古の魔王の末裔と名乗った謎の男...古海さんを眠らせた謎の矢の破片
科学的に究明しようと考えたいところだが、今はそれより論理的に情報をまとめるのは最優先だ。
【ラーマーヤナ】で登場する羅刹という種族...
羅刹と...鬼
最近得た情報としてはインドから海を渡って日本までたどり着いた仏教やヒンドゥー教関連な物や言葉が意外にある。
旦那という言葉も...もともとサンスクリット語だということも前にたまたま見たテレビで聞いた。
そこから今僕たちが調べるべきというのは羅刹又は鬼に関系するものや場所じゃないかと仮説を立ててみた。
ここであの魔王の末裔と何か関係があるじゃないかと考えている。
日本でいきなりヒンドゥー教の寺院に行っても結局祀られる神様が違うかもだし...
でも...羅刹の方を辿ってみたら、もしかしたら...
そして、まず目を付けたのはこの【鬼子母神】...サンスクリット語の名前ではハーリーティーと呼ばれた羅刹である。
自分の子の栄養をつけるために人間の子供を食べたところ...釈迦によって改心したと言い伝えられた。
仏教を守護する十羅刹女としても名が知られている。
その羅刹女を祀る寺はまさに今向かっているところだ。
子安や安産の御利益まであるらしいが、そこはポイントじゃない。
お寺の境内には鬼子母神堂があり...中には井戸から掘り出された石像が祀られている。
なぜそこにあるのかもまた謎だ。
とりあえずお寺に行ってみたら...何かが分かるかもしれない。
寺にはネットでは調べられない何かの資料とかあるかもしれない。
あとは住職の方に話を聞くとか...何せよヒントが少なすぎる...
簡単に行けるところから探すしか...ん?
と目的地のお寺の入り口の門に着いた二人は誰かと会った。
そこで現れたのは彼にとっても想定外の人物だった。
「鳳...先生...?」
もちろん相手も驚いた。
「設楽くん...こんなところで奇遇だね。何をしに来たか聞いてもいい?」
この出逢いでは何かの意味を示すか今はまだ知らない設楽・駱は目の前にいる鳳先生に質問を質問で返した。
「えーと...先生こそ...なぜここに?」という質問に対して鳳は答えた。
「ああ...この辺で住んでいるからな...ある意味では俺の実家に近いだ...この近くにもともとはお寺の一部だった【大鳥神社】にはよくお参りしに行ったんだ。ところで...なぜこのような場所に訪れたのか応えてくれないか?あとはその方は親戚か何か?」
「あ...先生にはまだ会っていないですね...こちらは例の兄です。」
「始めまして、設楽・羅亜夢です。例の兄とはなんだ?」と不思議そうな顔をしたラームだった。
「君も設楽...か...始めましてと感じないけど...大学の教授を務めている鳳です。よろしく。君の弟は講義で会って、前にはご飯を一緒にしたんだ。」
「そうですか...こちらこそ弟がお世話になっています。」
「先生は今からお寺の中に入るのですか?」というラクの質問に中々頭の理解について行けない回答が鳳の口から出た。
「ああ...ここの鬼子母神堂の石像である羅刹をたたき起こすところだ。」
「...え!?」と二人はシンクロしたビックリの声を上げた。
「まあ...説明するのは中々ややこしいと思うが、簡単に最近の子の言葉で言うと...幼馴染みをたたき起こすみたいな感じだ。」
さらに...え!?という声がまた上がった。
とそこで鳳は歩き出した。
そして、慌てて追いかけたラームとラク
それはどういう意味がはっきり理解できないまま...
最後までお読みいただきありがとうございました。金剛永寿と申します。
前回でやっとバトルっぽいのが来たなと思ったら...はい!名物別キャラ回でしたw
ここでなんと!あの兄弟が登場!
この2人のやりとりもそうだし、発生した化学反応?...不可解な出来事も付いています!
今回の災難は...ワンチャンの膝ガクンでしたw(平和すぎ...)
気づいたら、ずっと兄弟の会話が面白がっている作者がいます。
そして!久々の登場...たよね。記憶が曖昧すぎて断言できないw
鳳先生だ!
とここでどのような展開になるかと考えたら...幼馴染の鬼子母神の石像を叩き起こすというワードが出てきて、作者まで困惑でした(どうすんの!俺!)
次はあの謎にもっと迫りたいと思います!たぶん...
もうここまで来て、付き合ってくれた皆さんに御礼を申し上げます。
次回は誰を登場させるか...どのような物語と展開になるか...今後の展開もぜひお楽しみに!
この作品は古代インドの叙事詩「ラーマーヤナ」をベースにした輪廻転生系ローファンタジーフィクションです。
日本では三国志や西遊記よりかなりマイナーですが、南アジアから東南アジアまで広く親しまれる作品です。ぜひご興味ある方は原作にも読んでいただければと思います。
ご興味ある方はぜひ登場した気になる言葉をキーワードとして検索してみていただければと思います。
もし続きが気になって、ご興味があれば、ぜひ「ブックマーク」の追加、「☆☆☆☆☆」のご評価いただけるととても幸いです。レビューや感想も積極的に受け付けますので、なんでもどうぞ!
毎日更新とはお約束できませんが、毎週更新し続けるように奮闘していますので、お楽しみいただければ何より幸いです!
追伸:
実は別の作品も書いていますので、もしよろしければそちらもご一読ください!↓
有能なヒーラーは心の傷が癒せない~「鬱」という謎バステ付きのダンジョン案内人は元(今でも)戦える神官だった~
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現代社会を匂わせる安全で健康な(訳がない)冒険の世界を描くハイファンタジーです。




