白い階段
光に包まれたわたしに突如として突風に見舞われ「ひいいい」と叫び声を出すが声は相変わらず出ていない。わたしの声は何処に!?と思い耽る中、モワモワとした塊がぶわーと身体を包み込む。顔に小さな白い粒がぽたぽたと降り注ぎ、ひんやりと冷たく粒はすぐに融けた。雪のような粒に、わたしのテンションは上がり、ひゃっほい!と叫ぶ。
すると、再び強い風が吹き、視界が徐々に明るくなり、風景が見えてくる。
青い空がまず視界に入り、雲が見えた。さっきのモワモワは雲なのかと思うと、足元がスースーするので足元に視線がいく。
・・・うん?・・・え??!・・・え!?・・・ひい・・・ひ、ひ、ひえええええええええ!!!??
空中にてわたしは透明な板に立っていた。目からは涙が溢れ、鼻水が出て、よだれがでた。
やべええ、マジ、これヤバイやつだ!
空中に立ってるよ!これなに!?なんなのよっ!ひえええええ!!!
ガタガタ身体が震える。
とんでもないとこに来たようだ。こんなの死んでまう!とあわあわしながらチラッと足元を見つめる。・・・螺旋階段みたいな螺旋が続き、地上へ向かってる。
・・・・なにやら、降りれるようだ。
空中螺旋階段を下り始め、数時間が経ち中間地点辺りで休憩中である。高さになれ、怖くなくなったわたしは鼻歌交じりの空中散歩を楽しんでいた。
地上には大きな運河があり、下って行くと小さな町、大きな町、さらに大きな町が見える。
そして、大自然が広がっているのだ。
草原を走る大きな動物の群れ、孤高の猛獣、多くの命が地上には溢れて見えた。
遥か向うの地上線にはどこまでも、どこまでも、空に続く塔や、空には三つのお月様、巨大な剣のようなものが大地に刺さっているのが見える。わたしがいた世界とは違うんだ、とわかった瞬間だ。
それから、休憩を終え再び空中螺旋階段を下り始める。いまいる処から一番近い町に向かうべく、わたしは鼻歌混じりにただ歩く。
道のりはまだまだつづく。
太陽が丁度自分の真上に来た辺りで、空中螺旋階段を下りるのに飽きていた。うん、疲れて、足がうごかないので休憩しているだけなんだ。なまけているんじゃないんだよと言い訳をしつつ、少し近づいた町を見下ろしていた。
人が町を行き来している姿見え、人相まで見えちゃうわたしの目は視力が良いらしい。
この身体なんだか少し便利である。お腹は空かない、あんまり眠くならない、そんな身体だ。でも、疲労はあるみたいで、あんまり動けないようだ。体力値が低いのだろう。仕方ない。
などと考えながら町を見ていると、町には大きな白いお城があった。不思議オーラがビンビンと発している。また白かあと呟いて、ため息を吐く。再び町を歩く人に視線を移すと、様々人種が行きかっている。
猫耳、犬耳の人、すらっと背の高いエルフ耳の人、見るからに獣人な人、かなり背の小さい人。
まさしく、ファンタジーな世界だ。
なんだか、すごいや。
まあ自分の姿も真っ白で凄いことになってるが、気にしちゃダメだ。と思い耽て、立ち上がる。まずはあの町の白いお城だ。
そこに行き、まずおねんねだ!