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 魂と記憶の解除が始まり動揺はしたが、それは覚悟していた事でもある。

 でも突然掛けていた魔法が解除され、仕方ない・・・とは思えず私の神経はそんなに図太くは無い、


 エニフ王国に来る前、頭の中で色々と想定し覚悟もしていたが、心の負担の方が大きく、神経だけガリガリ削られすり減る。涙が出そうになるがなんとか堪えた


「アウラ様・・・髪色どうしましょう。それに瞳の色も・・・」


 私は動揺を極力出さない様ゆっくり話す、頬が引き攣らない様に、自然に見える様に、ゆっくりアウラの目を見て微笑む、


 私の努力は無駄に終わり、アウラには私の動揺が手に取る様に分かったらしく、不愉快そうに眉を寄せ、アイスブルーの瞳に怒りの色が見える、


「カーナ!2人の時は隠事は無しだ、声が震えている!」


 アウラは突然声を荒らげ、あの夢を見て恐怖で震える私の手を痛い程に握りしめ、金色に染まり不安に揺れる私の瞳を力強く見つめる。


 私はアウラの声にビックリして、肩がピクリと揺れるもし涙を流せば、アウラは強制的に私を帰すと安易に分かるのと同時に、私の事を心配してくれている、アウラの気持ちが分かるから私は涙を堪え首を横に振る、


「・・・アウラ様・・・こうなる事は(魂と記憶の解除)私もアウラ様も分かっていた筈です。それでも私はアウラ様と一緒に居たいのです。」


 探し物もある、私は心の中でポツリと呟く、

 もしそれを口に出すと、結局は言えず絶対に無言になる、

 アウラを見ると一瞬大きく瞳が開いた後、徐々に顔が赤くり、アイスブルーの瞳はまた熱を帯びた様に私を見る、私は思わず背中を反らしたが視線は逸らせなかった。


「カーナ本当に無理なら言って欲しい」


 アウラに手を握られまた少し強引に寄せられ、髪型が崩れない程度に、私の頭を優しくぽんぽんと撫で、背中に異変が無いか確認を取る様に優しく撫でると、アウラは「背中は大丈夫・・・綺麗だ」と教えてくれた。


「髪色や瞳の色が変わっても、カーナはカーナだ!僕の気持ちを疑われては困る、見た目で好意を持った訳では無いし、アルゲティ様の記憶があるからでも無い、カーナだから好きになったんだ、それより、今染められるか精霊に聞いてみないか?」


 アウラに情熱的な告白を受け、私の顔が真っ赤だと思う、髪色等はそれよりの一言で片付けられた。私が気にしすぎなの?と思えてくる


「・・・分かりました呼びますね、ミュー!」


 呼ぶと光の球が来て人型になる、今日の衣装はフリルを沢山使ったフリフリのドレス、それとフリフリの帽子を被っている、前世で見たフランス人形みたいな見た目、私は一瞬ポカンとミューを見る、ミューは私を見て驚き声をあげる、


「・・・トゥカーナ?!アルゲティと目の色と髪色が同じなのよ」


「やっぱり同じなのね・・・」


 私はポカンと見ていたが、ミューとの話しで全て吹っ飛ぶ、アウラは首を横に振りミューをじっと見ている、姿は見えても声は聞こえないみたい、


「カーナ精霊は何と言っている?」


「まだ聞いてませんでした。ミューこの髪色と瞳の色は元に戻せるかしら?」


「任せるのよ!」


 ミューが胸を張りトンと叩く、ミュー行動を見て、アウラは安堵したらしい、

 私は手を胸の前で組み 精霊にチカラを借りる為に祈る。


「ミューお願い、髪色と瞳の色を戻して」


「私の力を見るのよ・・・なっ?!」


 サラサラと元の髪色に戻るが、元に戻る傍から元のオーキッド色に戻る、それは瞳の色も同様なのかアウラは瞳を見て首を横に振り、ミューは愕然として、頭と手を下げて落ち込む、アウラは何かを考え込でいる様だ


「トゥカーナに掛けられた魔法が強いから無理・・・なの、」


「私に掛けられた魔法が強いから無理の様です。」


「精霊でも無理か・・・空の人ならどうだろ?そうか・・・既にエニフ王国入りしてたな・・・。」


 私はミューの会話をアウラに伝え、アウラは既にエニフ王国に入っている為、寄り道は少し難しいと言葉を続けた後、

 コメカミに手を持っていくと目を閉じ、すらりとした長い指先でトントンし始める、聞こえない位の声で何かブツブツと言っていて、私には聞き取れないが、考え事が口から盛れているのかもしれない、


「カーナこのまま行こう、」


「・・・染め直しは難しいですからね。ミューありがとう。それとお願いがあるの」


「何なのよ・・・」


 ミューは魔法が効かない事に落ち込み、頭を下に垂らしていたが、何とか顔だけを上げた様に見える、私はそんなミューを手に乗せ、帽子が崩れない様に頭を撫でる。ミューはそんな私を見て懐かしげに目を細めチラリと空を見る。

 多分空に帰ったアルゲティの事・・・思い出したのかもしれない、


「・・・母様に聞いて欲しいの、髪色が染まるかどうか」


 私は髪を数本抜きミューに持たせる、アウラは私の行動に驚き、髪を抜いた所に癒し魔法を掛け、頭を撫でる「ありがとうございます」とお礼してアウラを見る。


 ミューはそこで初めてアウラを認識したのか、マジマジとアウラを見る、見られているアウラも見返すと、ミューはプイと顔と視線を外らし、私とアウラを交互に見る。


「トゥカーナの婚約者?」


 私はゆっくり頷く、ミューは首を横に数回振り、少し寂しそうに私を見た、私は何故そんな風に見られるのか分からず、


「ミュー何かあった?」


「・・・な・・・何でもないのよ!」


 そんな事言われると気になる。次また時間がある時に呼び出して聞こうと思う、

 ミューは私の髪を持ち颯爽と球になって飛んで行く、今回は光の演出は無く少し寂しかったのは秘密、

 アウラはミューが消えた方を見て、何かに気が付くと辺りを見回した。遠くに白と青が美しい街並みが見え始め、奥には大きな王城が見えるアウラは馬車の窓を指さす。


「カーナほら見える?」


「綺麗な街ですね、湖は・・・ここからでは見えないですね」


 湖はすぐ近くと聞いていたけど、馬車から見えない、そんなやり取りをしている間に、遠かった街並みも段々と近くなり馬車は速度を下げゆっくり進む。

 馬車が進む道は木々や自然が豊かで、競い合う様に様々な色の花々が咲き誇り・・・頭の隅であの声が蘇り押し黙ってしまう。

 私は視線を花畑から逸らして話しをする。


「エニフ王国は、本を読んだだけの知識しか無いのですが実際に見ると、・・・とても綺麗な所ですね。母様に見せてもらったのとは、少し違う気がします。」


「あぁ、過去に戦争があったとは思えない程、今は緑豊かだと思う、戦争の後は荒れ果てた地だったと聞いた、まだこちら側は豊かだが・・・」


 アウラは一度言葉を止め花畑を見る。整った眉を下げ話し出す。


「湖の辺りは・・・ほぼ何も生えていない・・・」


「それは王太子妃教育でも習いました。鎮魂祭と銅像を立てた事で、空の人が許しこの辺は豊なのだと伝えていると、ではアルゲティが空に帰った場所は・・・」


「多分そうだと思う、大きな声では言えないが、湖の他にも何も生えてない土地が多い、湖の場所の事はエニフ王国にも協力を要請したんだ、もちろん歴史の勉強、という事にしてあるから心配はいらない」


 宰相が協力要請出しに行ったんだ。と付け加えた。私は嬉しくて鼻の奥がツーンとして目頭に涙が溜まる。


「お父様が・・・ありがとうございます。」


 私が感傷に浸る暇も無く、馬の蹄の音が近き外から護衛が声を掛ける。一瞬髪色が違う私をチラリと見ても動揺もしない、出発前に一度見てるからかな?


「そろそろ到着です」


 護衛は後ろの護衛に合図を送り元の位置へ戻る。

 私は目元をハンカチで拭き取ると、微笑みの仮面を着けた。アウラと目を合わせ微笑み合う。


 私達の馬車は大きな門をくぐり抜け、白くきちんと舗装された街道をゆっくり馬車は進む、

 

 先に聞こえたのはザワザワとした賑やかな声、その後にこの国へようこそ!楽しんで下さい。等の声やキャー王太子様ー!の声等、私達の馬車を見ようとする人達で混雑しているのが馬車から見える、

 私がもしこの中に居たら・・・絶対迷子になる。そんな自信と確信が持てるのは、ちょっと悲しくなる。


 街並みは白と青の建物が多く立ち並ぶ1階は商店、2階は人々が住んで居るのだろうと思う、青と白の建物の風景は前世で見た外国を思わせる様な建物が立ち並び、富裕層や貴族が住んで居そうな大きな屋敷もちらほらと見える。


 その建物の奥には大きな教会が見え、西日が教会を背後から照らし中の明かりが綺麗で。どこか幻想的に見え教会の屋根にある像だけがやけに目に付くが、少し暗い通りを歩く人々、その暗い道を色々な磨りガラスをぶら下げ歩く姿は幻想的に見え、家族のお土産はあれにしようと思った程、私は馬車からみるガラス細工はキラキラ輝きとても綺麗の一言しか言えなかった。


 人々は多種多様な衣装を着てお祭りに参加していて、女の人はアオザイみたいな衣装やカラフルなドレス等を着て私達に手を振り、

 男の人も民族衣装ぽい人や普段の服装の人がちらほらといて、男の人より女の人の方が衣装を替え楽しんでる印象に見える。私達はカラフルな衣装の人々の声援を受け、にこやかに手を振り応える。


 そんな中私の姿を見て驚き見入る人がいた、私はその男の青目と一瞬目が合うが、直ぐにフードで隠された。顔が見えない様に被ったフードから黒髪だけが見えたが、黒髪はニヤリと口端を曲げすぐ人混みに紛れて行く、


 男は賑やかな道を外れそのまま暗い路地へと進み歩く、男はフードを脱ぎ黒髪を露わにすると、先程の道を振り返り、クツクツと笑いだした。


「アイツはあの国には帰れない、未来の王太子妃?笑わせるな!」


「ワルド様お迎えに参りました。」


 オレンジ髪の従者がそう告げる、眉を寄せ従者を見るが、従者はピクリともせずそのまま頭を下げる姿は、全く面白みがない、

 ワルドは従者と共に、暗い路地を抜け王城に向い歩き出す。

お読み頂きありがとうございます。

ブックマークと評価もありがとうございます。


最近肌寒い日が多いので、風邪など引かぬようにお身体大切になさってください。

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