蘭華(帰宅)
蘭華...1日の出来事を思い返す
古代インドに語り継がれる叙事詩「ラーマーヤナ」、ヴィシュヌ神の化身「ラーマ王子」の愛する「シーター妃」を奪還するために耗発した羅刹羅闍「魔王ラーヴァナ」との戦の末、羅刹の王が敗北者となり、王子と妃が運命の再開を果たした物語...
もしこの物語は何者かの筋書き(運命)によって定められたとしたら、それに抗えないだろうか?
時は現代日本、ある女子大学生「椎谷・蘭華」がラーマーヤナの物語(世界)に巻き込まれ、滅んだはずの羅刹の王との出会いで運命の歯車がついに再び動き出して、心を探す旅が始まった...ぶらりと...
都内のあるアパートのある部屋
最近ではずっと不思議で不可解な出来事がオンパレードに起きたせいか気が緩めない状態が続き、今日の出来事に加えたことでもう疲労感が限界突破した蘭華は部屋に到着した瞬間、すぐに布団に飛び込んでしばらく動かなかった。
は...
疲れた...
あれ?何か前にも同じことを言った場面があったような...
いつだっけ...空港に着いたときかな?
まあ、それはそうか...
今日の出来事だけでも私の脳の理解キャパを超えたんだ。
疲れない訳が...
...
動きたくないけど、妙に眠くない...
驚くことが盛り沢山の一日だからね...
突然この人?が立ち上がって、頭がを天井を突き抜けたこととか...
あ、今考えたくないことを思い出した。
天井の穴をどうにかしないと...今じゃないけど。
その後は心の在処を探す旅、私が勝手にぶらり旅と呼んでおいて大したことをしなかった...のかな?
近所の散歩から地下鉄に乗って...
電車内であの頭がブンブン回したこともトラウマ級だな...
ホラー映画を間近で見た感覚は今思い出しただけでぞっとする。
そして、何よりラーメンを食べたときもそう...
激辛ラーメンを食べた後に滝のように汗が流れることも印象深かった。
まさか魔王は辛い食べ物でこうなったとは考えもしなかった。
でも、よく考えてみると...驚きの場面がいっぱいでかなり私も振り回されたけど、
改札を通るのに苦戦したり、ラーメンを食べたときに美味しいと言ってくれたり...
ふふっ...意外に可愛い?一面もあるよね。
まるで...
そう...まるで人間みたいだ。
私の仮説にしてはこれがかなりの証拠に使えるじゃないかと思うぐらい。
羅刹は人間とは違う種族だと言われたけど、昔の人が野蛮人と呼ぶ他の人種だって...結局同じ人類であると同じく、もしかしたら...この人?も...
ただ古代からタイムスリップした人だけであって、あの不思議な力とかを除いたらだけど...
その点に関してはまだ究明できないところだ。
さらに今は現代社会に適応できるかどうかという点も考えないといけない。
今のところでは適応能力は悪くないし、さすが全ての知識を持つほどの賢さが賞賛された魔王...
何千年のブランクでも理解能力は劣らないね。
と...ここで考えたランカは、神社での出来事を思い出した。
あの神主の人?...と謎の石像
この人?と古代言語で話していたせいで全ての内容が把握できないけど、聞き取れるのは...
ナーガラージャ、試練、心、鬼切丸という刀、りきさまはあの石像の名前だよな...
後は聞き取れる言葉を繋いでてみると、話の流れはなんとなく掴めた。
と言いながら、肝心のはその後の出来事だ。
誰でも驚くよ!というか、驚かない方がおかしいよ!
だって、刀を構えた神主がこの人?に刃を振りかざして、この人?も何も感じなかったかのように自分の心臓を取り出して...さらにあの石像も後ろから切られて、その中から出てきたのは黒い赤子だ!
驚きの連続で私もほぼ絶句した...一回ぐらいか小さな悲鳴をあげたのは。
それから、この人?は自分の心臓から血を垂らして、赤子に飲ませたかのように...いや、実際に飲ませたか。
とにかくその赤子が目覚めて、何か言ってから...消えた。
代わりに石のような何かの破片がこの人?の体に入り込んだ。
ことが収まって、私が駆けつけたときには傷も全く残らないし...何よりこの人?からの第一声は「演奏したい」って一瞬意味がわからなかった。
どういうことなの?演奏?何で?どこで?
でも、その真剣な表情を見た私はとりあえず演奏できるところを考えて、そこから遠くない大きな駅の辺なら、誰かしらが路上ライブをやると思って連れて行ったら、まさかの乱入して自分の音楽を聞け!が言いたかったみたいな勝手に演奏し始めた。そこからはまさかのセッションが始まって、その周辺の人まですごく盛り上がった。
乱入された人本人は気にしないと言われたけど、なんかも申し分けないな。
まあ、楽しそうで何よ...り...!?
あ...忘れていた!
疲れたせいで今同居中の巨漢のことを完全に頭から消えたランカは布団から起き上がり、玄関を見ると、例の巨漢はずっと玄関で座ったままだった。
近づいてみると、なんだか瞑想に入るみたいで全く動かなかった。
でも、なぜだろう...その強面の中に満足している表情が見えるような気が...しなくもない。
なんさ悟りモードみたい。羅刹だけど。いや、種族は関係ないか。
さっきのことで機嫌が良くなったのは確かだ。
今まで表情が一番柔らかいとも言える...怖いのは変わらないけど。
ここはしばらくそっとしておいた方が良さそうだ。
再び布団に戻ったランカは布団の上で横になったまま、顔を手に持っている携帯の方向に向けて、片手で携帯を操作しはじめた。
そういえばいつも見ている動画チャンネルはこの前以来見ていないな...
開けた某有名動画プラットフォームのアプリを指でスクロールしてみると、ある動画を見ようとした。
あ、生配信だ...前には見られなかったし、ちょっと挨拶ぐらいでも...と思ったランカはその生配信に参加した。
しばらくすると、彼女はその動画に共有されたある動画を目にして、突然布団からまた起き上がった。
...
嘘!?!?
これ...さっきの...もう投稿されたの?
その路上ライブをした人と別れて、ここに戻るとすると...帰ってすぐ投稿するには十分時間がある...この生配信の主催者も仕事が早いなと感心した一方、実際の動画の方の視聴に移ると、さらなる衝撃がランカにぶつかる。
...
何...この再生回数...
こんな短時間でこんな回数になるの?
信じられない...
さらにコメントを見てみると、どうやら他のSNSから知った人もいるようで、○イッターを確認したランカ。
...
え?
これ...その場にいた人たちが撮った動画はめっちゃ拡散されている...
投稿した本人のアカウント名まで載っている。
これは...まさか...最近では【バズった】という現象?
なんかすごいな...
魔王と呼ばれた存在は今人間の世界で知らないところで知名度が上がっている。
これ...演奏したこの人?の正体を突き止められない?
なければいいけど...
まあ...大丈夫だろう。
このデカい男のことで誰がそこまでやるのか...アイドルとか芸能人じゃないし...
うんうん...大丈夫...
...だよね?
となんだか現実を受け止めきれなかったランカは完全に不安を払拭できない状態になった。
そこで、突然携帯の画面が切り替わり、携帯が鳴った。
誰からの電話のようだ。
ビックリして画面に映した電話相手の名前を見ると、ランカはどこかで嬉しそうな表情で電話を取った。
「もしもし...おじさま!...お久しぶりです!」
最後までお読みいただきありがとうございました。金剛永寿と申します。
この作品は古代インドの叙事詩「ラーマーヤナ」をベースにした輪廻転生系ローファンタジーフィクションです。
日本では三国志や西遊記よりかなりマイナーですが、南アジアから東南アジアまで広く親しまれる作品です。ぜひご興味ある方は原作にも読んでいただければと思います。
お待ちかねの総集編ではなく、回想の回でした(笑)
決してネタが尽きたわけではなく、この濃い1日の出来事を蘭華の視点で一旦まとめて、次の展開に移そうとする考えです(決してネタが尽きたわけではありません!2回言います)
作者でも思い返せば、ぶらり旅編を書き始めてもはや一年が経ちました。早いですね。怖いですね。マジで!
近所からの地下鉄からの拉麺からの神社…これでぶらり旅と言えるでしょうか?楽しんでいただければ幸いです。
はっきり言わないけど、ある生配信を見た蘭華
早速バズった例の動画
誰かからの電話と蘭華の表情
これからの展開はどうなりますかね
というか何かを忘れたかのような
まあ、気のせいですかね(笑)
もうここまで来て、付き合ってくれた皆さんに御礼を申し上げます。
次回は誰を登場させるか...どのような物語と展開になるか...今後の展開もぜひお楽しみに!
ご興味ある方はぜひ登場した気になる言葉をキーワードとして検索してみていただければと思います。
もし続きが気になって、ご興味があれば、ぜひ「ブックマーク」の追加、「☆☆☆☆☆」のご評価いただけるととても幸いです。レビューや感想も積極的に受け付けますので、なんでもどうぞ!
毎日更新とはお約束できませんが、毎週更新し続けるように奮闘していますので、お楽しみいただければ何より幸いです!
追伸:
実は新作も書いていますので、もしよろしければそちらもご一読ください!↓
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