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テンプレ主人公は偉大だった!?  作者: トクシマ・ザ・スダーチ
テンプレ主人公……になっちゃった!?
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テンプレ主人公の順応力は異常

ボディは高校生、学年は小学生。その名も(ry

 わりとガチな感じでショックを受けて真っ白になった頭のまま、スレイこと俺、鈴木康太郎は会長とエイジャにあれよあれよと連れられて、やってきました剣と魔法のファンタジーが待っているゼルヴィアス学園初等部!


 ……初等部だ!


 さて、肝心の新たなる我がクラスメイトたちはというと、……やれやれ、教室の生徒のほとんどが美少年に美少女と来たもんだ。


 本当に二次元が三次元化した世界ってのはやべぇや。


 今、俺は自分と比べると二回りほど背が低い少年少女たちを前にして教壇に立っている。


 どいつもこいつも子供らしいキラキラした好奇心旺盛な瞳で俺を見ている。


 へへ、ここだけ切り抜いて見れば今日から配属される教師のようじゃあないか。ここだけ切り抜けばな……。


「えー、諸事情によりしばらくこちらでみなさんと授業を受けることになった、スレイ・ベルフォード君です。皆さん、仲良くしてくださいね」


「どうも、ご紹介に預かりました。スレイ・ベルフォードと言います。メガネが好きです。でもメガネの似合う美少女はもっと好きです」


 俺は親しみやすいように笑顔でダブルピースしながらそう言った。


 キッズたちはポカンとしている。


 隣に立ってる先生は一瞬呆けたような表情をしたがすぐに仏頂面になった。これが年の功ってやつですか?


「はい、スレイ君。もう席についてください」


 アルプスの少女に出てくる嫌味なおばさんからメガネを外したような見た目の先生に俺の渾身の自己紹介はにべもなく流された。


 許せねぇ……。ロッテンさんはメガネかけてたからセーフだけどこの先生はダメだ。そのうちメガネをかけさせてやる。


 俺はあらかじめ説明を受けていた席に向かって歩く。ああもう、はいはい見たらわかりますよ。


 初等部用のサイズに調整された机がそこかしこにある教室の中でひときわ異彩を放っているじゃあございませんか。


 あれは高等部用のデカい机だ。あれが俺の机だ。クソほど目立ってる。


 これに俺は今から座って授業を受けるのだ。


 いや小学生から勉強やり直しするテンプレラノベってあるぅ!?


 転生モノは除外な! 俺だってできることなら赤ん坊スタートして俺TUEEEEしたかったよ! どうしてこうなった……。


 テンプレ主人公が受けていい羞恥プレイじゃねーぞ。


 だが負けん! 俺のメンタルをなめてもらっちゃ困るぜ。昨日何回ピンチを乗り越えたと思ってやがる?


 こんな程度の羞恥プレイ、中学の頃に学年上がった頃に置き忘れた中二病ノートを放送部が勝手に給食の放送で全校放送してくれやがったときに比べれば屁でもねぇぜ!


 放送部の野村は一生許さん。


「え、なんで高等部の人がきてるの」


「スレイ……。どこかで聞いたことあるような」


「メガネ?」


「はい、静かに! 1時間目の授業を始めますよ」


 席に着いた俺の耳にはばからないキッズたちの声が入ってきたがすぐにヒステリック気味な声がぴしゃりと響いて授業が始まった。


 おかしいなぁ……。


 今頃ニアやフィーネたちとクラス分けやらクラスメイトとの新たな出会いで色んな因縁を獲得してるはずなのになぁ……。


 なーんで俺ってばキッズに混じって歴史のお勉強をしてるんだ? 


 まぁ、確かに議会とやらの結論のとおり俺にはこの世界の一般常識も何もないわけだし。


 つまりそんな状態で高等部のカリキュラムで勉強したところでついていけないのは想像に難くない。


 極端な例だが小学生に上がりたての子供をいきなり高校に通わせるのとほとんど変わらない状態だしな。


 書面の内容を見るに最低限の一般常識が身に付いたところで高等部に戻れるとも書いてあるし、ずっと初等部に閉じ込められるわけでもないらしい。


 一応ガワは実技試験一位のスレイだからな。学園側もさっさと俺を使い物になるようにしたいんだろう。


 でも中身は戦闘とか無縁の世界から導かれた一般男性なんですがね! 使い物になるのはいつになるでしょうね!


 しかしヒロインズの側にいないと何かと不都合が生じる可能性はある。早いところ高等部に上がらなきゃだな。


 ファイトだよっ! 俺ぇ!


「あ、お隣りさん、教科書見せて? お兄さん君らの教科書一冊も持ってないのよ」


「いいよお」


 ふんわりとした雰囲気の少女が高さの合わない机に四苦八苦しながら教科書を広げてくれる。


 やだラブリー。天使じゃん。悪くねぇな初等部。


「ありがとう。ところで君、視力良い方? お兄さん君に似合いそうなメガネに心当たりがあるんだけど」


「めがね?」


「そこっ! 授業中に私語は慎みなさい!」


 おっと、口説いてる場合じゃない。勉強しなきゃな。うん。


☆☆☆


「きりーつ、れー、ちゃくせーき」


 一時間目が終わって、かわいらしい級長の少女の号令が終わると好奇心旺盛なキッズたちは俺の机へと走り込んできた。


 これはあれだな? ラノベやら漫画やらで見かける転校生イベントの亜種だな?


 ……高校生が小学生の教室に転校してくるパターンはちょっと知らないけど。


 ふふん、なんでも聞くが良いわ。


 授業中に隣のぽわぽわ少女をこっそり愛でてすでにメンタルを回復しきった俺に死角はない。


 授業内容? うんうん、聞いてた聞いてた。


「なーなー、なんで高等部の人が授業受けに来てんの?」


「記憶喪失だからだ。格好よかろ?」


「記憶喪失!? すっげー! どんな気分?」


「何やっても新鮮で楽しいかな。ピンチもあるけどそこは知恵と勇気だ!」


「ほーん。で、メガネってなんのこと?」


「おっとその質問は諸君らの休み時間を一か月分貰っても語り切れないがよろしいか?」


「彼女いる?」


「今はいない。募集中」


「彼氏は?」


「いない。今のところ募集もしてない」


「おにーさんなのに、ぼくたちよりあたまわるいの?」


「多分そうだな。……今言ったやつ誰だ? 『かしこさ』のかわりにおにーさんが『ちからのつよさ』をみせてさしあげようじゃないか」


 俺がこまっしゃくれた少年を追いかけまわし始めると大げさに叫びながら逃げ始めたそれに同調するように周囲の子供たちも騒ぎ始める。


 子供の歩幅に合わせて走るくらいなら支障ないくらいにはこのスレイの体は鈴木康太郎に馴染みつつある。


 少年を捕まえてそのまま高い高いしながら回転すると他のキッズたちも「ぼくも!」「わたしも!」とせがんできたので声の上がる順に持ち上げて三回まわして降ろすを機械的に繰り返す。


 するととますますにぎやかになってきやがった。おかわりをせがむ欲張りさんも現れる。


 ……やばい、予想外に楽しい。


 俺ってばひょっとして教師、というか保父適性あるんじゃない? 日本に帰ったら進路考えてみようかな。


 帰れたらな……!


「うるさいですよ! 2時間目はもう始まってます」


 楽しくやかましい時間は偽マイヤーさんが教室に来るまで続いた。

 

☆☆☆


「とまぁ、そんなこんなで意外に悪くなかったぜ」


「一日で初等部に馴染みすぎじゃない!?」


「今のスレイの精神年齢ってどうなってるのよ」


「でも弟君も記憶を失う前でも結構順応性高いところはあったと思うよ」


 初等部でできたかわいいお友達とじゃれながら初等部寮に送って行った帰り道に、待ち伏せしていたのか偶然なのかは知らないがニア、フィーネ、ネーシャのテンプレヒロインズと出会ったので一緒に帰ることになった。


「とりあえず算数、というか数学はどうも高等部レベルでも通用するらしい。国語も字が汚い以外はおおむね支障ないってさ」


 本日の授業は歴史、算数、国語、精霊学、社会科の五科目だった。


 懸念材料の文字が書けるか、は書けたので問題はない。


 ……けどスレイの感覚と俺が日本で培ったクセが混じってるせいかなんか文字が妙ちくりんな感じになっている。


 先生曰く一応問題ないレベルなのでセーフらしい。


 算数と国語以外はすべて初見レベル、というか初見だったので今後不定期に行われる特別試験の出来次第でテストのレベルを段階的に上げていく形になるらしい。


 ちなみに俺は今、初等部四学年にお世話になっている。


 ここで様子を見てダメそうだったらさらに三学年、二学年、一学年、と下げる予定だったらしい。


 順当と言えばそうなんだけどスレイの感情をだれも加味してくれなかったんですかね!?


 もし学年下がったりしたら多分オリジナルのスレイだとメンタルもたないと思うんですよ。


 日本の自分に置き換えると俺でも辛い。


「んで、今後は算数と国語の時間は手の空いてる教員に残りの教科と一般常識についてみっちり教育を詰め込んでくれるってさ。ありがたくて涙が出るね」


 両手でしくしく泣きマネをすると三人はクスクス笑いだす。うーん、美少女が集まると何やっても画になるなぁ。


「あはは、お姉ちゃんとしては早く高等部に上がってきてほしいなぁ。校舎で弟君と一緒にお昼食べたりしたいし」


「あ、そうよ。あんた今は初等部生なんだからあたしは先輩ってことになるじゃない。ちゃんと敬語使ってよね。ねぇ、ニア君」


「ええ? ぼ、僕はルームメイトだし、そんなに気を使われるのなんかやだなぁ」


「おう、わかったぜフィーネ。あ、ニア先輩カバン重くないですか? 持ちますよ」


「あたしへの態度が先輩を敬うそれじゃなくない!? あたしもフィーネ先輩って呼びなさいよ!」


「ニア先輩、ニア、……先輩。あ、あれ? なんかスレイに先輩って呼ばれるとにやけちゃうな。どうしてだろ」


「弟君、弟君。お姉ちゃんはお姉ちゃんでいいからね!」


「ねーちゃーん!」


「弟くーん!」


 俺は傾いた太陽をバックに、にやけるニア先輩とプリプリ怒るフィーネを横目に甘々な姉とがっちりハグをする。


 すっごいテンプレラノベしてる気がする。


 およ? 今朝はどうなるかと思ったけど意外にいい一日になったな!

子供からやり直したい層は一定数いるはず。黒の組織ははやく例の薬を一般販売してどうぞ。スダーチなら一億以上でも買います(笑)


18時~20時に予約投稿しております。

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