旅の始まり(これからの終わり)
そうだ...【旅】に出よう...
何もかも忘れて...
余は...十分幸せだ。
この身が負っている罪にとってはこんなの...罰な訳がない。
これはご褒美にすら感じてしまうほどに...其方の傍にいられるだけで...これ以上幸せなことはなし!
例え、愛する我が君は余のことを覚えなくても...余だけは覚えている。
其方の温かい笑顔...
其方の明るい振る舞い...
誰が何を言おうとしようとも、其方はシーターだ。
余は確信している...否!...確信ところかこれは世の理!
其方はシーターじゃなければ、もう世界が終わっても良い...
その上に其方と一緒に旅...確かブラリの旅か...それもそれで余の知らないことがたくさんで大変興味深かった。
見たことのない生き物...
聞いたことのない音...
体験したことのないことは余に刺激を与えた。
この世界には余が知らないことがあるということを再実感させられた。
世界の全てを知ったかのような余はもういない...
今の余は、この世界...より...この世界に生きている愛する我が君と共にさらなる体験をすることは、自体が余の生きる意味となった。
崇高なる神に、そして愛する我が君に感謝しかない。
そこで今、余はある場所に訪れた。
人間がたくさん集まる...というより行き交うこの建物は一体何だ。
愛する我が君がここの名前を口にした。
確かにここはトウキョウと呼ばれるはずだ。
愛する我が君は先に何かを買わないといけないと言われたから、ここで待つようにしている。
しかし、しばらく戻ってこない。
これは待った方が良いのでは?
もしかして!何者かに...
と思った瞬間、余の手が握っている物は音を出し始めた。
これは、愛する我が君に渡されたケイタイという物。
音が出たら、まずはこの窪みを押して、それで耳に当てれば声が聞こえるはず。
そうすると、その小さなな物から愛する我が君の声が聞こえた。
ああ...なんたる幸福の時間。
世の中の美声で鳴く鳥に比べ物にならない其方の声が...
ずっと其方の声が聞きたくて...もう一層このままで永遠に...
ん?建物に入って...私を探して...という言葉を聞いた。
これはもしや余のことを試しているではないのか?
こんな試練...天界を滅ぼすより容易い!
そして、其方の姿を人間の群れから見つけた。
逆か...余のことを見た其方は余に手を振ってくれた。
人間の群れは余のために其方への道が開いたとしか見えない。
まるで海がまっ二つに分かれたかのように...
やっと其方のもとにたどり着いた余の前に...其方は何かを言った。
「オツカレ~サーテ、シュッパツスルカ!」って言って、歩き始めた其方の後ろに余は付いていった。
それからもまた大変興味深いことの連発だった。
先日乗ったあの鉄の箱とは形が違うが...この鉄の箱の速度は余の戦車に劣らなかった。
余はこれからまたあの鉄の箱に乗るのか?
これは...シンカンセン...という乗り物らしい。
無事に乗った後にはある席に座るように言われた。
そこで愛する我が君に何かを渡された...
この小さな箱の中にあるのは...料理か?
これはベントウと呼ばれて、鉄の箱に入った間に食すべきものだと言われた。
あのとき食べたラーメンと同じ木の棒で中身の料理を堪能した。
中々美味だった。
もうシンカンセンは動き出して、余と愛する我が君の旅はまた始まろうとしている。
今だけ...それ以外のことを考えないにしよう。
例え、今度は余と愛する我が君を引き裂く旅になって、もう二度と戻れない別れ道になったとしても...
余は...其方と一緒にいられるこの一秒一秒...大事にする。
最後までお読みいただきありがとうございました。金剛永寿と申します。
この作品は古代インドの叙事詩「ラーマーヤナ」をベースにした輪廻転生系ローファンタジーフィクションです。
日本では三国志や西遊記よりかなりマイナーですが、南アジアから東南アジアまで広く親しまれる作品です。ぜひご興味ある方は原作にも読んでいただければと思います。
前の閑話(第30話)でここに繋がりました!
長らくお待たせしてすみません(作者反省なし)
やっとこれで...新章に進める...かな?
魔王視点の第二章の振り返りと新しい体験を合わせました。
少しの間では安らぎが二人にありますように...
作者も...旅に行ってきます(本当です)
もうここまで来て、付き合ってくれた皆さんに御礼を申し上げます。
次回は誰を登場させるか...どのような物語と展開になるか...今後の展開もぜひお楽しみに!
ご興味ある方はぜひ登場した気になる言葉をキーワードとして検索してみていただければと思います。
もし続きが気になって、ご興味があれば、ぜひ「ブックマーク」の追加、「☆☆☆☆☆」のご評価いただけるととても幸いです。レビューや感想も積極的に受け付けますので、なんでもどうぞ!
毎日更新とはお約束できませんが、毎週更新し続けるように奮闘していますので、お楽しみいただければ何より幸いです!
追伸:
実は新作も書いていますので、もしよろしければそちらもご一読ください!↓
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