第7話 二階堂センパイ
「ったく、君はわかっているのか?」
「はいはいわかっているさ」
「だからぁ、二人きりなんだから社長じゃなくて昔みたいにセンパイって言え!」
「二階堂センパイ、これでいいか?センパイ」
俺はセンパイ、もとい社長と馴染みの飲み屋に来ていた。
掘りごたつの個室。
俺達が喋っているアダルトな内容が周囲に聞こえないから丁度良い店だ。
「いいや、君はわかってないな。だから何度も言っているだろう? 甘い顔をするなと」
酒もそれなりに入り、対面から俺の隣に座った社長は半眼で俺に顔を近づける。
ちなみに社長は女性だ。
学生時代からの付き合いだ。
「社長の言っている事はもっともだ。貸し借りってのは、俺のいいわけだな」
「……マネージャーって女だろう?」
元女優からマネージャーに転身したマネージャーだ。
「そうだが?」
「かーっ、貴様はいつもそうだ!女に甘すぎる!」
二階堂は大げさに頭を抱える。
「否定はしないな」
「それなら、もう少し私に甘くしろ!」
「それは断る」
「な、なんでだっ!」
「悪い、前から言っているが残念ながらセンパイは俺の趣味じゃない」
「がーーーーっ!!またそれか!? いつもそれだ!! 私のどこが悪いんだ!!」
顔は可愛いと思う。
可愛いが、残念ながら幼女にしか見えなかった。
一丁前にストッキングに短いスカートにジャケットを着ているがお遊戯会のコスプレだ。
「やっぱり、あれか!?村尾みたいなのがいいのか? 」
「な、なんで村尾が出てくる?」
「なんか最近、君を見る村尾が何かおかしい!今日だって、現場が終わっているのに佐藤と君の帰りが遅いなと言ったら何か苛々しているように見えたくらいだぞ!?」
い、苛々していたのか村尾。
「……まて、マジで佐藤と何かあったんじゃないだろうな?」
ぎくり
一瞬頭に今日を見た佐藤がオムツにオシッコを漏らした姿が脳裏に浮かぶ。
「――何もあるわけがない」
「く、貴様は嘘が下手だ! もう呑んでやるとことん呑んでやるからな!付き合え!!センパイ命令だからな!!」
「あぁ俺も丁度呑みたかったからな付き合うぞセンパイ」
今日は酒でも飲まなければ後輩の女子社員のとんでもない姿を想像してオカズにしてまいそうだ。
俺とセンパイはこの後しこたま呑んだ。
そして酔い潰れたセンパイ自宅まで運ぶ事になったのだった。
続きはまた明日です!




