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業の矢先(使命と復讐②)

白熱した復讐の果ては...一本の電話


古代インドに語り継がれる叙事詩「ラーマーヤナ」、ヴィシュヌ神の化身「ラーマ王子」の愛する「シーター妃」を奪還するために耗発した羅刹羅闍ラクシャーサラージャ「魔王ラーヴァナ」との戦の末、羅刹の王が敗北者となり、王子と妃が運命の再開を果たした物語...


もしこの物語は何者かの筋書き(運命)によって定められたとしたら、それに抗えないだろうか?


時は現代日本、ある女子大学生「椎谷しいたに蘭華ランカ」がラーマーヤナの物語(世界)に巻き込まれ、滅んだはずの羅刹の王との出会いで運命の歯車がついに再び動き出して、心を探す旅が始まった...ぶらりと...

時はその日の昼間に遡る。

都内のある高いビルの屋上


相手の口から出てきた名前を聞いて、一瞬驚きの表情になった白髪の少女、(そん)悟空(サトラ)

その表情は不機嫌に変わり、その相手に彼女が問い詰めた。

「その名前に何か用あるじゃ?」


それに対して、相手である黒に近い肌色の男性は笑って、「...アイツを探して殺す。ふっ...理由なんてお前は知らなくていい!」と言ってから、サトラの方に突進した。


それからお互いの攻防がまた再開し、第三者の羅亜夢(ラーム)から見ては互角に戦っている。しかし、やはりサトラの動きの方が素早く、相手の武器、金剛杵(ヴァジュラ)の動線を読み切った後に自分の手に持っている三叉槍(トリシューラ)を相手の武器を弾けた次の瞬間、別の手では圧縮された風を放った。それを不意に喰らった相手はかなりの距離に飛ばされた。

「ふっ!お前みたいな若造はこんな俺に勝つなんて1()()()早いじゃけん!いいから、なんでその人を殺さないといけないのか話してもらおうか?」と言いかけたところで何かがサトラの方に投げられた。

そのモノはサトラの体に纏う風に弾き飛ばされたが、よくそのモノの正体を見ると、それは弾丸だった。それを見て、確かめたサトラは呆れた顔で相手にこう言った。

「諦めが悪いじゃの...俺と旦那に狙おうとしても無駄だということにはまだその脳みそには入る余裕がないらしいの...ああ?」と見た目が可愛い女の子が相手を煽るような口調をした。体勢を戻した相手の男性はニヤリと笑った。

「けっ!それはもう分かっているさ。お前二人にはそれが効かないぐらい...しかし!その伝説の矢の破片が込めたこれなら...どうかな?」と言って、自分のポケットから丸い何かを取り出した。

「それはっ!手榴弾!?」とラームが自分の目で見たモノを驚いた。一方、サトラは全く動じずにただ相手に聞いただけだった。

「それ...そのサイズならなんということもないけん。俺の風で全部防げるから、よこしな...」と言ったが、相手は怯む様子もなく...逆に笑った。

「ああ...これはただ試しに作ってもらった試作品だ。これも効かないのは分かっている。では、このような手榴弾を町のいろんな場所で設置して、いつでも起爆できると言ったら、どうかな?」

「なんだって?」と片方の眉を上げたサトラは「おめえらの目的はあの人の復讐じゃなかったのじゃ?一般人とか関係ねーだろうが...まあ、俺にしては人間がどうなろうと知ったことじゃないけどな。」という言葉にラームはサトラに怒ったかのような口調で言った。

「それはダメだ!サトラ!他の人まで巻き込まれることは俺は許さない...」という言葉にギクっと顔色が少し悪くなったサトラ。

「だ...大丈夫ですよ、旦那。ただの脅しだと思うぜ。」

「主に従った方がいいよ...猿。さすが(ダルマ)の守りし者の末裔様だぜ。そんなことを許さないとかお人好しで詰めが甘いところは何世代になっても変わりはしないようだな。」を言ってから、何かを取り出した。

それはただのタブレット端末に見えるが...その画面には何カ所の赤いマークが示されている。

「それは!」というラームの言葉に相手も予想通りに答えた。

「お察しの通り、爆弾の場所だ。では...どうする?」

「それを奪えばいいだろうが!」と動きだそうとしたサトラにまたラームが止めた。

「それはダメだ!」

「じゃ、何をすれば良いのかよ、旦那!」

「やはりここで俺は...サトラ...俺に纏った風を無効にしろ。」とラームはサトラに言った。

「本気かよ、旦那!」

「本気だ...町中にカレンさんみたいな状態になったら騒ぎのところじゃない。ここで俺は探している人が見つかるまで人質になる。その代わりに関係ない人を巻き込まないことは条件だ。」というラームの言葉に相手の男性は笑いがこらえきれずに笑った。

「ハハ...他の無関係の人たちが巻き込まれるぐらいなら、自分を差し出す...その偽善者ぶりには虫唾が走るぜ。」と言って、「じゃ...その無関係の人が巻き込まれることを知ったあなたはどんな顔をするか確かめさせてもらうぜ。」

「止めろ!」と叫んだラームは相手の男性に走っている。


そのとき、誰かの携帯が鳴った。

3人の間に突然沈黙がしばらく続いた後、その携帯の持ち主は手を上げた。

「俺のだった。」とさっき端末で起爆を図ろうとした男性はその携帯を見て、電話を出た。


「もしもし...誰だ...」と言ったら、相手の男性は突然険しい顔になった。

「どこに隠れてやがる、お前!今すぐ殺しに行く!」という嫌悪感たっぷりな言葉を電話の相手に言った後、突然男性の表情が冷静になった。

「あ...分かった...お前はそこから逃げるんじゃないぞ。」とここで電話を切った。

そして、男性はラームとサトラの方を見て、こう言った。

「今日はもうお前たちには用が済んだ。それではまた次の機会でまた楽しい殺し合いをしようぜ、猿...そして、ラーマの血を継ぐ者よ...お前の死は諦めていないからな。」と全部言ってから、男性はそこから去った。


その男性が去った後、ラームはかなり混乱した。

「何が起きたんだ...」という疑問を浮かべながら、起きたことを整理しようとした。

一方、サトラは少し不機嫌になりながら、ラームに「旦那!そんなマネ、二度としないでくれ...まったく、世話を焼く主だぜ。」

「ああ、ありがとうな。君がいなければもうこんなところで立てるところじゃないかも」と少し安堵した後、サトラはもう一度ラームに向かって、こう言った。

「あと、眠った彼女の件だけど、実は彼女を目覚めさせる方法が分かるかもしれない。旦那の弟さんにも協力してもらっている。俺たちもここから出て行きましょう。」


復讐は何者かに介入されて、一旦中止

最後までお読みいただきありがとうございました。金剛永寿と申します。

この作品は古代インドの叙事詩「ラーマーヤナ」をベースにした輪廻転生系ローファンタジーフィクションです。

日本では三国志や西遊記よりかなりマイナーですが、南アジアから東南アジアまで広く親しまれる作品です。ぜひご興味ある方は原作にも読んでいただければと思います。


お待たせいたしました。今回はやっとラームとサトラの話に戻しました。

なんか時系列がだんだんバグりますが、追いつかない方には同じタイトルをする92話を読んだら、話が繋がります。(もう分かっている!そこは問題じゃない!と言う声が聞こえたかのような気が)


結局、その電話の相手は誰でしょうね…気になりますね。(まだ教えませんが、なんとか察したかと思います(笑))


チラッと前にラクの話に出てきましたが、カレンちゃんを目覚めさせる方法とはどんなことでしょう?


では、次はどの話にしましょうかね...


もうここまで来て、付き合ってくれた皆さんに御礼を申し上げます。

次回は誰を登場させるか...どのような物語と展開になるか...今後の展開もぜひお楽しみに!


ご興味ある方はぜひ登場した気になる言葉をキーワードとして検索してみていただければと思います。


もし続きが気になって、ご興味があれば、ぜひ「ブックマーク」の追加、「☆☆☆☆☆」のご評価いただけるととても幸いです。レビューや感想も積極的に受け付けますので、なんでもどうぞ!


毎日更新とはお約束できませんが、毎週更新し続けるように奮闘していますので、お楽しみいただければ何より幸いです!


追伸:

実は新作も書いていますので、もしよろしければそちらもご一読ください!↓

有能なヒーラーは心の傷が癒せない~「鬱」という謎バステ付きのダンジョン案内人は元(今でも)戦える神官だった~

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