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王城へと戻り、お父様が居る宰相の執務室へと足早にアウラと向かう、
陛下は王妃と一緒に夜会に出掛け不在で、代わりに王弟レオニスが、私達の話しを一緒に聞くとの事で、レオニスは私達よりも到着が早かった。
執務室に到着まずは挨拶を・・・頭を下げようとして、
「挨拶はいい、まずは話を聞かせてくれ、」
レオニスはお父様に目配せをする、お父様は帝国の地図を持って広げた、地図は大きな街から小さい街、農村まで詳しく書いてあり、川の位置、湖の位置もわかる。
私とアウラはソファへと座り、母様から聞いた事を話す。
「大きな湖・・・。宰相場所は?」
「レオニス様確認を致します。少々お待ち下さい」
スっと頭下げ離れた場所で調べ物を始める、お父様を横目に緊張を和らげる為なのか、レオニスが学園の話をする。
「2人共学園はどうだ?楽しいか?」
「はい、レオニス様楽しいです。」
「叔父上・・・口調が・・・。」
緊張していて、少しだけ肩のチカラが抜けほっとする。レオニスとは久しぶりに会う、アウラとのお茶会で会った以来、出された紅茶をゆっくりと飲み、ちらりと見る、
レオニスは目元に落ちたブロンドの髪を、手櫛でかきあげ、前回会った体格より、更に肩幅が広くなっており、執務室にいるイメージよりも、騎士団所属だと、言われる方が納得がいく、ガッシリとした体格になっていた。レオニスに挨拶をする。
「レオニス様お久しぶりです。あの時は大変失礼致しました。」
「カーナ?あの時ってどの時?」
「アウラ・・・それ妬いているの?」
「アウラ様何故?妬いてるですか?」
レオニスに妬いていると言われ、私に問われたアウラは、私の顔を見て微笑むと、カーナ手を僕の方に出して
私は手を差し出せば手をふわりと握る。私は微笑みを返しアウラの手の上に、更に自分の手を乗せる、数十秒間見つめ合い、その内に頭の中で必死に考える。
え?・・・あの会話に何があった?逃げるかもしれないから捕まえていたりして・・・?そうゆうことなのかな?
「まぁ・・・アウラ様、私は逃げませんわ」
アウラと手を握っている時点で、私はここから逃げ出す事は不可能、今は私の事で相談をしている、寮に帰りたい気持ちは抑える、アウラと充分見つめ合い、手も捧げた所で手を離・・・?せない、仕方がないので手だけはそのままで、
レオニスに視線を移す、あの頃を思い出すと内心で苦笑いをし、あの頃はお転婆でしたが、ちゃんと成長しましましたよ、微笑む。
「あの幼少時のお茶会の時です。アウラ様と初めて会いまして、何故か話の流れで、かくれんぼをしていたのですよ?」
「あの時の話しは覚えてるよ!学園のイベントとしてあの後俺が作ったんだよ!あー後まだあるけど、秘密!」
「え?!」
無邪気に笑いながら言うレオニスに、私は何も言えずにいると、アウラが困り顔をして
「叔父上・・・トランプ大会も作ったでしょ?ババ抜きの楽しさを知らせる!って・・・」
「え?!」
私さっきから、え?!しか言ってないが、今はあ然としている。イベントにしたのか・・・。
そこへ調べ物が終わったお父様が、タイミング良く来て、目が会うと軽くウインクする、合図をしてくれた。
ほっと胸を撫で下ろす。お父様助かりました。
「現エニフ王国には大きな湖は、3つ確認できました。昔の地図を再確認しますが、恐らく城から一番遠い場所にある湖ではないかと思います。」
「もう少し調べて報告を頼む。」
「御意」
お父様はまた調べ物をする為に机に戻ると、見覚えのある扉を通って行く、
「アウラ様あの扉の先は、確か魔力検査の話しの時に・・・」
「そう一度お茶会をしたね、本当は宰相が調べ物を探す部屋なんだ。」
あの時は久しぶりにアウラに会えるからと、気合いを入れ、令嬢らしく振舞ったのに、アウラにクッキーを口に入れられたんだよな・・・ちょっと苦い思い出になってる部屋でもある。胸に手を置き感傷に浸っていると、
「さあ2人共明日も学園があるんだろ?」
「そうでした・・・」
「カーナ帰ろう」
レオニスに挨拶をすると、話の後半は手を握って離さなかったアウラが、今回だけは手を繋いで帰りたいと言い出す
アウラは私の手をもう一度繋ぎ直し、自分の指を私の指の間に入れ、恋人繋ぎの様にする、
手が何時もより密着していて、少し恥ずかしく、手を繋いでいるから手も顔も熱い、私の手から心臓の音が聞こえてしまうと錯覚する程で、アウラは恥ずかしくないのかと、顔を見ようと見上げると、アウラも私を見ていて顔が赤い、お互い恥ずかしくなり顔を背け歩き出す。
そんな2人を、調べ物をしていた部屋から出てきた宰相と見ていたレオニスは、
「今日のあの2人甘酸っぱいな・・・俺結婚したくなった。」
「仲が良い事は嬉しく思うのですか、私は悲しく複雑な気持ちです、レオニス様・・・早く相手を見つけて下さい。」
護衛が後ろに着いても、気にせず手を繋いだままで歩く2人の背中を見送る。
「帝国で何も無ければ良いんだがな。」
「私はもう少し調べ物を続けます。」
「俺も手伝う、学園を楽しんで欲しいからな」
宰相は頭を下げ、お礼を言いそのまま2人で調べ物を開始する。
◆
アウラと手を繋ぎ、転移魔法陣部屋にたどり着き部屋へ2人で入る。
手を離してくれない為、片手を繋いだままで向き合う形に、私はもう片方の手でアウラの手を取ろうとして、逆に取られた・・・恥ずかしい。
「アウラ様今日はミューの事・・・教えて頂きありがとうございます。」
「カーナの大事な事は、僕の大事な事だと思っているから、気にしないで」
どこかのガキ大将みたいなセリフだと、考えていたら、アイスブルーの目は私を見て離さない、そんなアウラを私も見るが、恥ずかしくなり視線が下がるが、何よりも顔が熱い・・・
アウラは前髪を上げおでこにキスを落とす。
余りにも速い仕草で、考えが追いつかずにいる私に
「僕はアルゲティ様のお母様にされた事まで、こんなに嫉妬してる・・・カーナは今まで気が付かなかったの?」
「そうだったのですか?私は・・・」
挨拶が大好きな人だと思っていたよ・・・なんて言えない。アウラは私を先に魔法陣に乗せ寮へと帰す。
「カーナ愛してる、学園卒業したらすぐ結婚しよう」
アウラはずるいと思う、転移間際に言うなんて
私は微笑む事でしか返事が出来なかった。
チリッと頭が痛くなるが、すぐに収まる。
すると頭の隅であの人が言っている、
「アルゲティ愛してる」
お読みいただきありがとうございます。
ブックマークと評価ありがとうございます。
今アルゲティの話しを書いているのですが、なかなかの長編の予感・・・がします。




