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今回とても長くなりました。

 王城の入口門に入ると、人々のざわめきが徐々に消え、豪華で大きな噴水や綺麗に揃えられた木々を抜け馬車で奥へと進む、


 一際大きな階段前に馬車が止まり、アウラにエスコートされ真ん中に赤い絨毯が引かれた階段を、ゆっくり歩く、階段の両サイドには両王国の兵士が1人づつ並び立ち敬礼をする、これは友好国だから出来る事であり、敵対している国ではしない、


 私は前を向き優雅に歩きながら思う、なんだか違う世界に来た気分になり、私はふと思い出す。ここは異世界で乙女ゲームの世界だと、ここ最近めちゃくちゃな事があり過ぎて、私自身を忘れそうになる事が多くなった気がする。それだけこの世界に染まり馴染んだなと感じた。


 豪華なエントランスに入ると、陛下と王妃が私達を出迎えた事に私達は驚き頭を下げる。しかし直ぐ陛下に頭を上げる様に言われ、私達は優雅に陛下の前まで進み歩いた。


 優雅に歩きこの国の事を、頭の片隅から引っ張り出し思い出す。煌びやかな服装を着た人が陛下、名前はエニフ・アルオト12世、40歳

 少し小太りで茶髪を後ろに流し、オレンジ色の瞳を優しく曲げ私達を見る、


 王妃はエニフ・マタル、その歳は非公開、見た目はアルオト陛下よりも年下に見える。

 煌びやかな青いAラインドレスそのスカート部分に、腕のいい職人が手間を掛けたと分かる細かな刺繍を希少な銀糸で施されたドレスを着ている。

 その細やかな刺繍に負けず逆に引き立てるのは、その艶やかな黒髪だろう。遠目から見入ってしまう程だ、

 タレ目気味で大きな青紫の瞳を前に見据え、凛と立つその姿はとても綺麗で、エニフ王国の青百合そう謳われるのも納得する。


 これは余談だけど、アウストラリス王国タリタ王妃は白薔薇。こちらの世界での花言葉は平和と愛だと王太子妃教育で習った。この世界の王妃は花で例えられる事が多いとの事、そうなると私もかな?おっと思考が逸れた。


 私達は陛下達の前に立つ、友好国とはいえ陛下の御前でもある、アウラと2人で最敬礼で挨拶する。


「お招き頂きありがとうございます。アウストラリス王国王太子アウラ。こちらは婚約者のイプシロン・トゥカーナ、こちらには歴史の勉強も兼ねて暫く滞在します。」


「堅苦しいのはよい!ゆるりとしていきなさい、そしてトゥカーナ嬢、急な招きで驚いただろうが、鎮魂祭を楽しんで欲しい、」


「はい、ありがとうございます。」


 私はアウラの婚約者とはいえ、身分はこの中で1番低くく、陛下に声を掛ける事は出来ない、


 そんなやり取りをしていると、王妃の後ろから青髪と小さな手が見えた後、ピョコリと顔だけ出す、私達をチラリと見る少し潤む瞳は海の様に美しい、この国の姫様5歳位だろうか?


 私は青髪と青瞳であの夢を思い出し、心臓が止まりそうな程驚いてしまうが、いきなり姫が王妃の後ろから出てきて、私が驚いたと周りは思っているだろう。


 王妃がごめんなさいね。と私達に断りを入れ1人の姫を前に出す。王妃に出された姫はモジモジとして王妃の顔を不安そうに見る、

 私は姫を見て数年前に生まれた青髪の子の事だと思い出した。改めて青髪の姫を見ると整った顔していて、将来はとても美人さんになると確信する。


「さぁ・・・ルピー隠れていないで、きちんとご挨拶なさい」


「で・・・でも恥ずかしい・・・」


 モジモジしながら俯いていたが、覚悟は決まったのか私達を見る、ピンクと白の上質な生地で作られたバルーン形ドレス、そのスカートの端を摘み挨拶をする。私はそんな姫の様子を見て、なんて可愛らしい!と思わず目じりが下がる。


「よ・・・ようこそおいで下さいました。私の名前はルピーでふ。」


 最後は噛んだがそこが可愛い、噛んだ事も気が付かずに、私達にはにかんで笑う、とても可愛い挨拶をされ、私の心はルピーの笑顔でノックアウトされてしまった。

思わず緩みそうな顔を微笑みで隠す。


「ルピー姫、ご丁寧な挨拶をありがとうございます。僕はアウストラリス・アウラ、こちらは僕の婚約者で」


 アウラは私に目配せをし、私はアウラと目が合うとニッコリと微笑み膝を少し曲げ、私はアウラの続きの挨拶をした。


「イプシロン・トゥカーナです。ルピー姫お見知りおき下さいませ」


 私はスカートの端を持ち上げると、ちょこんと膝を曲げ優しく微笑む、自分が5歳の頃を思い出すと、全く可愛げ無い子供だったと思い知らされ苦笑が出る。


 ルピー姫はキラキラと目を輝かせ私を見ると、トコトコと駆け寄り私の目を見上げる、


 私は陛下達に許可を貰い、腰を下げ目線を合わせる。

 青髪と青瞳があの夢と重なり手が震える・・・この子は小さな姫であってあの青髪の王では無い、少し強ばってしまうが頑張って微笑む、青髪の小さな姫様と自分に言い聞かせた。モジモジとして私の瞳を見ていたルピーは決心した様に口を開く、


「トゥカーニャは天使様なの?」


「?!」


 思わず息が詰まりそうになったがなんとか堪えた。私は平然を装い笑顔でルピーを見る。


『な』が言えずニャになった所までは可愛かった。整った眉を下げ身体を捻りモジモジさせて、横目でチラチラと私を見る。

 私は極力動揺を出さない様にしてルピー姫に聞く、


「なぜそう思ったのです?」


「ワルドお兄様が教えてくれたの」


 ルピーの言葉で、微笑みながら固まった私の事も知らず、ルピー姫は無邪気に私に手を振り、また王妃の後ろへ隠れてしまった。困った顔した王妃のスカート部分から顔を出しニコニコと私を見ている。


「ウフフ・・・私が天使様なら、ルピー姫はとても可愛らしい天使様ですね。」


 アウラは気遣う様に手を肩に添え、私はアウラに微笑み首を傾げる。

 ルピーは天使と言われた事に、普通でも大きな青い瞳を更に大きく見開き破顔して喜ぶ、豪華な王妃のスカートを小さな手でギューとしていた、王妃はすでにスカートの事は諦めた様で、ルピーを優しく見て青髪を優しく撫でた。

 陛下はルピーを見ているがその眼差しは何故か冷たい気がした。何故だろ?娘激甘なお父様を見慣れているからだろうか?

 挨拶も終わり頃合を見計らった宰相が、陛下の後ろから前に出くる。


「さぁ疲れたでしょ?客間に案内します、」


 メイドが現れ頭を下げている、宰相はオレンジの髪をキッチリ後ろに撫で付け、私達に灰色の目を向け微笑む、

 私達は陛下達とまた夕食時にと言葉を交わし、その場を離れた。

 私はまだルピーの天使発言でまだ動揺していて、スカートを踏まない様にゆっくり歩く、アウラは周りに聞こえない様にボソッと言葉を落とす。


「カーナ大丈夫?」


 私はアウラと目を合わせると、ゆっくり瞬きをして返事を返した。ダメなら瞬きは速くすると、馬車の中で瞬きで返事すると決めていた。もちろん困った時のみにしか使わない、周りの人達が私達を見ると、イチャイチャしてる様にしか見えないけど、言いたい奴には言わせておけば良いと思う。


 アウラの客間までは少し離れているが、アウラの客間と比較的に距離も近く、身支度を整えたら私がアウラの客室に行く事にした。


 アウラと別れメイドに案内されて客間に入ると、ロッテが頭を下げ私を受け入れ、メイドが礼をして出て行く、ロッテは何事も無かった様にヘアメイクを始める私は何も聞かないロッテを鏡越しに見た。


「ロッテは聞かないの?私の瞳の事を・・・」


 ロッテは手を止める事もなく髪を梳かしながら話す。


「お嬢様は昔から色々な事を起こして下さいました。1番最初は産まれた時です。覚えてますか?」


 私は産まれた時、すでに何かやらかしていたらしく、もちろんその頃の記憶は無いので、首を横に振り「覚えて無いわ」と答える。


「お嬢様は生まれた時それは元気な産声をあげ、その後微笑まれたのです。しかもその場に居た御家族や使用人全員に向けて、私はその時10歳でした。その時に思ったのです普通では無い何かが起きると、」


 ロッテは赤茶色の瞳を優しく曲げ微笑み、両肩に優しく手を添える。


「お嬢様は膝丈も無い噴水で溺れたり、緑茶やマヨネーズを作ったり、早くに婚約されて領地の勉強や王太子妃の勉強・・・頑張ってましたね。よく分からない文字で書かれたノートを見つけた時は、何が書いてあるのかわからず毎回見つけては、同じ所に隠すを繰り返してました、そんな毎日が楽しかったです。次はどこなんだろう?なんて考えてました。」


 私はビックリして肩がピクリと動く、やはりあのノートの隠し方はバレていたらしい、私の動揺を見抜いたロッテは私を見てクスクスと笑う、

 あのノートを見逃してくれていた、そんなロッテを見て胸が暖かくなる。


 私の侍女になる前は、姉様付き見習いメイドだったが、乳母が腰を痛め引退すると、お母様の願いで比較的歳が近いロッテが私の侍女になったらしい、

 私が2歳位から面倒を見てくれていたらしく、その頃の記憶は残念ながら私には無い、


「お嬢様はお嬢様です。見た目が変わってもお嬢様が嫌だと言うまでは、私がお世話させて頂きます。寝てる最中に髪色が変わった時、お嬢様を10年以上見てますがそれが1番ビックリしました。」


 少し速い時間に起きて私の様子を見に行くと、既に変わっていたらしく、私に何かあったら何時でも呼べとアウラに言明されていたらしい、あの時ベッドサイドにアウラが居たのかわかり、そして周りに心配掛けていた事もわかった。


 ロッテにもアウラとほぼ同じ事を言われ、私は胸が熱くなった。私は本当に周りに恵まれている感謝しか出来ない、

 最後の仕上げですと言い、私を姿見の前に連れて行く、姿見越しにロッテと目が合うと2人同時微笑む、


「さぁお嬢様!王太子様がお待ちです。」


 客間を出ようと歩き出したらノックが鳴る、私は首を傾げロッテを見る、ロッテも首を横に振る、心当たりは無いらしい、扉の前に居る護衛に何も反応が無い為、怪しい人では無い事は確かである。

 ロッテは私を部屋のソファに座らせ、ロッテが対応する為に扉の前に行く、


「トゥカーニャ居る?」


 ロッテの後ろからルピーが顔を出した、私は慌ててソファから立ち上がる。スカートの端を摘み礼をする。

 ルピー姫が来たが後ろに黒髪で青目の人、ルピーと同じ青目と言う事は王族なのだろうと思うが、私には心当たりが無い、ルピーはオレンジ髪の従者と一緒に来たらしい、


「ルピー姫先程ぶりですね」


 私は手で口元を隠し目元だけ見える様に微笑む、けれど私はアウラと先程の事を相談したかったと落胆もした。けれど遊びに来てくれた姫を邪険に扱う事は出来ない、


 ルピーは俯き両手を後ろで組みモジモジする。傍から見ると可愛い仕草も、この位の歳だから可愛らしくみえるのだと、自分で納得しつつ、ミユキの必殺技はいざと言う時に使おうと心に決めた。


 13歳は可愛いと言われるよりも、綺麗と言われたい年頃でもある1番難しい年頃だと自分でも思う。

 私が思考の海に浸かっていると、ルピー姫が後ろを振り向き話し出した。


「トゥカーニャに、ワルドお兄様に会わせたかったの!ルピーに天使様を教えてくれた人!それでね・・・お兄様トゥカーニャはね、ルピーを見て可愛い天使様って言ってくれたの!」


「そうか良かったなルピー」


 ワルドは顔をルピーの頭を優しく撫で、ルピーは目を細めニコニコとワルドを見ている、ワルドも王妃と同じくルピーの事を可愛がっている事が分かる。


 慌てて探しに来たメイドがルピーを探していると、オレンジ髪の従者が頭を下げワルドに言う、


「ルピーまた夕食の時に会えるだろ?」


「うん!トゥカーニャまた後からね!」


 ルピーはスカートの端を摘み礼をして部屋から出て行くと、ワルドも他国の令嬢と一緒にいる訳にもいかず、退室をする為扉に向かい歩き出したが、何か思い出したかの様に私に振り向くがその眼差しは鋭い、そして綺麗な礼をするので私も慌てて礼をした。

 ロッテに聞こえ無い声でボソボソとワルドは話し出す。


「お前達が隠しても俺は知っている、お前も是非と頼んだのは俺だ、ここでは誰とは言わないがお前アイツの生まれ変わりなんだってな!・・・後ルピーは夕食には来ない・・・全部お前のせいだ」


 顔をあげるとワルドは優しい顔を私を見る。けれど私は微笑みの仮面が外れかけ、上手く微笑みが出来ずにいた。


「先程お会い出来ませんでしたので改めて挨拶をと、では後程夕食の席でお会いしましょう。」


 そう言い残すとワルドは立ち去った。ボーゼンと立ち尽くした私をロッテが気遣うが、大丈夫だと首を横に振る。

 私は何も無かった様に微笑みソファへと座り込むと、立ち上がる事が出来なかった。


 アウラが迎えに来ると、私の様子を見て何か気が付き咎める様にロッテを見るが、私が改めて明日説明をすると言うと、私の肩を抱き寄せると心配気に私を見るが私は首を横に振り、「大丈夫です」それしか言えなかった。


 夕食時豪華な部屋で他の王族の紹介されたが、ワルドの言う通りルピーの姿はどこにも無かった。

 私が問うとワルドが「疲れたから寝てしまった」と説明があったのみ、ルピーを故意に来ない様にしているのだと思うと心が痛くなり、豪華な食事も味がしなかった。

お読み頂きありがとうございます。

ブックマークと評価ありがとうございます。

王妃の所は何回も書き直しました。最初黒百合にしようと思い、花言葉をググッたら花言葉が良くなくて、最近出来たばかりの青百合になりました。

青薔薇はかなり昔にニュースになったのを見て知ってましたが、青百合は知りませんでした。

実際に見たら綺麗なんでしょうね(*´罒`*)ニヒヒ

その為青百合の花言葉はまだ無いみたいでこちらを採用、白薔薇の花言葉はビクトリア朝時代の花言葉を採用しました。(間違っていたらすいません。)


・・・けしてエニフ王国の王妃の事を書いて、なんの風潮も書いてなかったと思い出したのではありません(滝汗)・・・多分。


予告では無いのですが、来週は誰かの視点になります。

もしその視点が纏めきれなかった場合は通常の話しになります。

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