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「・・・・・・きて」
「・・・きて!」
「起きなさい!」
「ひゃ!!起きます!ごめんなさい。」
飛び起きてキョロキョロと見回し、誰もいない事に胸を撫で下ろす。上掛けも無いが下を見ると布団さえ無い、私は思いっきり地べたで寝ていた様で、そのせいなのかあちこち痛い気がする。
お母さんに怒られながら起こされた。そんなやり方で目が覚めて、まだ眠い目を擦る
周りを見渡し思う、私はまた白い世界にいる。背中から涼しげな風が来て、そちらを見ると、
鳥が飛ぶ前にパタパタと、自らの翼を動かしている2枚の大きな翼がある、そして考える・・・。ここはアルゲディ様の夢?
ロックな悪魔様が、フハハハハ!私を呼んだのは誰だ!と魔法陣辺りから出たいが、そんな事している場合でもない。
「私をここに呼んだのは誰?」
「私よ!」
白い世界一面に眩しく光ると、羽根が生えた女の人、その顔はとても綺麗で、瞳は大きな翠色、プラチナブロンドの髪は長くストレート、毛先にはまさかのお嬢様巻き、精霊界の流行り?それとも・・・。精霊界の悪役令嬢とか?私が色々と妄想している間に、精霊は、アルゲディ久しぶりねと、とても嬉しそうに微笑んでいる。前世では妖精はこんな姿見だと言われる様な姿で現れた。
「久しぶりね私の事覚えてる?」
「いいえ・・・覚えてないです。」
もうー!酷いわ!とほっぺを膨らまして怒っている精霊を見て、不思議と懐かしい気持ちになる。そうそう妹も昔よくこんな風に、よく怒っていた。
「私はあなたに!怒っているのよ!もう!心配させないで!」
「すいません・・・。」
私はなぜか怒られている、前世での習慣でつい謝っている。謝りながら私は、気持ちに納得が出来ないまま精霊の話しは続く、
「あの名前!アウストよ!きっちり忘れた?」
「え?!今それ言うのですか?名前思いっきり言っちゃってますよ?!」
私は盛大に突っ込みを入れる!忘れては無いが、頭の奥に仕舞っていたのに、精霊が私の記憶から引きずり出したよ!
あれ?そうか!と自分で自身の頭をコツンと叩いて、ゴメンと謝っている、それは可愛いから許せる、という前世での決まり文句・・・毒づいたセリフを吐きそうになるが、グッと抑える
「あなたはだれ?」
「本当に呆れた!私アルゲディの契約精霊だったのよ!ミューよ!まさか忘れてたの?!」
ちなみにここで思い出しても、多分影響無いはずよ!腰に両手を置き、プイと横を向いて怒っている、やらかした事の補足を一応しているので、罪悪感でもあるのだろうか?
「私はなぜ、ここに呼ばれたの?」
「そんなの決まってるじゃない!わ・た・し・と言う精霊がいながら!他の精霊に頼もうなんて!いい度胸よね!」
え?なんですか?それ?精霊が焼きもち?私は今、乙女ゲームの中の人のはずでは?
それに精霊と話せるのはヒロインの特権のはず
「他の精霊への焼きもちですか?」
「な!?なんであなたに焼きもち焼かなきゃいけないのよー!」
ミューはツーンと横向いているが、チラチラとこちらを伺っている。可愛い奴めフフフ・・・
あー。これはもしや、ツンデレってやつかな?妹に最初聞いた時、ツンドラと聞こえた苦い思い出まで出てくる。永久凍土じゃない!まで言われたっけ・・・。
余り本音を言わないのよね?難しい年頃な女の子として、ミューを扱う事にしよう!
「ごめんなさい。本当に覚えてなくて、なぜミューは私にしか声を聞く事が出来ないの?」
「フン!別にいいわ!それに転生しているのだし・・・。他の人が聞こえないのは、それは・・・私があなたにしか聞こえない様にしているからよ!」
わかりなさいよ!とまた怒っているが、聞けば答えてくれるみたい。ドンドン聞きましょう!
「あなたは精霊なのよね?」
「契約精霊って言ったでしょ!!私は他の精霊よりも上位の存在なのよ。だから・・・。色々と助けられるわよ。」
私は心の中でツンデレ精霊と呼ぼうと決める。もう一つ一つの言動がツンツンしていて、たまにデレる所が可愛い。
「ミューはアルゲディ様はミューと契約したと言っていたけど、どうやって契約したの?」
「私が気に入ったのよ。それにあなたのお母様にも頼まれていたの、あなたを宜しくとね・・・と。」
お母様?と聞くと、アルゲディ様のお母様に頼まれてれたと、ツンデレ精霊は胸を張って言うとまた話を続ける。
「あなた知ってるのよね?魂と記憶の解除をされているの」
「はい。でもあの話し関連は余り考えない様にしていました。でも最近またよく夢を見るの、そしてその・・・きっかけが、ミュー?あなたの光みたいなの。」
「えぇ!?私なの?!私はアルゲディに思い出して欲しくて・・・。そうか、結果的にあの名前迄思い出してしまったのね・・・。」
ツンデレ精霊はオロオロしている。
結果的に思い出したのは、あの名前だけで、ミューの事を思い出してもいない。かなり強い想いをアルゲディ様は持っていたのだろう。
アルゲディ様はアルストに恋をした相手かぁ。
「ねえ?ミューはアルスト様の事を知っているの?」
「もちろんよ!だって私はあの二人が契約していた精霊だもの!」
ツンデレ精霊はそこまで言うと、「そろそろ時間だわ!帰る!」と言うと、そのまま光になりスーッと、帰って行く、そのままボーゼンと見送る。
頭の奥で声が聞こえる・・・。
「アルゲディ愛している。この戦争が終わったら結婚しよう」
「嬉しい!私も愛しているわ!アウスト・・・。」
遠い昔に聞いたその声を聞きながら、私は意識を手放した。
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