レビューを書こう!ベテラン編+実践
早速だが前回の続き。
3:レビューから作品に飛ぶ確率が高い。
レビューに作品の魅力・アピールポイントが書いてあることが基本。
個人的には、めちゃくちゃ面白いレビュー文を書けば、魅力点などなくとも作品に誘導できるのでは?と思わなくもない。が、アピールポイントはあった方が良いだろう。
正直、万人受けさせようとしなくても良い。万人が好む文章など存在しないからだ。
これは4番とも関連するが、読者層に具体的な絞り方をした方が良い。絞りすぎてもだめだが。
『鳴海酒』さんへのレビューのラスト、『洋楽好きな奴は必見だ』とかね。
4:レビューで興味を持つ人と、その作品の傾向がマッチしている。
まあ、簡単な話で、コメディ要素がないのに笑えるレビューを書いても仕方ないし、コメディ作品に素敵で詩的なレビューを送っても困るというものだ。
そういう意味では、奇をてらわず純粋な紹介文(初心者向けの回で行ったようなもの)はここでミスマッチを発生させることはないという利点がある。もちろん、それが最良という意味ではない。なぜなら、純粋な紹介文はレビューの中では決して目に留まりやすいものではないからだ(2番の率が低い)。
まとめよう。
1:タイトルは40字以内で読者の目を引く
2:内容の先頭の100字以内で読者にレビュー文の続きを読ませたいか、作品を読ませたいと思う
3:作品の魅力・アピールポイントが書かれている
4:どういった読者層にお勧めかを意識して文章が書かれている
5:内容と乖離したレビューにしない
こんなところか。
実例をあげよう。
これらのポイントと、以前書いたレビュー外でのアピールも踏まえて6/12に全力でレビュー書いてきた。
『海村』さんの 『ThebesWorldOnline』だ。この絶対にタイトル見て読もうと思わなそうな作品である。
というか、わたしも最初読めなかったのだ。「てーべ・わーるど・おんらいん」と読んで下さい(以下『てーべ』)。まあ、タイトルこそ微妙と思ってるのだが、実際のとこ読んでみると面白い。作者の『海村』さんにはわたしの作品、『なまこ×どりる』に素晴らしいFAを貰ったこともあり、いつか絶対全力でレビューしようと思っていた作品でもある。
以下『てーべ』の基本情報。ジャンルはVRゲーム(SF)で、現在86部で32万字。挿絵少々あり。レビュー前のブックマークは98件、デイリーPVは最近更新していないこともあり、100程度。
いわゆる底辺作品じゃねーかと思われるかもしれない。だが、レビュアーならわかってくれるだろう。良作というものがそこにどれだけ埋もれていることか。
実際、この作品の感想は76件(ちなみにわたしは書いてません。最近やっと読み終えてレビュー書いているので)と非常に多く、レビューもわたしが書く前にすでに4件書かれていて、そのうちの1件はいわゆる読み専の方のレビューである。読み専の方からレビュー貰うことは本当に難しい。それだけ、読んだ人に刺さる作品である。
まあ、良作が埋もれている理由は主に2つ。1つは先述の通り、タイトルが読めない(死)。もう1つは一般的なVRモノの一般的な読者層にマッチしていない。
詳しく言うと、VRカテゴリはVR(SF)と言いながら、ほとんどハイファンタジー風の世界に入り込んでるだけじゃないかと言いたくなるものが多い。主人公であるゲーマーが人生の大半を過ごしているであろう日常にはほとんど触れず、ゲームと言いながら、溢れるユニークアイテム=チートであるとか、MMOなのにどうしてのんびりプレイしながら最強なのかとか。
全てを否定するわけではない。実際この手の作品でも『新しいゲーム始めました。~使命もないのに最強です?~』とか好きな作品もあるので。
『てーべ』は違う。ゲームと現実世界のリンク。そしてMMOにおいて、多くのゲーマーが目をそらしている事実に、真正面から切り込む作品である。その事実とは?……ネカマだ。
主人公のユージンの前に現れた美少女、マナは自分の中身は男、いわゆるネカマであると告げる。
だが、見た目が美少女、仕草もいかにも女の子らしいマナのことがユージンはどうしても気になって……?
ネカマなら『新しいゲーム始めました。』にも『シャンフロ』にも存在する。だが、それを真正面から扱っている訳ではない(当たり前だが)。そこに、『てーべ』のユニークさはあり、わたしを含め好きな読者はハマるのである。
そこで、こんなレビュー文を用意した。
タイトル
マナちゃんは自称ネカマ!だが超可愛い!仕草も女の子!さあ少年よ!君ならどうする!?
内容
「俺、MMOでハーレムパーティー作ってたんです」
「ふーん、それで?」
「オフ会やることになって、みんな可愛かったし期待してたんです」
「へー(直結厨かよ……)」
「そしたら、みんな男でっ」
「ぷっ」
「全員でニヤニヤ俺を見てるんです……!」
m9(^Д^)プギャーw
MMOの女性キャラ、中の人は9割男!いわゆるネカマ!
ヒロイン、マナちゃんは超可愛い!仕草もいじらしくて超萌える!でも自称ネカマ!
え?こんなに可愛いのに男のハズ無くない?
いや、こんな可愛い子が女の子のハズがない!?
男の娘でもいいじゃない!!
海村先生の描くヒロインに主人公の、そして読者の純情がころころと転がされていきます!
あぁん、でもマナちゃんのイラストも可愛いのん!
でも、最終話でマナちゃんの中身が『純情な少年を弄ぶ、歴戦のネカマオッサン』で感想欄大炎上!にちょっと期待する俺がいる(死)
どうでしょう?酷い文章ですね?
はい、この酷い文章がレビューの上記内容を満たしていると考えて書いています!
これが『小説を読もう』のトップでどのように表示されるかというと、
マナちゃんは自称ネカマ!だが超可愛い!仕草も女
の子!さあ少年よ!君ならどうする!?
「俺、MMOでハーレムパーティー作ってたんです」「ふーん、それで?」「オフ会やることになって、みんな可愛かったし期待してたんです」「へー(直結厨かよ……)」「そしたら、みんな男でっ」「ぷっ」「全員でニヤニヤ俺を見てるんです……!」
m9(^Д^)プギャーwMMOの女性キャラ、中の人は9割男!
レビュー投稿 Gyo¥0-
レビュー作品 ThebesWorldOnline
スマホだとちょうどこうなるようにデザインした文字数である。ちょっと小説とレビューの文字数が異なり、きれいに入らないが、要はm9(^Д^)プギャーwが画面に入るように。
PCだと「全員でニヤニヤ俺を、くらいまで見えるかな。
どう、この文章。気にならない?
MMOやったことあるやつ、興味あるやつなら気になると思うんだよね(読者層の意識)。
タイトルでネカマというネガティブワードと超可愛いと相反する要素を提示して、VRMMOモノだと提示する。
前100字でちょっと面白い、ネトゲあるある的な、しかもざまあ要素まで盛り込む。
で、興味を持って貰い、
ヒロイン、マナちゃんは超可愛い!仕草もいじらしくて超萌える!でも自称ネカマ!
え?こんなに可愛いのに男のハズ無くない?
いや、こんな可愛い子が女の子のハズがない!?
男の娘でもいいじゃない!!
海村先生の描くヒロインに主人公の、そして読者の純情がころころと転がされていきます!
あぁん、でもマナちゃんのイラストも可愛いのん!
である。
これがアピールポイント。わたしが言いたいことは1つ、ヒロインが可愛い1点張り。
ただし、問題がある。ネカマと書いた事だ。ネカマは面白ワードだと思うがネガティブワードでもある。それをポジティブに変えるために文字数を割いている。文末も?→!?→!!と変えているあたりにその意図が見える。
最後はオチ。
でも、最終話でマナちゃんの中身が『純情な少年を弄ぶ、歴戦のネカマオッサン』で感想欄大炎上!にちょっと期待する俺がいる(死)
まあ、絶対ないだろうというオチである。
一応これで、書き出しと末尾で笑いを取り、間でヒロインが可愛いぞ、ちょっと普通のVRMMOモノとは違うぞというイメージをレビューを見た人に持って貰いたい。
どうだろうか?読みたくなるだろうか?これが、わたしの『小説家になろう』新ユーザーインターフェースにおけるレビュー文のテンプレート構成となる。……面倒っ!
いやまあ、素敵な文章でもいいのよ?
タイトルを印象的な言葉、前100字程度で素敵なポエム書いて、真ん中で作品の良いところを書いて、ラストを印象的な言葉で締める。レビューの作風は変わるだろうが、やってることは同じだ。ただしわたしには詩情がないから難しい。
さて、その文章を4時12分に投稿する。以前書いた登校、出勤狙いである。
その日はわたしの気合が通ったか、その後、ほとんどレビューの投稿がなかったんだよね。
11:50までは携帯でのトップにいたし(新着5件)、13:12まではPCでのトップにいた(新着8件)。
そして4時43分に『恩を仇で返す感じのレビュー書きました!』というタイトルで活動報告を上げる。
これも、タイトルでわたしの『友人』を釣るためのタイトルである。わたしが海村さんから、レビューとFAをいただいているのはわたしの『友人』の大半は知っているはずなので、「恩」という言葉が違和感なく入ると考えられる。それを「仇で返す」とはどんなレビューと思わせるのが狙いである。そして、以前いただいた、『なまこ×どりる』のFA2枚を添付し、レビュー先のリンクを貼っておく。
撒き餌と釣り針を用意するあたり、明らかにリアルの釣りと考えが同じである。
もちろん、何人も読みに行ったし、ブクマしたよと報告してくれる『友人』もいた。
で、今回はツイッターも使ってみることにした。14:23につぶやく。
「ThebesWorldOnline」ってゆーね。すばらーなVRMMOの作品があるのですが。ヒロインのマナちゃん可愛い!
わたしはツイッターろくに使ってないのでフォロワー少ないのだが、それでも『小説家になろう(非公式)小説紹介所』さんなどにリツイートされたおかげで広がりはした。
実際、データ添付しているが、本来PV下がるはずの14時台からPVが伸びているのは明らかにこの影響があるはず。ツイッターの影響力が証明されてますね。
以下、6/12のPVの変遷。
それとわたしはちょうど作品を読み終えたところなので、まだ入れていなかった評価点を5:5で入れる。
以上。
これが現状でわたしに出来得る全力レビューである。
もっとこうした方が効果的だというのであれば、ご教授願いたい。
逆に、これを普段のレビューから行うことはできるものではないので悪しからず。海村さんだからここまでしたのよ!(あとエッセイのネタになるから)
追加して言えば、この文章は効果的なレビューがどういうものであるか実例を以って説明したのだが、これを見て『てーべ』に興味を持つ読者が出るのであれば、それもレビューの一部分と言えるかもしれない。
結果としてはブクマが10件は増えて99→110、PVは前日100→1031を記録し(この作品の最多デイリーPVである)、日刊VRで41位まで上がりはした。
レビュー1本でできる応援の限度かな。そこで海村さん、更新でもすればいいのに、わたしにお礼のイラストとか描いてるから……!
せっかくなのでいただいたイラストです。
ぺたり。
『なまこ×どりる』のナタリーちゃん(舞踏会モード)。
かわいい!
次回は纏めと、細々したこと書いて完結ですね。
ThebesWorldOnlineは
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