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書き直ししました。
だけどかなり長くなりました(;´∀`)
モゾモゾと上掛けを目の下まで隠して思い出す。色々と思い出し頭が痛くなって倒れたらしい、私が倒れた後とても大変だったらしい(姉様から聞いた)
物音に気が付いたメイドが倒れた私に気が付き、私をベッドに寝かせ、お嬢様が倒れましたと、慌てて両親に報告しに行き、倒れたと聞いた両親は医師を呼んでくれたらしい。診てもらった結果は風邪だった。
そう言えばこの世界は魔法が使えるのよね・・・。医師は治癒魔法を使ったらしい、魔法見たかった・・・。呪文とかあるのかな?あとあれ作ってみたい!回復する薬!ウヒヒとか言いながら鍋をかき混ぜて作るイメージしかないけど、
ファンタジーの世界は不思議で満ちている、
これはミユキの言葉だった、ミユキや・・・お姉ちゃんもそう思うよ・・・。(なんだか空から見守るおばあちゃんみたいな感じだね。)
侍女は私のおでこと頬に手を当て熱を見る、手は冷たくて気持ちいい、異世界とはいえ、どこの世界も熱が出るとそこに手を当てるんだね。私がクスクスと笑うと、侍女は眉を下げ困った様に見る、
「お嬢様また熱が上がりますよ。」
「大丈夫だよ、ロッテは心配症だよね」
「私はあなたの侍女です。小さなお嬢様が溺れ熱が出た後ですし、無理をしてまた熱が出たではありませんか、2度目ですよ心配にもなります。やはり後3日・・・いえ・・・あと1週間程ベッドで・・・」
「い・・・1週間?今でも少し体動かすの大変なのに、絶対体おかしくなっちゃうよ・・・。」
1週間と言われた私は慌てて首を横に振ると、ロッテは困った顔から心配顔に変わる、ベッドに寝ている私を抱き上げ、ベッド脇に座らせ、身体を拭くため夜着を丁寧に脱がす。
今着ているのは小さなボタンが4つ着いたピンク色のワンピース型の夜着で、所々にリボンの飾りが着いていて可愛い、もちろん生地は厚い、前世では体験出来なかった気分至れり尽くせりを経験する。素晴らしい・・・。
「お嬢様、寒くはないですか?夜は冷えますから。」
「大丈夫だよこの部屋は暖かいから、ありがとう」
ロッテは私の専属の侍女で、茶色の髪色と茶色の瞳をしている、前世には沢山居た色なので、ロッテの髪色や瞳の色はとても落ち着く、歳は15歳です。と前に教えてもらったらしいロッテの歳の事を考えたら思い出した。私よりも10歳年上のお姉さん、家族全員がイプシロン家で侍女をしている、ロッテのお母さんは、お母様の専属侍女、お姉さんはお姉様の専属の侍女をしている、
お母様の話だと、子供の頃から一緒にいたの、とても頼りにしているのよ、そう言っていた。
ロッテは温かいタオルで私の身体を丁寧に拭き上げられ、私はあれよあれよと黄色い夜着を着せられると、ふかふかのベッドに入れられた。上掛けをそっと掛けられると、おふとんがポカポカと温かくてまた眠ってしまった。
◆
次の日に熱は下がったが、外出は家族の反対で控えた(特に姉様とお父様は猛反対していた。心配症のロッテも姉様とお父様の意見に賛成らしい)。部屋で軽めの朝食を取ったあと、美味しい紅茶を飲む、窓の外を見たりしてとても暇な時間を過ごした。ベッドでゴロゴロするのは正直暇だ。
朝食後には兄様や姉様がお見舞いには来てくれた事で、寝たままでは悪いからと、私がベッドから出ようとすると、姉様に肩を押され寝かされる。兄様と姉様に最近何をしているのか、兄様は剣の稽古の話、姉様はお茶会の話等を聞いて過ごす。聞けば聞くほど動ける兄様と姉様が羨ましい、剣は重そうだし、お茶会は女の園の香りがプンプンする。私もお茶会をする様になるらしい、姉様にそう言われたが、正直不安しかない、その時は姉様と一緒に参加したいとお願いしてみた。
「もちろん!ずっーと一緒よ!」
「ありがとうございますお姉様。」
ズッ友みたいな言葉と共に、姉様に両手をギュと握り締められじっと見つめられる、美人の子供はまた美人なんだよね。段々恥ずかしくなってきた頃、兄様の咳払いで姉様はやっと手を離してくれた。姉様は兄様をチラリと見て小さくため息をついた。
「ペルセイお兄様いらっしゃいましたのね。」
「・・・お前暴走しすぎだろ?ちょっとは落ち着けよ、最近特に酷いぞ」
私は驚いて姉様をマジマジと見る、姉様その歳でボケたのですか?先ぽど兄様と一緒に来たじゃないですか?と眉を顰めようとしたら、姉様は私を優しく抱きしめ頭を撫でる、その手は優しくほのかに花の香りがする、いい香りで私の頭は少しほんわかしてしまいそうになる、姉様は私の肩越しで兄様と話をする。
「こんな可愛い妹が倒れたなんて聞いて、正気でいる方がおかしいのです!お兄様は心配ではないのですか?」
「心配してない訳じゃないんだ、ボレアリスとお父様が心配し過ぎなんだ!」
兄様の言葉に同意しつつ、心配を掛けてしまった事に罪悪感を感じてしまう、姉様は私を優しくベッドに寝かせようとしたが、口論になる前に止めなければ喧嘩になってしまう、私は兄様達をみて困った顔をして、姉様に抱き着いた。これが一番効果がありそう、
「お兄様お姉様、喧嘩しちゃダメです。」
「「ごめん」」
兄様と姉様2人で頭を下げる、私はニッコリと笑い首をゆるゆると横に振る、前世の家族は仲良かったから、喧嘩して欲しくなかったんだ。家族は仲良しがいい、
「またお昼に来るわ、寂しかったらすぐに呼ぶのよ、ロッテ何かあったらすぐにお医者様を呼んでね。」
「かしこまりました。ボレアリスお嬢様」
「僕も来るよトゥカーナ」
「ありがとうございます。お兄様お姉様」
兄様達は私の頭を優しく撫でて部屋から出ていく、兄様は今から剣の稽古、姉様は勉強するらしい、私は特に何もすることは無い、寂しく思いながら兄様達の背中に手を振った。
私は基本話を聞くだけだし、体力も使わないから、ベッドから下りる必要も無い、兄様達が帰った後は暇になってしまった。
ほぼベッドから降りられなくて、時間を持て余してしまう、
前に姉様が読んでくれた本を読もうと手に持っても読めない・・・。ロッテに読んで貰う事も出来るけど、忙しそうな侍女の手を止めたく無い、だけど暇で仕方がないから、ロッテから描くものを貰って絵を書いてみる事にした。前世では残念過ぎる絵と言われたが、今世はどうだろ?
老後は猫を膝の上に乗せて暮らしたいから、絵にするのは猫なんだけど・・・見えるかな?
丁寧に猫をかいていくが、ちょっと全体にたてがみが生えたライオンに見えなくもない、だ・・・大丈夫!うん!猫に見える!
キョロキョロと見てくれる人を探す。(まぁこの部屋には今ロッテしかいないんだけどね)
「ロッテ来てくれない?」
「お嬢様どうされました?」
茶器を片付けていたロッテを呼ぶと、持ち上げた茶器をテーブルに置き、ニコニコと私の所に来る、可愛いらしい笑顔で来るので妹と同じに見てしまう、私も嬉しくてニコニコと笑う、
「ねえ見て!私の自信作なの!ロッテこの絵何に見える?」
「まぁ!お嬢様何を書いたのですか?」
「さっきロッテから貰った道具で動物を書いてみたの」
じゃじゃーん!と絵を広げ自慢げに見せる、もしかしたらわかるのかもしれない、ちなみにこの世界に猫はいる、同じ名前なんだけど、前世の猫よりもカラフルで少し大きいサイズだった。絵の猫は絵の具も無いから黒一色で地味だけど、私なりによく出来たと思う、
だけどロッテは首を傾げ頬に手を当て「うーん・・・」と考える、
「動物ですか?・・・足が沢山ありますね、」
「当ててみて!」
動物と聞いたロッテはとても驚いた顔をすると、とても難しい顔をして首を傾げる、沢山あると言われた足は4本しか書いてないんだけどな・・・なんだか嫌な予感はする、
しばらく考えたロッテは降参だと首を振るので、私は「猫だよ」と正解を言うとかなり驚いた顔をした。
「猫ですか?猫は4本足ですよね?頭を中心に身体中に足が・・・お嬢様・・・申し上げにくいのですが、8本ある猫にはいません、その・・・猫には見えません。
・・・はっ?!まさか熱でうなされた影響で・・・猫も違うものに見える・・・だから足8本!」
凄く残念な方向にいってしまった話を、強引に修正し終わらせる、私の絵は前世も今世も同じらしい、苦笑いしながら首を横に振る、
「あ・・・やっぱり見えないよね、ロッテ熱でそう見えた訳じゃないんだ、それにこれ、もじゃもじゃしてるの猫の手じゃないの、」
「大丈夫です!お嬢様が猫といったら猫です!」
「ありがとうロッテ、次は上手にかけると思うんだ・・・多分ね。」
ロッテに慰めて貰い、わからないのは仕方がないと諦める、
その日の午後、昼食はベッドから出たいとわがままを言い、描いた絵をそのまま枕元に置いてしまった。昼食後兄様達は約束通り私の部屋に来てくれたが、姉様は私がソファで座っているのを見ると、両手を腰に当て頬を膨らませる、何をしても可愛いので視線が定まらない、
「まぁ!トゥカーナ寝てなきゃダメじゃない。さぁベッドに行きましょう、」
「お姉様、だ・・・大丈夫です。寝てばかりじゃ・・・」
「また倒れたら大変だもの、ほらベッドに行きましょう」
昼食後すぐに来た姉様に背中を押されベッドに連れられる、
唖然とした顔でベッドの上の絵を見る兄様と目が合ってしまい、私の顔を見て吹き出さないのは偉いと思ってしまう程、頬と口元はプルプルしてる、
「お兄様それは・・・私の絵です」
しかし限界だったのだろう、私が声を掛けるといきなり吹き出し笑い出した。
兄様を見て怒った姉様は、ドカドカ兄様に近くと、まだプルプル震える兄様の手から絵を取り、私に返す時に私の絵を見て、まぁ素敵な絵ね!と丁寧にシワを伸ばし私に返してくれた。
優しい姉様だけは私の絵をとても素敵だと褒めてくれた。その気持ちが嬉しいよ姉様、
その頃になると兄様も笑いが収まったのか涙目を拭きながら私達を交互に見る、姉様は咎める様に兄様を見る、
「ペルセイお兄様!トゥカーナの素敵な絵を侮辱するなんて!」
「じゃあさボレアリス、この絵何に見える?せーので一緒に答えよう。いいか?」
兄様と姉様はせーので答える。
「もちろん猫よ」「海の魔物!」
「お姉様正解です。」
姉様エスパーか何かですか?私の絵を魔物と言った兄様に睨みをきかせると、姉様は上手にかけた兄様の絵を破ろうとしたが、私は姉様を全力で止める。
「落ち着いて下さいお姉様。」
「ブーッハッハハハハ・・・お腹苦しい・・・トゥカーナごめん、トクパスって名前の魔物にしか見えない、」
「トクパスってなんですか?怖い魔物なのです?」
「海にいる魔物だよ、足が沢山あってウネウネしているらしい、気持ち悪いんだ。」
「うねうね?ですか?」
兄様は手と足をクネクネさせる、それを連想させるのはタコかイカみたいなものかな?美味しいのかな・・・。
私が違う所に思いを馳せていると、兄様は何を思ったのか筆記用具をロッテから貰い、その場でサラサラと猫をかいた、しっぽをピンと伸ばした凛々しい猫の絵と、私の絵と比べてまた肩を震わせながら話す。
「じ・・・時間ある時に、これを真似て書いてみれば猫には見えるんじゃないか?」
「見本ですね!ありがとうございますお兄様!またかいたら見てくださいね。」
「いいよ、上達すると・・・い・・・いいな」
また笑いだした兄様を私はジト目で見てしまう、見本を見て絵をかけと言われたが、それにしても見本の兄様の絵がとても上手すぎる、私が兄様の絵が欲しいと言うと、こんな適当な絵で良いのか?と言われた程だ。適当でこの出来栄え・・・。私の絵は何なんだろうと疑問に思いつつ、お礼を言う、
兄様を見て話していた私の両手がフワリと暖かくなる、その手の先にいたのは姉様で、真剣な目で私を見て両手を握りしめていた。私はよくわからなくてキョトンとしてしまう、
「トゥカーナ私の絵も要りますよね?交換しましょう!そうしましょう!」
「お姉様も書いてくれるのですか?ありがとうございます。私、絵をかくの初めてで上手にかけなくて、」
「・・・初めてトゥカーナが描いた猫の絵、これは一生の宝物よ」
いやいや兄様にタコみたいと言われた絵を貰ってくれる事が奇跡だよ。姉様、
不公平が出てはいけないので、いらないだろうけど一応聞く、まぁ聞くだけならタダだからね。
「あの・・・お兄様、私の絵欲しいです?」
「気持ちだけもらっておくよ。トゥカーナの美的センスと僕の感覚は違うらしいから」
「そうですか」
そりゃそうか・・・。兄様は姉様が持つ絵を見てまた笑い、姉様は宝物を持つ様に大事に胸に抱いて部屋を出ていった。
その夜少し早めに帰ってきたお母様とお父様もお見舞いに来てくれた。
2人は部屋にはいるなりニコニコしながら猫の絵を書いてくれた。聞くと兄様から聞いたらしい、もちろん今後の事もあるから大事に飾ってあるよ。
なんで上手かけるんだろ?不思議過ぎる・・・。
私の絵(姉様にあげたから無い)を除いた超上手い家族全員分の猫の絵、小さな額縁に入った家族がかいた絵を見て私の心が叫びたくなった。ふと、ミユキが言っていた言葉が蘇る。
「家族全員絵が上手いなんて理不尽過ぎるー!チート能力欲しい!」
寝たきり生活を嫌だという程過ごした。もうあんな生活はしたくないが、今回わかった事がある。
「私の絵は見せない方がいい、なぜなら自分が絶望するから」
トゥカーナ心の俳句、さて寝るか・・・。
ロッテにおやすみの挨拶してから寝る。おふとん温かい、精神的な疲れ(自分の絵の画伯ぶりで)もあったのかぐっすり寝られました。
◆
熱が下がって2日、やっと昨日家族(お父様)から外出許可が出た、ロッテはまだ体調が良くないのでは?と心配してくれているが、寝ている方が身体には良くない、体力作りをする為、動きやすいドレスを用意して貰う。
ロッテは私を甘やかすのが好きなのか、私の髪を丁寧に梳いてくれたり、湯浴みを手伝ってくれたり、着替えを手伝ってくれたり・・・、今世の記憶を辿ると、確かに毎回ロッテに着替えさせて貰っていた。
「ロッテ私、1人でお着替えも出来るし湯浴みも出来る・・・のよ?」
私は自分の事は自分でしたいだけだったが、ロッテには違うように聞こえたらしい、とても驚いた様に目を大きく開き、途端に泣きそうな様な顔をした。
「そんな・・・お嬢様は私の事・・・不要なのですか?」
「そんな事ないよ!いつも助かってるよ!ボタンだって手が小さいから手間取っちゃう!ロッテが居てくれるから助かってるの!」
私は焦る自分でできる事はやると言っただけなのに・・・、アワアワ慌て言い訳を言ってしまう、ロッテは俯いた顔を上げると可愛くペロっと小さく舌をだした。私は驚き過ぎて時間が止まってしまう、
「冗談ですよお嬢様。私は例えお嬢様が着いて来ないでと言われても、どこまででも着いて行きます。」
「アハハハ・・・ありがとうロッテ。お腹空いちゃった。」
「準備できました。行きましょお嬢様」
ロッテとお父様達が居るリビングへと降りる、お父様がお城で働いているから、私の風邪を誰かにうつしたくなくて、1人でご飯してたんだけど、代わる代わるお見舞いに来るから、風邪をうつすも何も無かった気がする、まぁ魔法のある世界だから、ペっと治せるのかもしれないけど、そこら辺は気にせずに家族全員に挨拶して席に着く、感極まった様に私を見るお父様と姉様には苦笑いしかでないけど、
今日の朝ごはんは、
スクランブルエッグと厚切りベーコン
大麦のパン、新鮮野菜のサラダ
果汁を絞ったジュース、
お父様とはここでコミニケーションを取らないと、昨日は特別速かったけど、いつも夜遅く帰ってくるお父様とは喋れない(昨日は特別速く帰れたらしい)、お城勤めはとても大変だと思う、お母様もお仕事大変そうだし、夜も遅い時がある、
子供を3人も産んだと思えない程お母様は相変わらず綺麗で、微笑めば聖母の様にさえ見える、お父様は家族全員揃った事を確認すると、私をじっと見る、お父様はイケメンオーラ全開で、軽く微笑まれると正直照れる、少し挙動不審なのは許して欲しい、
「やっと全員揃ったな、トゥカーナ体調はどうだ?体調悪いなら寝ていても良いんだよ、」
「お父様ご心配かけました。でもあれ以上寝ていたら身体がおかしくなってしまいます。今日から少しづつ、寝て落ちた体力をつける為に散歩しようと思います。」
私が散歩したいと言っただけで、家族全員笑顔が固まった。まだ熱が出た事を心配されているらしい、
「必ず、必ず誰かと一緒にいるように、ボレアリス頼めるかな?」
「当然ですお父様、フフッ・・・トゥカーナの横は私の場所ですもの。」
「屋敷の中で散歩しないか?トゥカーナ」
「もう大丈夫ですお父様、熱は下がりましたから、庭に出て新鮮な空気を吸いたいんです。」
大事な事は2回言うのかな?姉様は1人で機嫌良さげに微笑んでいる、
もしかしたら貴族は1人で外出も出来ないのかもしれない、不便すぎる・・・。
お母様は眉を下げ私を見る、壁際にいたアーロンを呼び寄せ耳元で何かを頼む、私には何を言っているのか余り聞こえなかった。
「そうね・・・。アーロン庭師にあれを頼んでおいてちょうだい、」
「かしこまりました。奥様」
アーロンは綺麗に礼をして外へ行く、私は曖昧に聞こえた言葉を頭の中で考えてみる、庭師に頼む?お花でも持ってきて貰うんだろうか?私の家族はみんな心配性だな、前世でも暖かい時期に風邪引く事はあったから、私自体は心配してないけど、心配してくれる事が嬉しいのも事実、ニヤニヤし過ぎて緩みそうな頬を両手で挟む、
でも私の話ばかりなので、話を変えたい所だから何かないかと家族を見る、兄様と目が合ったので微笑み返しておく、そうだ学園に通う前に必ず教会に行って魔力検査する事を思い出した。兄様は3日後のはずだ。
「あ・・・あの!お兄様お願いがあるのですが…教会に行かれると聞きました。私も見学が出来るのなら行ってみたいです」
「トゥカーナ魔力検査の見学は出来ないんだ、それに魔力量の検査もするから余り大っぴらにしないんだ、魔力は両親の属性が偏るから似てるんじゃないか?トゥカーナやボレアリスも似てると思うよ、精霊が力を貸してくれれば魔力量にあった力を貸してくれるよ、」
「そうなんですね!精霊がいるんですね?見てみたい!」
私が疑問に思った事をお姉様が丁寧に教会について話しをしてくれた。
「火、水、土、風、聖(光)、闇、6属性と後はお兄様が言っていた精霊ね。教会の役割は教会は色々な魔術が使える人が居るの、大きな怪我したり、人には言えない悩みを聞いて貰ったり、冠婚葬祭で色々と出来るの。産まれて数ヶ月経つとお清めの儀式もあるのよ。懐かしいわトゥカーナの時は・・・」
「ボレアリス。」
教会の事を聞いていたが、私のお清めの儀式の話になると、お父様が慌てて姉様に声を掛けた。姉様大きな目を見開き両手で口元を隠す。
「ごめんなさいお父様、トゥカーナのお清めの時は余り覚えてないの、私も小さかったからね。」
「いいえ姉様、私が産まれた時5歳だったのでしょ?仕方が無いと思います。私もお清めの儀式見たかったなぁ。」
私が無邪気に話すのを見て、お父様と姉様はほっとしたらしい、姉様はお父様に両手を合わせていた。
お母様は頬に手を当て微笑み私を呼ぶ、
「大丈夫よー!精霊様は近くできちんとお話を聞いています。良い行いをして良い子にしていれば力を貸してくれます。」
「お母様!簡単に言わないで下さい!それが出来ないから皆苦労しているのです。精霊の力を借りられる人は、ひと握りの人なのですから、」
「ひと握りなんですね?精霊様から力を借りられる様に私頑張ります。」
昔のテレビ番組で良い子、悪い子、普通の子、なんてのがあったらしいけど、このネタ古いって良く言われてたわ。まぁ前世でのお母さんが良くこのネタで遊んでいたから知っていたのだけど、悪役令嬢トゥカーナ、ヒロインを虐めないとここに誓います。(虐めないけどね。)