眠り姫の夢(目覚め)
眠り姫は漸く...目覚めた
古代インドに語り継がれる叙事詩「ラーマーヤナ」、ヴィシュヌ神の化身「ラーマ王子」の愛する「シーター妃」を奪還するために耗発した羅刹羅闍「魔王ラーヴァナ」との戦の末、羅刹の王が敗北者となり、王子と妃が運命の再開を果たした物語...
もしこの物語は何者かの筋書き(運命)によって定められたとしたら、それに抗えないだろうか?
時は現代日本、ある女子大学生「椎谷・蘭華」がラーマーヤナの物語(世界)に巻き込まれ、滅んだはずの羅刹の王との出会いで運命の歯車がついに再び動き出して、心を探す旅が始まった...ぶらりと...
瞼が重い...
開けられない...それとも目が開けたくないのか?
さっきまで不思議な夢の中の世界で親友激似でシーターと名乗った女性に出逢い、いろんな話をして...そこで重要な話を言われた気が...
あれ?
まだ夢から覚めていないのに...なぜか思い出せない...
うん...
本当に重要で...これは目覚めたら、誰かに共有しないといけないと思っている。
少なくとも最近会ったあの不思議の少女?サトラちゃんだっけ...彼女なら何か分かると思う。
思う?
なぜ共有しないといけないのか?
うん...やはりうまく説明できない。
ダメだ...
肝心なところは覚えていない...
唯一覚えているのは「愛しています」という言葉だけ...
それは誰に向けた言葉かさえも分からない...曖昧でどこかで寂しく感じさせた。
何だか思い出せない自分に悔しさまで感じてしまった。
そのとき、フッと親友のことを思い出した。
蘭華...
そうだ...
そうだ!
ランカに伝えないと...
夢で聞いたこととは関係ないかもしれないけど...
これはもしかして彼女と話したときに残った感情かも...
それでも伝えなきゃ...
ありがとう...って
ずっと親友でいてくれて...
あ...り...が...と...う...
...
そして、ようやく重たい瞼が開けた。
一瞬の眩しい照明に反応して目を細くしたのは、しばらく眠る状態に陥った古海・香蓮だった。
やっと眩しさに慣れたカレンの目は回りを見た。
そこには、今日相談に付き合ってくれる予定のはずの設楽・駱と彼のお兄さん、羅亜夢さん...今日会ったばかりの謎の白い髪の少女、サトラと...この人誰?というか髪色すごい!と思わず頭の中でツッコんでしまった。
彼女の目覚めた顔を見て、すごく安堵の表情をしたのはラクだった。
「古海さん...よかった。」
「ラクくん...私...どれぐらい寝ていたの?」
「そうですね。午後から今はそろそろここの閉店時間の22時ですので、約7時間ぐらい目覚めませんでした。」
「...そんなに寝ていたの、私...確かに後ろから急に痛みを感じて、そこから...私に何が起きたの?」とここでカレンはその部屋にいる者に回答を求めた。
「お姉ちゃんは撃たれたのじゃ...呪いをたっぷり込めたタマでな...」と言い出したのはサトラだった。
「撃たれた!?タマ!?私...撃たれたの?え?...今の私は大丈夫なの?」とやはりその回答にはカレンが驚きを隠せる訳がなかった。
「説明がド直球すぎるよ、サトラ。それじゃ古海さんは混乱してしまう...大丈夫...ちゃんと治療してもらったので、もう心配することがありません。」とそこでカレンの混乱を収めたのはラームだった。
「ラームさん...」
「すみません...古海さんがこんな目になったのは僕のせいです。」と今度はラクが急に言い出して、カレンに謝った。
「それは仕方ないのじゃ、旦那の弟くん...まるで運命で決まったことかのようなことだ...あんたは責任を感じる必要がないのじゃ。」と説明したサトラだったが、あまり説明になっていない。
「...どういうことですか?」と収まった混乱が再び出てきたカレンはまた誰かの回答を探している。
そこでここまで話す出番がなかった人物から突然発言をし始めた。
「もう治療が済んだので、私はこれで...」と言ってから、すぐさまに撤収したのは青色の髪をしている医者の球磨だった。
「あ!ありがとうございました!あなたが私を助けてくれたのです...よね...はっきり分からないけど...とりあえず御礼が言いたくて。」と状況がまだ完全に飲み込めないカレンは去ろうとしたクマに御礼を言った。
「御礼は要りません...私は自分の使命を果たすまでです。あと、治療費はあそこにいる猿にたっぷり請求させてもらいますので...では。」とクマがそれを言ってから、その部屋を本当に去った。
「はぁぁ!?あのヤブ!次に会ったらボコボコにしてやるんじゃ!」とサトラは不服を口にした。
「とりあえず...みんなが無事でよかった。犯人のことも知ることになったし、後は相手の動きを見るしかないね...それは君に頼らせてもらうよ、サトラ。」とここまでのことでホッとした反面、今日対面した謎の人物、ラヴァン家と名乗る男に警戒をしているラームはサトラに次の指令を出した。
「かしこまりました、旦那。」となんだかかしこまった言い方の割にはあまり態度が出ていないが、それはさておきのようにそこでサトラは言った。
「もう閉店時間が近いのじゃ。とりあえず今日はゆっくり休めばいい。頭の整理ができたら、またここに来てくださいな。3人ともは念のために俺の風を纏ってもらって、何かあればすぐに俺に知らせるようにするから、そのときはすぐに駆けつける。」と説明したサトラはその後、その風の鎧のようなものを3人に施した後、3人を見送った。
2人の兄弟はその後にも何か話があると言われて、解散することになった。最後にラクは「約束を果たしていないし、一緒に不動産屋を見に行くんですよね。また...次回で埋め合わせします。」と言われて、カレンと店の前で別れた。
そこでカレンはすぐに自分のスマホを取り出して、誰に電話をかけた。
...
うん...今は他の誰と話しているみたい...
また今度にしようか。
とりあえずメッセージを残して...
いや...いつも返事が遅いからな...
もう一回電話をしてみようと思ったら、今度は相手から電話がかかってきた。
それを見たカレンはすぐに電話を取った。
「もしもし?蘭華...あのね、ちょっと話が...」と何か言いかけたが、相手の話でカレンは思わず大声で叫んだ。
「え!?明日から【香川】に行く!?」
最後までお読みいただきありがとうございました。金剛永寿と申します。
この作品は古代インドの叙事詩「ラーマーヤナ」をベースにした輪廻転生系ローファンタジーフィクションです。
日本では三国志や西遊記よりかなりマイナーですが、南アジアから東南アジアまで広く親しまれる作品です。ぜひご興味ある方は原作にも読んでいただければと思います。
やっとカレンちゃんは目覚めた!
案外あっさりに起きたみたいで、また夢の世界のあの女性と会えないのかな?
もしかして?もしかしてだけど?かもしれません(笑)
目覚めたのはいいが、夢の内容は覚えていないのは本当に残念ですね。作者自身も毎回夢で見た内容を小説のネタにしたいですけど、ベッドの横に紙とペンを置いておこうかな?
前に取ったメモだって、もはや解読不能ですけどね。寝起きが悪すぎて(笑)
一旦いろいろが落ち着いて、次はどうかなと思ったら香川でした!一体どうなっているのか。なぜ香川なのか。
それは、次のお楽しみです(おいおい)
もうここまで来て、付き合ってくれた皆さんに御礼を申し上げます。
次回は誰を登場させるか...どのような物語と展開になるか...今後の展開もぜひお楽しみに!
ご興味ある方はぜひ登場した気になる言葉をキーワードとして検索してみていただければと思います。
もし続きが気になって、ご興味があれば、ぜひ「ブックマーク」の追加、「☆☆☆☆☆」のご評価いただけるととても幸いです。レビューや感想も積極的に受け付けますので、なんでもどうぞ!
毎日更新とはお約束できませんが、毎週更新し続けるように奮闘していますので、お楽しみいただければ何より幸いです!
追伸:
実は新作も書いていますので、もしよろしければそちらもご一読ください!↓
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