導入
第三次世界大戦。
新秩序を標榜する遅れて来た帝国主義陣営とその衛星国家群と、
世界の秩序の守護を標榜する覇権国家とその同盟国陣営の対立は、
最終的に世界大戦の勝者を以て答えと為す、となった。
豊富を通り越して過剰な人口を抱える前者(帝国主義国家陣営)に対し、
世界最高峰を自他ともに認める後者(覇権国家側)の戦闘は鎧袖一触かに見えた。
当初は装備に勝る覇権国家側が優勢であったが、
帝国主義陣営の戦略(人命無視の人海戦術)の前に覇権国家は苦戦を強いられていた。
人的損害を無視できない覇権国家側は画期的な無人兵器群を戦場に投入。
対する帝国主義陣営も性能は兎も角としての大量の無人兵器群を戦場に投入し、
戦局は一進一退となった。
戦局が動いたのは、
帝国主義陣営の次の一手から始まった。
彼らがばら撒いた新兵器「Dウィルス」
これは電子機器を狂わすコンピューターウィルスの一種であり、
開発に成功したばかりのナノマシンであった。
当初は帝国主義陣営のもくろみ通りに、
覇権国家陣営の無人兵器や通常兵器の電子機器を狂わせ
戦局は帝国主義陣営の有利に進むように思われた。
しかし、世界崩壊の序曲はこの時に始まっていたのだった...
開発に成功とは名ばかりの試作段階にあったナノマシンの兵器としての投入は時期尚早であり、
覇権国家側の兵器だけでなく、帝国主義陣営の兵器まで侵食しはじめた。
通常のウィルスと同等の能力を持つDウィルスは自己増殖と自己進化を繰り返し、
兵器に搭載された電子機器だけでなく、
世界中のありとあらゆる電子機器を汚染し、暴走させた。
人類にとってさらに運が悪い事は、
AI制御式の機械が生活に深く浸透していたことであった。
特に出生率の低下が危惧されていた先進国ではその比率は大きく、
Dウィルスによる被害が大きかった。
最終的には、
両陣営の戦略コンピューターまでもを狂わせ
核搭載型ICBMを初めとしたミサイルが多数発射され
各国家の主要都市は軒並み壊滅。
残存する帝国主義陣営と覇権国家主義陣営、
そして暴走した無人兵器群との三つ巴の戦いとなり
もはや戦争とは言えない状況にまで事態は泥沼化。
各地で暴動や略奪が多発し、
貧困と疫病がさらに事態を悪化させた。
かくして世界の文明社会は滅んだのであった...
初めての投稿です。
誤字脱字の指摘があればよろしくお願いします。
ダグに有る通り、
あの名作のリスペクトとなります。
(固有名詞の使用は避けてます)
この話は世界観の導入部となります。
1話より主人公たちの活動となります。
2020.04.14 投稿
2020.08.30 改訂