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レベル2

本日3回目の更新です。

「ちょっと暗いから明るく出来ない?」

【明るくします】

「あ、うん。このくらいでいいわ」

【明るさ6に設定しました】


 悩んでいたって仕方がない。

 私はレイで、ダンマス。


 ダンマスが何をする人なのかは分かるけど、私は何をすればいいのかは分からない。

ふっと自分の手を見れば、今まで見慣れていたものとは違う。

小さな手、そして真っ白な肌。


「ねぇ、鏡ってあるの?」

【1ポイント消化しますが宜しいでしょうか?】

「ポイント?」

【はい。DPダンジョンポイントを消化し、形成できます】

「DPって何?」

【DPとはこのダンジョンのポイントになります】


 そんくらい分かるし!!

そう言う意味じゃないんだけどな。


「DPって増えるの?」

【はい。侵入者への攻撃などによりポイントが加算されます】


 攻撃……。


「攻撃しないと入らないの?」

【いいえ、侵入者が出入りするだけでも加算されます。他にも加算される行為もございます】


 なるほど。

まったくわからん。


「ねぇ、ダンジョンってなに?」

【……ダンジョンとは、大魔王様が作られた地下牢になります】

「え?ココって地下牢なの?私は囚人?」

【はい。そしていいえです。あなたはダンジョンマスターになりました。ここを作りかえ、大魔王様のお役に立てれば良いのです】


 大魔王様?

めっちゃファンタジーの世界じゃん。

魔法が飛び交い、ドラゴンとかがいるの?

きゃー、ちょー楽しみ。


【ダンジョンの説明を致しましょうか?】

「はい。是非」


 ダンジョンは一般的に迷宮と呼ばれていて、なぜそこに現れるのかは分かっていないと言う。

大魔王様の気まぐれなのか?

それとも、何か違うモノの仕業なのか?


 ダンジョンの中には凶悪なモンスターがいて、侵入者を撃退したりする。らしい。


「ねぇ、ココにもモンスターはいるの?」

【いいえ、まだおりません】


 だよね。

見渡す限り、ドアすらない。

土壁に覆われ、質素な木製のベッドしかないんだもん。


【モンスターを生成しますか?】

「いやいや、まだダメっしょ」


 もっと考えなきゃ。

知らない事が多すぎるんだよ。


 これが乙女系ゲームならば、ドンドン進めるところだけどね。

コレってゲーム?

私の夢?


【いいえ、夢ではございません。ゲームでもありません】

「あ、すいません」


 声に出ていたみたい。


【ここは現実です。侵入者にレイ様が殺されたり、コアが壊されれば終了となります】

「コアってどれ?」

【ワタシでございます。そして本体はアチラでございます】


 ベッドの足元に光る玉。

直径30センチの瑠璃色の球体が光を放った。


「あなたはコアなの?」

【はい。レイ様のダンジョンコアです】


 瑠璃色の球体は見た事も無いほどキレイで、心を全て持って行かれてしまう気がした。


【ダンジョンコアをあやつり、ダンジョンを形成していきます。セルフモードにしますか?】

「セルフモード?」

【はい、ご自身で操作出来ます】

「今は何モードなの?」

【オートモードになっております】

「ん、じゃ、このままでいいや」


 操作と言われても困るし、それに一人はちょっと寂しい。


【畏まりました。では引き続きオートモードで対応いたします】


 バカ丁寧なコア。

でも、それは嫌味ではなく、心地よく感じた。


 それにしても、ダンジョンって。

今後どうすればいいんだろう?


 コアの説明で、ダンジョンはDPが必要で、それを入手する事で一番簡単なのはダンジョンに人が入ってくる事らしい。

でも、私のダンジョンはこの部屋だけ。

DPが無いと何もできないけど、今のままだとダメなのは分かる。


「私のDP、どれくらいあるの?」

【レイ様のステータスを公開します】


名前:レイ

Lv:1

Hp:100

Mp:100

DP:100,000

称号:なし

従属:なし



「Lvとは?」

【レイ様のダンジョンレベルになります。ちなみにLv1ですと村人に撃破されます】


 村人って……。

一般人に蹴られたら終わりって事?


【Hpは、ヘルスポイント・ハートポイントとも言います。主に体力的な事を指します。

Mpは、マジックポイントです。レイ様の魔力数を表します。

称号はダンジョンを形成していくうちに得るものです。

従属は、モンスターを召喚し、名前を持つモノになります】


 なんか頭がこんがらがった。


【Hp、Mpに関しては、残が10になった時点でお知らせする事も可能です。設定いたしますか?】

「あ、うん。そうして」

【畏まりました。設定いたします】


 このコア、めっちゃ優秀なんじゃないの?

至れり尽くせりだよね。


「まず、何から始めたらいいんだろう」

【初心者セットがございます。そちらを参考にいたしますか?】

「初心者セット?」

【はい。初心者限定で覚醒後1時間以内でしたら使えます】

「覚醒後?ちなみに私が覚醒してから今何分?」

【レイ様が覚醒されてから、今56分になります】


 え?

不味くない?

あと4分で初心者セットが無くなっちゃうの?


「あ、えっと、初心者セットの中身って何?」

【初心者セットは、洞窟風ダンジョンとなっております】

「もっと詳しく!!」

【はい。マスタールームの他に3つのエリアがございます……】


 エリアをどのように配置するのかは、自分で決められるらしい。

そして、それを繋ぎ合わせてダンジョンになると言う。


【残り時間2分になりました】

「ちょ、ちょっと待って。えっと、DPの消費はいくらで出来るの?」

【初心者セットは、5,000DPです】


 あれ?随分安い。


「じゃ、初心者セット購入で」

【畏まりました。初心者セット購入いたします】


 ボオン。

そんな音と共に、室内のライトが一瞬消えた。

そして、ライトが付いたら室内の風景が一新していた。


【初心者セット洞窟風購入いたしました。なお、マスタールームは指定がありませんでしたので、メルヘンを選択しておきました】


「ちょ、ちょっと待ってよ……」


 質素な土壁はヨーロピアン風の壁紙にかわり、木製のベッドは天蓋付フリルたっぷりのベッドとなり、毛足の長い絨毯が敷きつめられていた。

ちなみに、コアは白い塔の様なオブジェに取り付けられている。


【レイ様の見た目に合せた仕様のモノにさせていただきました】


 このコア、自我があるんだろう。

今までの的確なアドバイスからも感じていただけど、機械的ではなく人為的。

コアも一人のヒトとして接していこう。


【このままダンジョン形成にはいりますか?】

「うん、そうしようか」


 なんだか、釈然としないけど、私が生き抜く為に、ダンジョンを作っていこう。



ご覧いただきありがとうございます。

1日3回更新にてお届けいたします。

宜しくお願いいたします。

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