二名様ご招待なのです!
初めての投稿です。ハーメルンにも投稿してます。[アカ名は同じです]誤字脱字、批評好評など有りましたら、どんな些細な事でも言ってください。
「なあタク、今日暇か?」
「悪い、妹の買い物に付き合わなきゃならないんだ。すまんな」
「全く、相変わらずのシスコンぶりだな」
「反論はしねえよ。じゃあ明日、学校で!」
「おう」
俺は急ぎ足で家へ帰った。
「ただいま、裕美」
「ん、お兄ちゃん。お帰りのキスは?」
「ハイハイ」
俺はしょうがなく裕美の唇にキスをした。裕美は高校3年生で、超一流大学の推薦をもらっている。俺の家に
居候しており、毎日本を読んでいる。(何故か哲学書、時々BLか官能小説)
一方の俺は一般の国立大に通う一年生だ。名前は鈴都拓也で、自他共に認めるシスコンである。その理由の一
つが、裕美が俺の事を彼氏として好きであり、親もその関係を許している事だ。俺と裕美は本当の兄妹では無
いことが裕美にバレてしまい、居候に来た理由が、
「お兄ちゃんの正式な彼女に成りたい。もう離ればなれはイヤだ」
との事だった。父さんも裕美の気持ちに気づいており、最初は凄くと揉めたらしいが、
「超一流大学に合格したら良い」
とのことを聞いて頑張ったらしい。すると、その志望校から推薦がきたから此方にきたらしい。それ以来、何
時も俺にベッタリで、行ってきますとお帰りのキスは毎日の日課になってしまった。
「なあ裕美、今日は何が食いたい?」
「食後にアレ、やってね」
「·····わかったよ、じゃあ何でも良いな」
そう言って俺はエプロンを着て、早速キャベツを千切りにしていく。一通り切ると、冷蔵庫から豚肉と卵を取
りだす。豚肉を常温に戻し、筋を切って、卵とパン粉を付けて、熱した油に投入する。そう、トンカツだ。
「よし出来た。裕美、食うぞ」
「りょーかーい」
皿に並ぶきつね色のトンカツに、思わず涎が垂れる。
「「いただきます」」
衣はサクサク、中はジューシーでとても旨い。俺も裕美もペロッと平らげた。
「もうお腹一杯。お兄ちゃんの料理旨すぎだよ!」
「お粗末様でした」
食器を片付けながら、正直に嬉しいと思った。食べて美味しいと言ってもらう事が。
「ねえお兄ちゃん。こんなの来てたんだけど」
裕美は一つの茶封筒を手渡してきた。
「宛名は、書いてないのか。誰からだ?なになに、[あなた方をフォースドラグーンへご招待します]ふざけ
てんのか、この手紙」
「どうしたの、お兄ちゃん?」
「見てみろ」
「何、フォースドラグーンって。何かの国?」
「そんな国、あるわけないだろ」
その時、手紙が青白い光を放ち、一瞬で目の前が光に包まれた。
次回も早めに投稿します。