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蜂の魔物とテイマーについて

次の話で2章終わりです。それと、誤字報告ありがとうございますm(_ _)m


ミカさんの眷属召喚で、召喚した眷属蜘蛛五匹をウルの周りに配置しながら森を進む。


正直俺がウルの前に出て護衛したいけど、ウルは喋らないし、どっちに向かうか分からないからな。先頭を歩いていても、後ろを向くとウルが全く違う方向へ進んでる時とかあったし。


しかし、その蜂の魔物って何処にいるんだろう。さっきから魔物は襲ってくるのだけど、やはり蜂の魔物は出てこない。レアな魔物なのかな?レアな魔物だと見つけるの大変じゃないか?まぁウルが居場所知ってそうだけどさ


「それにしてもウィルさん、良いドラゴンさんでしたね!」


「そうだな。最初は警戒してたけど、喋ってみると案外気さくな奴だったな」


「ですね!また会いたいですね!」


「そうだなー」


「すぐ会えるさ」


「いやすぐ会えるってどう⋯やって⋯⋯えっ?」


「ウルさん、今喋りました?」


「喋ったよ?というか君達の声もちゃんと聞こえるよ?さっきぶりだね!」


えっ?じゃあ何か?今まで喋れるけど、ずっと黙ってたって事か?しかもこの軽い感じの喋り方、完全にウィルだ。


「おいおいおい、ちょっと待ってくれ。さっき良い感じに別れといて、その後の俺とミカさんの会話は全て聞こえてたってことだよな?喋れるのに。また盗み聞きか?ウィル、趣味が悪いぞ」


「僕はこの魔力複製体が喋れないと一言でもいったかい?それに盗み聞きだなんて人聞きが悪いなー。喋れなかったのは、竜の国に戻ってすぐ、竜帝様に謁見してたからだよ。まぁ確かに会話は聞こえたけど、僕の複製体にウルって付けて呼ぶもんだから、面白くてつい笑っちゃったよ。おかげで竜帝様に怒られちゃったんだよ?」


「なら初めから複製体は喋れるって言っておけよ」


「それだとつまらないじゃないか。僕はサプライズが大好きなんだよ」


こいつ⋯やっぱり分かってて黙ってやがったな。サプライズ好きというより、いたずら好きだろ。


「でさ、君達僕がいなくてちょっと寂しがってたよね〜。また会いたいと言ってたし。僕と喋れて嬉しいかい?ん?どうなんだい?」


「確かにまた会いたいと言ったが、今この瞬間、当分会いたくなくなった」


「ルヴァンシュ君、照れてるのを隠してる事バレバレだよ?」


「うるせぇー」


全く、ウィルは弱味を握るとすぐからかって遊ぶからなぁ。まぁこれも友だからこそ出来る事だし、友だから許せる事だと思う。


「ウィルさん!私はウィルさんとまたお話出来て嬉しいです!」


「う、うん⋯。なんかそういう事を、どストレート言われると背中がむず痒いね」


ははぁーん⋯。ウィルは正直に言われ慣れてないのか。今度からかってきたら、俺も正直で言ってみるか。ちょっと恥ずいが。


「それはそうと実はね、そのハチの魔物ってのは、普通には見つけられないようになっているんだよ」


「どういう事だ?」


「そのハチという魔物の名前はキラービー。竜の国はこのキラービーを保護しているんだ」


「保護?どうしてまた」


「それはさっきも言っただろう?美味しいミツの為さ」


「なるほどねー」


「あ、あの!私、そのキラービーを従魔にしたくて来たのですが、ダメでしょうか⋯?」


「全然いいよ」


「そうですよね⋯⋯えっ?」


めっちゃ軽い返事だったよな。本当に良いのか?竜の国が保護しているんだろ?それをウィルが勝手に決めて良いのか?ミカさんも断られると思ってたみたいだし。


「本当に良いのか?」


「良いも何も、キラービー関係の事は全て風竜一族に任されているのさ」


「そうなんですか?」


「うん。ほら、風竜一族って旅が好きって言っただろう?その旅の最中で、ハニービーという、キラービーよりも小さい魔物を保護して育てている者達がいてね、その者達から色々と話を聞いて、竜の森に元々住んでいるキラービーを保護する事にしたのさ。保護する条件に、甘いミツ分けてもらっているのさ」


「蜂さんの蜜ですか!ちょっと味わってみたいですねー!」


「気になるかい?美味しいよ?キラービーを保護したいと竜帝様にお願いした時、最初は断られていたんだけどね、甘いミツを献上するとすぐ保護していいよって言われてね」


「それは凄いが、よく魔物がそれを受け入れてくれたな」


「でしょ?魔物にも知性ある賢い魔物はいるさ!⋯と言いたいが、僕達だけじゃやっぱりダメでね。だから専門家に直接来てもらったのさ」


「専門家?」


「妖精族さ。僕達とキラービーの間に入って、話を仲介してもらったんだ。君達を守る条件にミツを分けて欲しいってね。妖精族は虫の魔物とある程度、意思疎通が出来るみたいで――」


「そ、それって本当ですか!?」


「う、うん。本当だよ?」


急にぶつぶつと独り言を言い出すミカさん。あーあれか?妖精族にしとけばよかったと、後悔してる的な?テイムって確かどんな種族でも覚えられるけど、実は種族固有スキルと言った方が、ニュアンス的にあっている。


人間の魔物使いやハーメルン種族は、ギルドにいけばモンスターリングというアイテムを貰える。これはパーティ上限に入りきれない従魔をモンスターリング内に預けたり、何時でも出せたりするリングだ。


パーティ最大人数は6人。今のパーティは俺とメティスで2枠、ミカさん+シルクちゃんで1枠の3人パーティ。もしミカさんに他の従魔がいるとしたら、あと3匹までパーティに参加させられる。それ以上はモンスターリング内に預けないといけない。


それでモンスターリング何だが、実はテイムスキルを覚えたからといって、ギルドで貰えるわけじゃない。モンスターリングを貰える条件は、テイム出来る上限が5匹になったらだ。


魔物使いとハーメルンは最初から5匹までテイム出来る。これは魔物使いやハーメルンが、最初から持っている種族固有スキルだ。魔物使いは人間種族でありながら、唯一種族固有スキルがある人間だ。


だからギルドですぐにモンスターリングを貰えるのだが、他の種族はそうじゃない。テイムスキルを持っていても、テイム出来る上限は1枠だけ。テイムスキルのレベルを上げて、テイム出来る上限を増やさないとモンスターリングは貰えない。


しかもテイム枠上限が4枠で、従魔を4匹持っていると、当然だが組めるパーティは二人組だけだ。モンスターリングで預ける事も出来ないし、二人以上のパーティを組むなら、従魔を逃さないといけない。


ちなみにテイムというスキルは進化スキルではない。つまり錬金術と一緒で、節目節目で技能解放をする必要がある。その技能解放がテイム上限枠を上げるのだが、テイムレベルが10.20.30.40.50という節目でテイム枠を一つ増やせる。だが、当たり前だがSPが大量にいる。


何が言いたいかって言うと、テイムは実質、魔物使いかハーメルンでしか使い物にならないスキルである。というか、魔物使い専用の戦闘スキルやハーメルン専用バフがあるから、テイマーやるならこの二択なんだよな。


バフとか分かりやすいけど、パーティ全員の攻撃力を上げるバフがあったとしたら、それは従魔は対象外だ。従魔は従魔専用のバフがある。ミカさんが使うパワークラングとかだ。要は人間は人間の、従魔は従魔専用のバフがあるって事だ。


「今から作り直す?いやダメダメ!シルクちゃんがいるんだから!でも虫さんと話したい〜」


「おーいミカさん?」


「はっ、はい!」


「なんか変な事考えてる?キャラを作り直したら、もう二度とシルクちゃんに出会えないかもしれないよ?」


「それはダメです!」


ミカさんならそう言うと思ったよ。良かった良かった、踏みとどまって。まぁシルクちゃんも何か察してか、ミカさんの方に顔を向けて、何か訴えていたし。


「続きを話すね?」


「す、すいません。話の途中で」


「いいよ。さっきも言ったけど、妖精族はある程度、虫との意思疎通が出来るから仲介してもらったのさ。まぁ守護する代わりに、ミツを分けてくれって条件だけど、ほとんど脅しみたいなもんだけどね」


あははと笑うウィル。脅し?


「条件を呑まないと、駆除するって事か?」


「まぁそういう事さ。あんまり増えられると、こっちも困るからねぇ」


俺はチラッとミカさんの顔を見る。何も言わないけど、あまり良い顔はしていない。とはいえ自分が好きだから、虫が可哀想だからという理由だけで、駆除しないでとは言わないようだ。そこは弁えているって感じだな。


「まぁそんな理由(わけ)で、キラービー関係は風竜一族に任せられているのさ。ちなみに、キラービーを保護したいって竜帝様に言った風竜は僕なんだ!」


だと思ったよ。どうせ美味しい食べ物を、竜の国でも食べたいからとかそんな理由だろう。


「⋯フォルミカさんには少し辛い話だったかな?ごめんね?」


「い、いえ⋯。虫の世界ではよくある話です⋯」


ま、まぁ、夏になればスズメバチ系が活発になって問題になっているもんな。だがビーってミツバチだよな?なのにキラーって⋯。


「そっか、フォルミカさんは本当に虫が好きなんだね。今度、妖精族に会ったらフォルミカさんの事を伝えておくよ!そのシルクちゃんと意思疎通してあげてほしいとお願いしておくよ!」


「ほ、本当ですか!?」


「あぁ、もちろんさ!僕は友との約束は破らないからね!」


「ありがとうございます!」


少し気まずい雰囲気になったけど、そこはちゃんと空気を戻してくれたウィル。ウィルってなんやかんやしっかりしてると思う。


キラービーの話とか妖精族の話をしていると、いつの間にか大きな崖?のような場所に着く。森なのにいきなり崖が現れたって感じだ。


「ほらっ、ここがキラービーを保護している場所だよ」


「崖だよな?」


「崖ですね」


「まぁ、少し見てな?」


ウィルの複製体が崖に触れると、その崖が幻の様に消える。そして目の前に現れたのは


「す、凄いですね⋯⋯」


「いやこれは流石に⋯⋯」


「これがキラービーの巣だよ」


一言で表すならバカデカいである。下手な城より大きいのではないか?ありえないサイズなのだが。というかそこら辺に飛んでいる働き蜂でさえ、俺達と同じぐらいの大きさだぞ。ミツバチなのにキラーって呼ばれる理由がわかるな。


そして、大きな蜂の巣の周りには花畑が広がっていて、幻想的で美しい。


「綺麗ですね⋯」


「あぁ⋯これはリアルでは見れない光景だな⋯」


「凄いでしょ?さて、キラービーを従魔にしにいくよ!」


そう言いながら、無計画に蜂の巣に近付いていくウィル。だが働き蜂はウィルもそうだが、俺達にも全く襲ってこない。興味がないみたいだ。って事で安心してウィルの後についていく。



読んでいただきありがとうございますm(_ _)m

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