5/16
目は口ほどに物を言う
ガタンゴトン
「…ーーー。深町駅〜深町駅〜。左側のドアが開きますのでお気をつけください〜」
いつも通りの、気の抜けたアナウンスが流れる。
いつもより大分と静かな車内にアナウンスだけが響いた。
ドアが開き、数人がホームに降りていく。
「…あ…。」
その中に彼の姿はあった。
彼は、降りる前にコチラを向きかえり何かを言おうとした。
が、私が彼から視線を外したため、彼が何をいおうとしていたかは分かるはずもなかった。
ドアが閉まり、しばらく彼はホームに突っ立ったままだった。
なぜそれを知っているか。
もちろん、それは私が彼を見ていたからに違いないのだが。