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ロッテに注意され、私は改めて自分の立ち位置を見る・・・。
ベッドの上!自分の今の服装(夜着)を見て、自分がした行動も次々と浮ぶ・・・。顔がさらに赤く、頭から上掛けを被ると目だけを出し涙目でアウラを見る。アウラは顔は赤いが笑っていて、
「カーナ大丈夫だよ、出ておいで・・・」
「ん・・・・・・っ・・・。」
目を鋭くし首を横に振る。フルフル
私は猫か!フーフー怒ってやりたかったが、ロッテに叱られた後なので止めた。
「王太子様、お嬢様のお召し換えをしますので、あちらの部屋でお待ち下さい。」
ロッテが声を掛けアウラは、焦らなくて良いよと、ロッテの案内で隣りの部屋に行き、そこで肩の力が抜ける。今の状況を陛下にも説明しなければならない、髪色の事は家族と王家も知ってるが、エニフ王国ではそうはいかない、突然髪色が変わる令嬢なんていないだろう。
ロッテに身支度を整えて貰う、髪色はそのまま、まずは見て貰わなければ話しも出来ない、ここからスタートする、
「お嬢様準備が終わりました。」
私は姿見の前に立ち、その場でくるりと回る。
ふわりとしたAラインドレス、お洒落して嬉しくなり心が踊る、髪はサイドに編み込みを施し、残りの髪はそのまま背中に流す、編み込みの終わりを髪下に隠す、シンプルそれがいい、アウラとまた話しをする為移動する。
部屋に入り、アウラ、お父様、レオニス 、3人が難しい顔で話しをしていたが、私の顔を見てお父様は、ほっとしている様子でソファに座り込むと、ロッテにお茶を入れてもらい人払いをする、
「すいません遅れました。」
私は丁寧に礼をする。2人は私の髪色が違う事に注目し何やら話しをしている、アウラは立ち上がり私の傍に来る。
「カーナ綺麗だ、このまま連れ去りたい・・・」
連れ去りたい・・・、オウム返しで呟き顔が遅れてカーッと赤くなる
私にアウラは自然な仕草で手を取り甲に唇を落とし、そのままエスコートをしてソファへ座る。対面にお父様とレオニス、アウラは私の横に座るが位置が近い、すぐ手が触れる位置、
「トゥカーナ嬢その髪色は?」
「・・・・く・・・い・・。・・・話せないのです。」
「トゥカーナ・・・!その目の色!」
ガタッと立ち上がるお父様に指摘され、レオニスはそこで気が付き、両膝に両手を着け私の目を改めて見る、私はレオニスに微笑み見つめる、レオニスは濃い紫の目なのよね・・・、何故か懐かしい気持ちになる・・・。
頻繁に会っている訳でもないし、言われないとわからないと首を横に振り、ソファに座り直す。
「カーナ大丈夫?」
「はい・・大丈夫です。話せる所まで・・・。と思いましたが・・・」
話せないのなら、書けるのでは?お父様から筆記用具を借り、サラサラと書き込む不思議な事に1文字書き込み終わる前に消える。
4人で頭を突き合わせ考えた事を口に出す。
「話せない、書けないか・・・。」
「質問に答えるのに、はい、いいえ、なら出来るのでは?」
「言葉が詰まる・・・なら首を縦、横振るこれなら?」
レオニスはそのままを、お父様は、はい、いいえで答える方式を出し、アウラは頷くならと意見を出し合う
「私以外が基本文字を書き、言いたい事を指差していくのはどうでしょう?」
「「「その手があったか」」」
文字は宰相のお父様が書くと決まり、基本文字を1つ、1つ書いていく、綺麗で癖が無い文字、日本語と同じ数を書き終わると、これは〇っくりさん・・・無性に鳥居描きたくなる・・・我慢・・・。私は指差しをしていく、
「威厳ある人に帝国に行き、アルゲティが空に帰った最後の場所・・・何かを探せと言われました。」
私は指を離し、心を落ち着かせる為にお茶を飲む。
3人は難しい顔で聞き入り、レオニスは何か思いつき、顔を上げ私の顔を見る、
「トゥカーナ嬢ひとつ聞きたい、魂と記憶が戻る、その後はどうなるんだ?今の君は空の人では無い、翼がいきなり生える訳でもないのだろ?」
その言葉は私を含めた他2人も気が付かず、盲点を付いた質問、アウラは悔しげに顔を歪める
「それは考えた事がなかったです。父様や母様も魂と記憶の解除としか・・・それなら何故髪色や目色が変わるのか、説明が出来ません。」
父様は私を元に戻したいだけなら、私は死ぬ事はないだろう。後は穏やかな日々を・・・と願うだけ、
「カーナ魔法の使い方言ってみて」
「頭の中でイメージして・・・あっ!」
この世界の魔法発動は魔力とイメージする事、慣れ不慣れはあるけど、言葉にして初めてイメージが出来る人もいる。精霊魔法は精霊に力を借りる為願う。
私も魔法を最初に使った頃は、先生の見本の様に出したかったのに、消防の放水レベルが出たな・・・それより母様の魔法は凄かった、
不意にアウラに手を取られ、2人で立ち上がり、ゆっくり歩き出す。
「カーナはカーナだ、アルゲティ様でも無い、この気持ちも大事だ、」
「フフ・・・。初めてアウラ様の前で髪色が変わった時も、『カーナはカーナでしょ』と・・・そう言ってくれましたね。私嬉しかったのです。アウラ様」
私は私であり、アルゲティでも空の人でも無い、
お父様とレオニスは真剣な眼差しで見ていて、私だけが、何が起こるのかわからないまま、エスコートされテーブルから離れた場所に連れ出される、部屋の真ん中で歩みが止まる。
アウラは腰から鞘ごと剣を取り出す、鞘に細かく金や銀で模様が施されて、片手剣?立派な剣、その剣を突き立て、跪くと私の顔を見る、
私は驚きはしたが、すぐに思い出す、剣の誓い、昔本で見たけど実際見ると迫力あるわね・・・。すぐに微笑むとアウラを見る。
「トゥカーナの命が脅かされるなら、僕は一緒に立ち向かうと、この剣に掛けて誓う」
溜まりに溜まった思いが涙として溢れる、今まで不安が無かったといえば嘘になる、
生まれ変わったら悪役令嬢、違う人生を送ると意気込んだら、この国を救った守護者アルゲティだと言われ、魂と記憶解除の魔法を掛けられ、髪色や目の色が変わる、波乱万丈過ぎるだろ!とヤケになる事が無かったのは、
はちゃめちゃな私を、時に厳しく、時に優しく育てた家族と使用人達、アウラも含めた王族の協力と理解だろう。
「ありがとうございますアウラ様」
アウラは立ち上がり剣をしまうと、私の傍に来て肩を寄せ、頭をコツンとぶつけた、なんだか面白くて、私も真似する。地味に痛い・・・。横から咳払いが聞こえ
「トゥカーナ嬢帝国へ行く、これに後悔は?」
私はレオニスに綺麗なカーテシーする。何があるのか知らないけど、取りに行く!
「いいえ、後悔はありません。」
「トゥカーナ出発は再来週になる。」
お父様は出発日を告げ、私は顔を上げ覚悟を決めた!
「カーナ、夏の休暇前のイベント頑張ろうね」
アウラ色々あり過ぎて、私すっかり忘れてたよ・・・。
お読みいただきありがとうございます。
ブックマークと評価ありがとうございます。
シルバーウィーク辺りで学園イベントが終わると思いたい・・・。




