表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
誓約異端   作者: 桃月
6/9

ep4.5 恋心

ヤバイ…ヤバイよ……。



まだ、顔が熱い。

私は方枷君を置いて、保健室を後にしていた。

方枷君は私の気持ちに気づいていないようで、良かったけど…。


でも逆に言うと、彼のその鈍感さが欠点だとも言える。


私から見れば、容姿はカッコいい方だと思うし、背だって十分なくらい高い。(確か、この前に身長は172cmあるって本人が言っていたっけ…?)

スポーツもできるし、勉強の方に関しては天才を発揮している。


でも……。

私が好きなのは彼のそんな部分じゃない。

まぁ、多少は外見も好みなので、少しは嘘になってしまうのだが…。

それでも、私が方枷君を好きになったのは、彼の何気ない優しい性格に惹かれたからだと思う。










神代学園に入学した当初、この街に引っ越してきた私は友達なんていなくて、本当に心細かったのを今でも覚えている。










入学式が終わった後、新入生は自分達のクラスが発表されるのを確認しなければいけないので、体育館に残っていなければならなかった。

知り合いもいない私は、一人で早く自分のクラスが発表されないかと待ち焦がれていた。



「おい! 見ろよ! あの子すっげー可愛いな!」


「ああ! 何組なんだろ〜?」


「うーん。あんな女の子みたいな彼女欲しいな…!」


何本もの視線が私に向けられる。

向こうはひそひそと話しているつもりだと思うのだが、こっちには丸聞こえだ。


私は別に目立ちたくなんかないのに……。


うんざりしてしまう。

どうして男の人ってこう……女性を顔だけで判断してしまうんだろう?



私なんか、容姿を覗いてしまえば、ただの何もない少女だと言うのに……。





<―――…B組、藍口 碧さん。>



私の名前が呼ばれ、私はBの担任の女性先生の方へと移動していく。

先生の前に並んでいた男子生徒の後ろへと座り込んだ。

この前に並んでいた生徒が…後に私にとって、かけがえのない人になるとは、この時の私には思ってもみなかった。






新入生クラス発表が終わり、各生徒達は自分のクラスへと向かっていく。

私はBの札が張られていたクラスへと移動した。

そして、自分のクラスの前まで来たところで、足止めて窓からクラスを覗いてみる。

クラス内は結構賑やかで、楽しそうだった。

中には私みたいに、一人ぼっちに席に座っていた女の子もいたけど、数人の男女がその子に近寄って、話を混ぜてあげていたりしていた。

それを見て…安心できた。


何に安心したのかは……多分“イジメられる”という概念が自分の頭のどこかに存在していたからだと思う。

私の容姿は何かと同性の人達にとってはやっかいなものだった。

前に、住んでいた町の中学校に通っていたときも、この自分の容姿が気に食わない連中から、軽いイジメを受けた事があった。

その時に、私は初めて人に恐怖を感じた。


純粋に「怖い」……と。


…だけど、このクラスなら安心できそうだ。

私はそれを見て、そう思い…。

そして、教室内へと足を運ばせた。



教室へと入ってきた私に教室にいた全ての生徒が私に目線を向ける。

ビクッとしたが、私は平常心を保って、自分の名前が書かれた席へと座る。

さっきの女の子みたいに、私も席にじっと座っていれば、だれかが声を掛けてくれる。

そんな甘い考え事に浸っていた私は、その時が来るのをじっと待っていた。

……だけど、なかなか誰も話しかけてはくれない。


どうして……?


さっきの女の子を見てみる。

その子はさっきとは違い、もう他のクラスメイトと打ち解けていた。

それに比べて、私は……。

多数の視線は感じるものの、未だ誰からも話しかけられていない。



「…ぅ……」


ヤバイ……。

自身の目から、涙がこぼれるのをひたすらこられる私。

だけど、もうそんなに長くは持たない。

だって、既に一滴……。

頬に涙が伝ってしまったから。



そんな時だった。

新たに教室に入ってきた男の子が私の隣に座ってきたのだ。

確か……あの容姿はクラス発表の際に私の前に並んでいた生徒とまったく同じだった。

その男子生徒が私に話しかけてきた。



「―――キミ、名前は?」


「…ふぇ……?」


泣きそうだった顔をあげて、私はその少年を見た。

窓からの太陽の光に包まれて、光って見える。



「あ……私…」


まともに喋れていない私を彼は笑った。



「そんなに焦らなくても大丈夫だよ」


「あ…その…ごめんなさい」


「いいよ、いいよ。…そうだ、キミは地元の子?」


「…ううん。私、引っ越してきたから……友達とかそういうのいなくて…」


「そうなんだ。……なら、ボクと同じだね」


「え……?」



彼は少し悲しい顔して、私を見つめた。


私の胸がドキッとする……。心臓はバクバクと速さを増してきて、もう抑えられなかった。


彼の…私を見つめてくるその赤い瞳に、私は吸い込まれそうなくらい魅入っていた。




「あ、私の名前は……、藍口 碧」


「よろしく。藍口さん」


そして、立て続けに少年は言う。



「ボクの名前は―――」


多分、この時から……。


この時から、彼に惹かれていたと思う。


ちゃんとした理由なんて、多分ない。


だけど……。


この気持ちは本当だから…。


だから……。










       ―――彼方……。方枷 彼方。―――









さすがにあの時から、お互いの性格は随分と言う程でもないが、変わってしまったと思う。

私は少々活発になって皆とも仲良くなったし、彼の方は初めの言葉の丁寧さが抜けて、今ではすっかり私の事を「藍口」と呼び捨てだし……。



でも、お互い根っこの部分は変わっていないと思う。

だって、『彼方』の優しさは今でも十分に感じるから…。





私は後ろへと振り返る。

そこはさっきまで二人がいた保健室。



「早く元気になれよ! バーカッ♪」



そこにはこの日で、一番幸せに笑っている私がいた。







えーとですねwwww(。 ̄_ ̄。)


この4,5の話はまったく本編と関係ないんですけど……入れちゃいましたw!(汗)


まぁ、碧ちゃん視点での番外編と受け取ってくださいwww



ええ、ホント。。。


恋する女性ってのは本当に輝かしく見えますよね〜w!(うぇうぇw



さて、次回はep5なんですけど・・・。


少しここいらで、物語を進めなきゃねぇ〜と考えています。


まぁ、今ちんたらやっているんでね…(汗)


('A`).....。


では、また次回のあとがきで会いましょう!


ヾ(*゜∇^*)ノ~ see you next time !!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ