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ep0 プロローグ
3年前、あの蒸し暑い夏の日の夜に突如、世界に浮き上がった紅い境界線。
世界は二つに分けられ、境界線の向こう側の人達は「異端」と言う能力を身につけてしまう。
だが、「異端」を得ると同時にその対価として、その者の最も大切なモノを奪われてしまう。
向こう側にいたボクも、もちろん「異端」を手に入れ、同時に最も大切な人を失った。
ボクは……。
ボクは今でも、3年前に消えた君の笑顔が思い出せない。
――――これはきっと、ボクへの罰なんだと思う――――