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転移魔法陣で学園に着くと、アウラに園庭に行かないか?と誘われ、私は「はい」と返すしか出来ず、手を繋いだまま歩き人影が少ない方へと進み歩く、


アウラを見れば、少し焦っている様子を見せるが

時折私にくれる視線は優しく、気を使ってくれているのが分かる、それでも私の手を引っ張る強さは変わらない、


私は繋がれた手が気になる、離せないし、離してもくれない、よくわからないまま2人で歩いていた、


「・・・・・・」

「・・・・・・。」


沈黙が苦しい。何があったのか早く話して欲しくて、私から口を開いた。


「あの・・・アウラ様?話はなんですか?」

「すまないカーナ、もう少し先なんだ」


学園の園庭の隅にケーティが座り込み、何かしている様に見えた。


「ケーティ連れてきた」

「ケーティ先輩!どうしたのです?」

「トゥカーナ様・・・」


ケーティが私に見える様に手を差し出すと、中に居たのはミュー?!


「僕が帰ろうとここを通り掛かったら、ケーティが泣いていてね。話しを聞いたらカーナの精霊が弱っているかもしれないと、事情も知らない僕が説明をして、カーナを焦らせてもいけないと思ったんだ、驚かせてすまない。」


「そうだったのですね、ありがとうございますアウラ様・・・それでミューは、なぜ?」


「それが少し前に見つけた時には、こんな風になっていて・・・。」


いつも見せる姿では無く、最初に見た光の球の状態、蛍の様に光ったり消えたりしている。

初めて見るその光景に、全身のチカラが抜けそうになる。


「精霊にも聞いてみたのですが、上位精霊なので、なぜそうなっているのか、わからないと言われました。」

「そんな・・・。」


精霊の事はわからない、前にミューは母様に頼まれたと聞いた。母様ならミューの事がわかるのかな?

私は辺りを見回し、見える範囲で他にケーティとアウラしか居ない事を確認する。

ケーティからミューを受け取り、少し奥へ進み歩くと、手入れはされている木が沢山ある場所へとたどり着く、ここなら光が降りて来たとしても、誤魔化しがきくだろう。


場所は決まったが、問題はケーティで空の人族の母様の存在を、どう誤魔化せば良いのかわからず、私が決めかねているとアウラが


「カーナどうしたの?」

「アウラ様あの・・・。」


私はアウラに耳元で話し説明をする。


「分かったケーティ今回見た事、聞いた事は、箝口令で頼む。」

「はい。わかりました王太子様」


ケーティはスっとカーテシーでそれに従う、


ミューを見る段々と光が弱くなっていき、私は焦り出す。

母様はいつも見ていると言っていたから、見てると信じて、ミューを手のひらに乗せたまま、祈り始める。


「母様お願いします。ミューを助けて・・・」


サラサラと髪色が変ったのが分かる、それを見たケーティがヒュ!と息を飲んだ音まで聞こえる程、静かな時間が過ぎていく、


すると辺りをキラキラと光の柱が降りてきて、目の前に母様が現れる、その瞬間アウラとケーティは頭を下げ最高礼をしているのが見えた。


「あら?トゥカーナどうしたの?」

「母様実はミューが・・・」


母様は私からミューを受け取ると、ミューの光を上から見たり、横から見たりしている。

私は不安で仕方がなく、ソワソワしてしまう。

しばらく見ていた母様が顔を上げる。


「この子はしばらく預かるわ、あなたが出掛ける前には戻せると思うの、だけどこれだけは教えておくわ、」

「はい。ミューの事宜しくお願いします、それで母様・・・何でしょうか?」


母様は私の傍に来ると、頭を優しく撫でて髪色を元に戻す。自分で掛ける魔法よりも、速く戻った事に驚いていると、私の前髪を上げると、私と同じ色の目尻が下げ、おでこに優しいキスをする、その時に脳裏にどこかの風景だろうか奥に湖が見える・・・。


「フフッ・・・ごめんなさいね、またして貰って」

「母様?!いいえ・・・でもさっきのは?」


母様は優しく笑うと、光に戻りながら消えていく、


「トゥカーナ・・・その場所を覚えていてね、帝国に行っても、その場所へは行ってはダメよ、あの呪文が完成してしまったから・・・。」

「えっ!?」


光の柱と一緒に母様も居ない。私は振り返りアウラを見る。


「アウラ様どうしましょう?」

「カーナあの場所の詳細教えてくれる?」


私達の慌てた様子を見たケーティは私達の前に来ると、カーテシーをして宣言をする。


「王太子様、トゥカーナ様、今回の事は私の命が危険に晒されても口外はしません。その代わりお願いがあるのです・・・」


ケーティは母様が落とした羽根を1枚、ハンカチの上に乗せ手に持っていた。


「とても綺麗な天使様の羽根を下さい。宝物にしたいのです。」


敬しく手に持つその姿は、とても神秘的に見え、そのまま祈りを捧げれば、精霊がそれに答えてくれそうにも見える。


「母様は細かい事を、気にしない人だと思います。ケーティ先輩の様に、羽根を大事に扱う人なら」


「ありがとうございます。王太子様、トゥカーナ様、私はこれで失礼します。」


ケーティはゆっくりと歩いてその場を去り、私とアウラは、さっきの光景を忘れない内に、また王城へと逆戻りした。


お読みいただきありがとうございます。

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