第一話
漸く1話部分が完成しました。
書くのは難しいですね...
世界は、文明社会は滅んだ。
しかし“人が居なくなった”わけではない。
そして“人の営み”も変わらず残っていた。
荒野を一台の車が走行している。
荷台には様々な物資が所狭しと積み込まれ、
その重量の為、悪路を四苦八苦しながら進んでいる、
と言った方が表現が正確ではあるが。
それに“荒野”と一口に言っても
そこらしかに廃屋や朽ちた小さな商業ビルの残骸など、
嘗ての繁栄を偲ばせるものは多数残っている。
第三次世界大戦の戦火の爪痕である。
そんなご時世を反映するがごとく、
そこを走る車にも平時では見られない物が付いている。
【7.7mm機関銃】
汎用輸送用軽自動車(*1)の運転席周りのフレームを強化し、
強化された天板の上に装備されたソレは最弱ではあるが、
必要最低限の抑止力、または戦闘力として鈍い光を放っていた。
そんな車を運転するのは【ノン】
銃座に居るのが【デモッチ】
彼らがこの物語の主人公達である。
「監視用の前哨まで、あとどのくらいだ?」
伝声管を通して運転席に問い掛ける。
「大体2~3kmってとこだな」
同様に伝声菅を通して銃座へと伝える。
「そうか、あとちょっとだ... ノン、止まれ」
そう言われ、車を急停止させる。
「砂丘の向こう側 2時方向に無人偵察用ドローン
恐らく解放軍タイプ、数は1」
「他に敵影は?」
「他に敵影無し、どうする?」
「仕留めれるか?」
「この距離なら問題ない」
「じゃ、やってくれ 上手くいけば、ガレージのおやっさんに良い土産ができる」
デモッチはAK-49(*2)を肩掛けして、銃座から飛び降り砂丘の頂から銃を構える。
対する偵察用ドローンはあてなくフヨフヨと浮揚している。
バスッ
乾いた音と残し、AK-49から7.7mm機銃弾が発射され目標へと向かう。
短い飛翔距離を得て偵察用ドローン(飛翔用ローターが4個のタイプ)の
一つのローターに見事命中し、バランスを崩したドローンは墜落した。
慎重に周辺警戒をしつつ、
後続の偵察用ドローンが現れないかを確認する。
たまに偵察用ドローンを撃墜した為に、
後続の偵察用ドローンが現れ戦闘信号を出し、戦闘用ドローンが次々と現れた事例があるからだ。
どうやら今回ははぐれドローンの様だ。
無事に戦利品を回収し、
当初の目的である監視用の前哨へと車を進める。
戦争の影響で工業力や科学力が極端に落ちたこのご時世に於いて、
例え簡易生産型の偵察用ドローンと言えども、
分解すれば高性能バッテリーや小型モーター、精度の高い歯車などになる。
それらを用いて、人々は今まで生を紡いできたのであった。
それからの目的地までの道のりは特段のトラブルもなく、無事に到着。
積んできた補給物資を降ろして受領証を受取。
一路、二人の拠点とする街へと走り始める。
(*1)「汎用輸送軽自動車」
ようは軽トラの事である(カッコヨクカイタダケ)
物語で出て来た軽トラは、
運転席の天板に7.7mm機銃を装備する為に改造を施してある。
運転席周りのフレームを外部から補強し、天板に銃架を設置したものである。
また増えた重量に対応する為に足回りの補強や高馬力エンジンへの交換などがされている。
(*2)AK-49
架空の自動小銃。
名銃であるAK-47の非ライセンス品。
7.7mm機銃の実包と無理矢理互換性を持たしている。
(という設定)
1話部分は以上となります。