第3章けっきょく
外見は不自然なほどに新しく、外壁が全てガラスのような何かが使われ、それが上に100メートルほど続いている。
そして強風がくればすぐに折れてしまいそうだ。
世間一般で言うビルとは何かが違っている。
その屋上には
"主人公体験プログラム実施中"
という看板が建っている。
「マジデカヨ…」
うさんくせぇ
「ん?どうしたオギト」
「とりあえず中に入ってみようぜ!」
と俺の腕をグイグイ引っ張ってくる。
殴ってやりたい。
可愛い女の子ならまだましなのだが、いや大歓迎。
「ちょっとまてよっ」
なんか知らないうちに恋人繋ぎになってるし。
殴ってやりたい。
ああ、やっぱりコイツあれか?
ゲイなのか?
そんなの大寒ゲイだ。
ごめんなさい。
とりあえず中に入ったが、入ってしまったが、人っ子1人いない。
ましてや受け付けの人までいない。
いや、そもそも受け付けなんてないのかもしれない。
だって、ここ、
「なんもねーじゃん!」
なんもないといっても
"いやいや、机ぐらいあるでしょ"
とか
"モニターとかあるでしょ"
とか思うかもしれない。
とんでもない。
文字通りの"なんにもない"だ。
nothing だ。
あるのは夏休み明けに掃除のロッカーをあけたときに感じるあのムワァとしたこもった空気のみ。
「やっぱ噂は噂だな」
「そんな上手い話はないかぁ」
「じゃあ帰るか…」
うん。なにしに来たんだろう?
本当に帰ってきちゃったよ...
まあ、明日は面接だからなー。
てか今日なんか、全然なんにもなかったな。
結局よく分からないビル行ってなにもしないで帰ってきただけだ。
むりやり話にしようとしたら思いの外話すことがなくて、地味に伏線を張っただけだとおもう。
なんか疲れたし寝よ。
今日は珍しく電気を消した。




