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永遠のユーフォリア  作者: ノノ
第一部 白の少女
5/9

白いシロ (1)

幼い声が響く。全身真っ白なので、シロと名乗っておくことにした。



 自分で言うのものあれだが、マジ天使みたいな声だ。

本当にわたしの声なのだろうかと思い「あーあー」声を発する。透き通るような声にドキドキしときめく。はああとうっとりしていると、目の前のうさみみ美人女騎士もなんだかうっとりしていて頬は赤く染まり、瞳はキラキラしていた。



「あ、あのう・・・」



彼女は膝を付き祈るような姿でわたしを上目遣い見つめた。



 うわあ、かわいい!赤い瞳がうるうるしてる!!かわいいい!!!うさみみモフモフしたい!!!触りたい!!!



と悶えていると彼女は小さく呟く。



「あのぅ・・・心の声が・・・聞こえています・・・・・シ、シロ様、耳を・・・触りたいのですか?」



ブンブンと首を振り彼女の耳にそっと触れる。暖かくて、フカフカでモフモフ。最高の触り心地である。



 あああああ~満足~!!!



再び天国に行きそうになるぐらいの幸福感に包まれて身体中がポカポカする。わたしは全身でこの満足感を表すため、両腕を多く広げ、天に向かい叫ぶ。




「うさみみ、サイコーー!!ひゃっふううううう!!!」



 叫ぶと同時にわたしの身体は光輝き、光の柱が天高く伸び、身体からすうーと熱が抜けて高ぶっていた気持ちが落ち着いた。空に立ち上がった光の柱を見つめる。

なんだかとてつもないことをしでかしたような気がするけど、気にしない。目の前の彼女が大事。



「かわいいは正義なのだ!ふふんっ」



彼女はぽかーんとした顔でわたしを見つめなにやらブツブツ呟いている。



「・・・女神様だ、女神様だ、女神様だ・・・私の目の間に女神様が・・・ああ、美しいい・・・・素晴らしいい・・・あああ・・・こんなことが起きるのですね・・・なんと・・・なんと・・・素晴らしい・・・あああ、光の女神様・・・」

「え、女神様?誰が!?わたしはただの幼女で、童女の真っ白けの女の子だよ?」

「いいえ!シロ様は女神様なのです!!」

「・・・・」


なんだか、わたしやらかした気がしてきました。

先ほどまで町から多くとの人声や音がしていたはずなのに、なにも音が聞こえない。動物の鳴き声も聞こえない。

これはヤバイ気がする、だって、身体でひしひしと感じるのだ。これは、ヤバイ。



「あ、あのぅ」

「はい、シロ様、何でしょうか!?」

「わ、わたし、女神・・・なの?」

「はい!!!シロ様は女神様です!スキルの鑑定で種族が女神になっております!!!あ、わたしは、ノルン・ヒルダと申します!!!」



 ・・・スキル?鑑定???種族が女神・・・・?なにやら幻聴が聴える。どこのだれが女神?



「シロ様です!!!!」



どうやら、彼女にはわたしの心の声が聞こえているようだ。むうう、これだと耳をモフモフしている時の心の声もダダ漏れじゃないか。これはヤバイな色んな意味で・・・・・。




「あ、大丈夫ですよ、触れていないときは聞こえないので!・・・一応」

「そ、そっかー」



 そういえばさっきから彼女、ノルンの耳をモフモフしていた。マズイぞ、ヤバイぞ。それに小声で言った一応が更に気になるのですが・・・・。

 色々呟いていたことが筒抜けでずぅーんと落ち込むとノルンは言う。



「大丈夫ですよ~!シロ様がケモ耳大好きで、撫で回したいのはわかりましたので!」



・・・どこが大丈夫なのだろうか、全て筒抜けだよね、それ!と思ったが、ノルンのうさみみが目の前にあるので再び触る。

あああ~モフモフでフカフカで最高!!!むはああ!!!!




「・・・・・・・・・・・・はっ!」




・・・どうやらこの無限ループから抜け出せそうにない。






 しばらくして、ノルンのうさみみを堪能していると太陽が傾き、夕方が近づいてきいることに気づく。

どうやら、パッピーエンジョイしすぎて、わたしの心はここにあらず状態だったようだ。

 ノルンのうさみみの魅力は半端ない破壊力で揺れるたびに、誘惑されて笑みで顔が歪む。実に素晴らしく言葉と身体中で表現は難しい。



「うむ、ケモ耳は不思議な力があるのう」



 年寄り臭く言うとクスクスと笑みをこぼすノルン。先ほど逃げ戸惑っていた彼女の姿は消えていた。同時に後方から突風が襲う。風に服がバタバタと揺れ、髪が靡いた。ふと、視線か空に向く。遥か、遥か彼方を飛ぶ大きな生き物。巨大な翼、赤色の体、トカゲみたいな物が群れなして飛んでいる。

 たしか、美穂時代に読んだ本で出てきた、ドラゴンとかいう生き物だと思う。大きな巨体が空を飛んでいることに唖然となる。



 まさに、ファンタジー!



と叫ぶが天使のような声が聞こえない。どこっいった!わたしの声!!と悶えていると目の前のノルンの表情が青く染まり、瞬きを忘れてしまったかのように瞬きをしない。そして辺りを見渡してノルンは呟いた。



「・・・シ、シロ様が消えた」


え???!


 驚き声を出したが出ないようだ。自分の頭に被さったフードがものすごくアピールするように風に靡いている。あの不思議空間こと白い部屋にあたったものだ、当然と言えば当然であるがどうも危険な匂いがするこの白ローブ。女の勘と言うやつかも知れない。

そう言えばこの白ローブには左右の腰のあたりにポケットがあるのだが、嫌な予感がするので手を未だに入れていない。手がなくなったら嫌だしね。

思い耽っていると目の前のノルンが涙目になりながら、わたしを呼んでいるので被っているフードを脱いでみる。



「・・・シ・・・シぃ・・・じろざまああああ!!!!!」

「あはは・・・」


 どうやらノルンは胸が熱くなったのか涙が目に溢れ抱きついて来た。ちょっと甲冑が当たって痛いけど、うさみみをモフモフ出来たので良しとする。声も出るし、姿も見えているようなので大丈夫そうだ。抱きついたことで判ったのだが、ノルンは胸がすごくデカイ。デカイのである。多分、Dはあるであろう。


 

・・くぅ・・くやしくなんか・・・ないやい!



 幼女で童女なので気にしないのだ。まだセーチョウキなのだ。そうなのだ、と自分に言い聞かせる。視線があったノルンはクスクスと笑みを浮かべていた。自然と自分の唇が尖る。


「シロ様は成長期ですから大丈夫です」

「むう」

「あ、シロ様」

「・・・なぁに」


いじけながらノルンに視線を合わせると指を立てウインクしながら言う。



「さあ、お城にいきましょうか!」



 ノルンの言葉に当初の目的を思い出しうんうん唸ってうなづく。すると手を差し出して再び「行きましょう」と告げた。わたしは手を取りローブのフードを被る。何やら嫌な予感がしてしょうがないからである。ノルンもそれが解っていたのか何も言わずにわたしの手をゆっくりと握り城壁内の通路進み、わたしは町の中に入った。




ケモ耳信者のシロ様です。

次こそお城に向かう・・・はず!




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