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トリムルティ(尊い)

神々が集う...尊いの意味を究明するために...


古代インドに語り継がれる叙事詩「ラーマーヤナ」、ヴィシュヌ神の化身「ラーマ王子」の愛する「シーター妃」を奪還するために耗発した羅刹羅闍ラクシャーサラージャ「魔王ラーヴァナ」との戦の末、羅刹の王が敗北者となり、王子と妃が運命の再開を果たした物語...


もしこの物語は何者かの筋書き(運命)によって定められたとしたら、それに抗えないだろうか?


時は現代日本、ある女子大学生「椎谷しいたに蘭華ランカ」がラーマーヤナの物語(世界)に巻き込まれ、滅んだはずの羅刹の王との出会いで運命の歯車がついに再び動き出して、心を探す旅が始まった...ぶらりと...

都内のある場所...人がその場所を「ライブハウス」と呼ぶ。

外から見えるのは入り口だけで、実際には階段を下りてから空間がある。

その空間の中には奥にステージがあり、ステージの反対側にドリンクの売り場があるところでドリンクを交換する人々が並んでいる。

そこで一人の男性が後ろにいる男性に話した。

「このライブハウスもそうだけど...チケット代も払ったのに、なぜ別のドリンク代がかかるのか理解し難いことだ...」と言ったら、その話し相手はこう答えた。

「この国の法律上では、多くのライブハウスは音楽の演奏を披露することに対して、実際は飲食店という扱いだからだ。逆に言うと、ドリンクを提供しないと...音楽ができないということだ。」と真面目に答えた男性を見て、質問した男性は思わず笑った。

「はは...さすがこの世界の創造神様々...なんでも知っていますね。()()()」と皮肉たっぷりに言葉を返した。

「いや...さっきスマホの検索ツールで調べて初めて知った。君がこの事実が知らないことの方が驚きだよ...維二郎(いじろう)」と直球にその皮肉を破るような回答をしたお兄様と呼ばれた男性。

「あ...僕も最初から知っているさ...なぜかって...僕はこの世界の全ての仕組みが分かったからさ...さっきはただの人間の真似事だよ。さすが超が付く真面目な回答をどうもありがとう。」とまた皮肉にしか聞こえない御礼をした維二郎と呼ばれた男性。

「それはどうでもいいけど...もう注文しないと、他の人を待たせてしまうよ...」と無表情なトーンでさっきの二人の男性に呼びかけた。

「あ...壊三(かいぞう)、それは失礼...人間に比べて、時間の使い方を真面目に考えたことがないからな...後ろの人間達には悪いことをしてしまった。」

注文したドリンクを受け取った後、さっきの3人はステージからでは一番後ろの壁にもたれて、話の続きをし始めた。

「ところで兄さん...なんで俺たちはこの場所に訪れた...違うな...俺と造一(ぞういち)兄さんを連れてきたのか説明してくれる?」と質問を投げた壊三。それを聞いた維二郎はまた笑ってこう答えた。

「今日の目的は人間の一部が最近使われる【尊い】の正体を見つけることだ、壊三よ。」

「尊い?」と首をかじげた壊三に対して、造一は代わりに回答する。

「人間が私たちのような存在に敬う気持ちを表すときに使う言葉だが、最近では同じ人間相手にもこの言葉を使う人間もいるらしい。」

「そう!私たちのような崇高なる存在に相応しい言葉なのに...最近の人間は何を考えているのか人間を【偶像】...この国では()()()()と呼ばれる人間たちにこの言葉を使い始めたのだ。」と説明を加えた維二郎。

「人間は俺たちだけじゃなくて...亡くなった偉い人間も動物も植物も崇拝することを見たことが数え切れないほどあるよ。それとは何が違うの?」とまた質問をした壊三。

「一番興味深いはな...壊三。生きている人間を崇拝するかのようにこのような場所に集まり、祈りの代わりにそのアイドルにされた人間の歌やダンス...トークを全員が楽しんで、盛り上がって、狂ったかのように踊ったり、何かの呪文かのように叫んだり...ここまで一つの場所に一体感が生まれるのは寺院でも中々ないことだよ。」と熱弁した維二郎。

「あのステージが別の高さで設置されたことで、観客が全員アイドルが見られるという点も面白い。まるで祭壇だ...奉られたかのようにそこに立った人間はもはや...私たちのような存在に近い何かと化けた。」とここでは造一が自分の気になるところを加えた。

「へ...で?そのアイドルを見た観客が感じた気持ちは尊い...ということ?」と壊三は聞いた話の内容をまとめたかのように言った。

「それを確認するするためにわざわざこのような場所に来る必要があるのか?」と造一は壊三の質問に自分の疑問を乗せた。

「ふっ...2人ともには現場参戦ということを甘く見たね。見ろ!僕たちの目の前に集まった人間たち!その手に持っている光の棒...頭に巻いた鉢巻き...着ている法被。まるで儀式に参加する人たちだ。揃った服装もそう...これはもはや聖なる儀式なんだ!僕たちの目で確かめなければ、今の人間の心をより理解することが難しいと言っても過言ではない!」とまた熱弁した維二郎はそれを言い終わった後にステージに向かって、こう言った。

「だから...僕たちも自分の眼で確かめないと...」ともう一度言葉を発した。そこで突然照明が消えて、ステージだけに照明が当てられている。

「そろそろ始まるようだな...」と壊三がいつものトーンで言った。

「あ...始まったな...うん?その光の棒は何だい?造一兄様」といつの間にか造一の手には他の観客と同じ光の棒を持っている。

「場を楽しむには道具も必要でしょう?さっき人間が持っているものを見て、創造した。」と普通に答えた。それを聞いた維二郎は少し笑い出して、ニヤリと笑いながら、次のように言い出した。

「エンジョイする気満々じゃないですか、お兄様...さすが...さあ、楽しみましょうか...今の人間が尊いと言うのはどれほどのものかを...!」


神々がこれから体感する...尊いという名のものを...

最後までお読みいただきありがとうございました。金剛永寿と申します。

この作品は古代インドの叙事詩「ラーマーヤナ」をベースにした輪廻転生系ローファンタジーフィクションです。

日本では三国志や西遊記よりかなりマイナーですが、南アジアから東南アジアまで広く親しまれる作品です。ぜひご興味ある方は原作にも読んでいただければと思います。


100話到達記念でこの3人?を登場させました!

50話以来です。これなら、150話にはまた登場させる流れになりそうですね...笑

...しかも尊いって、作者は何を考えているのでしょうかね(おめーだろうが)


日本ではアイドルという言葉を実際の意味とは若干違う感じで使ったかと思ったら、本当にアイドルは本来の意味で偶像として崇拝されてきましたね。

アイドルだけじゃなく、最近は推しが尊いの言葉までよく見かけましたね。

神様が今の人間を見て、どのような思いをしますかね。


ちなみにこの話の設定は地下アイドルのライブ会場です。作者自身はどちらかというとアイドルよりは好きなアーティストが推しですけどね。


あ...本当に推しが尊い...


もうここまで来て、付き合ってくれた皆さんに御礼を申し上げます。

次回は誰を登場させるか...どのような物語と展開になるか...今後の展開もぜひお楽しみに!


ご興味ある方はぜひ登場した気になる言葉をキーワードとして検索してみていただければと思います。


もし続きが気になって、ご興味があれば、ぜひ「ブックマーク」の追加、「☆☆☆☆☆」のご評価いただけるととても幸いです。レビューや感想も積極的に受け付けますので、なんでもどうぞ!


毎日更新とはお約束できませんが、毎週更新し続けるように奮闘していますので、お楽しみいただければ何より幸いです!


追伸:

実は新作も書いていますので、もしよろしければそちらもご一読ください!↓

有能なヒーラーは心の傷が癒せない~「鬱」という謎バステ付きのダンジョン案内人は元(今でも)戦える神官だった~

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