五話 初めての戦闘が鬼畜
さて、レベル上げのために街の外で魔物と戦うのだが、首都ノルジストの東門から外に出る事にする。
で、街の外に出たのはいいが、街の外に出て少し先に進んだら
「くそっ!なんでこんな魔物が寄ってくるんだよ!」
まぁ理由は分かっている。【魔物誘引】の効果だろ。そこら辺からワラワラと集まってくる。ってか多すぎだろ!
「あぶ!?ちっ…鬱陶しい!〈スラッシュ〉!」
避けれる攻撃は避け、スキルを使い敵を捌いていく。くそ、最初は小手調べでスキルの確認やスタミナゲージの管理をしつつ戦う予定だったのに!
「もう一回〈スラッシュ〉!出ない!?クールタイムか!」
クールタイムの管理もまだ下手だってのに!それにこれじゃあ鑑定する暇もない!落ち着いて情報すら確認できないのか!
「おりゃっ!20匹目!」
最初にしては強い武器を貰っていたんだな。ここら辺の雑魚はほとんど一発だ。ここら辺に出てくる魔物はスライム、ホーンラビット、ウルフ、ゴブリンだ。
スライムやホーンラビットはまだ良いが、ウルフとゴブリンが厄介だな。ウルフは必ず二体で出できて、連携して攻撃してくる。ゴブリンも一体で出てくるならいいのだが、ウルフを一匹従えてる事がある。
それにしてもマジで数多くないか?このままじゃヤバいな。ここは一時離脱だな。
「覚えてろ!借りは必ず返す!」
《レベルが上がりました》
《各種スキルのレベルが上がりました》
敵と一定距離、離れたから戦闘が終わった判定になったのかな?だからリザルトがでてきた。しかしドロップしたアイテムは勿体ないな。だがここでやられるわけには――
「あれ?なんか急に走れなくなった!おい何でだよ!?なんかやけに力が入らんし!」
ヤバい敵がまだアクティブだ。こっちにめっちゃ向かってきてやがる!
「くそう!もう追いつかれた!俺も走れたら……ってスタミナがもう無いのか!」
あー戦いに集中しすぎてスタミナ管理怠ったか。最初から手持ちに携帯食料はあるのだが、戦闘中では使うのは難しい。使えるのは使えるが、メニューを操作して携帯食料をタップしてる間に敵にフルボッコだからな。
お腹が減りすぎてスキルも使えないし走れない。敵は10匹ぐらいいる。ってか囲まれてるし今回は諦めるか。初めての戦闘ではよくやった方か?まぁ反省を活かし――
《プレイヤーのHPが0になりました。街へ帰還しますか?※あと60秒で街へ強制帰還します》
はいっと。俺は視界が暗転して最初の街ノルジストの噴水広場に強制帰還した。
しかし…【魔物誘引】とかいうスキル、相当ヤバいな。まさかあれほど敵が集まってくるとは。何か対策が必要だな。
さっきの戦闘でレベル5になっている。まぁ結局30匹ぐらいは倒したしな。レベル5になったおかけでSPが20ある。SPは1レベル上がる毎に5貰える。
って事でスキル一覧だ。目ぼしいものは…
【気配遮断】SP2
【魔力遮断】SP2
【気配察知】SP2
【魔力察知】SP2
【隠密】SP3
【隠蔽】SP3
こんなものか。とりあえず対策として良さそうなスキルを取ってみた。気配察知と魔力察知は便利そうなので取得。いまのステータスはこんな感じ。
名前:ルヴァンシュ
Lv:5
種族:リビングアーマー
ステータス
HP : 180→205(+5)
MP : 120→137(+5)
ATK: 28(+15)
VIT : 23(+5)
INT : 13(+5)
MID : 20(+5)
AGI : 12(+5)
LUK: 10(+5)
◆ユニーク
【超運】
◆戦闘
【剣術Lv4】
◆魔法
【空間魔法Lv1】
◆ステータス強化
【体力強化・小Lv5】【MP強化・小Lv5】【物理攻撃力強化・小Lv5】【物理防御力強化・小Lv5】【魔法攻撃力強化・小Lv5】【魔法防御力強化・小Lv5】【俊敏強化・小Lv5】【運強化・小Lv5】
◆回復・防御
【HP自然回復Lv3】【MP自然回復Lv3】
◆隠密系・感知系・鑑定
【忍び足Lv8】【鑑定Lv1】【気配遮断】【魔力遮断Lv1】【隠密Lv1】【隠蔽Lv1】【気配察知Lv1】【魔力察知Lv1】
◆特殊
【激運Lv3】【魔物誘引Lv6】【美顔Lv1】【釣りLv1】【魔物図鑑Lv1】【素材図鑑Lv1】【解体Lv3】
◆種族固有
【防具吸収】【念動Lv1】
◆装備
武器:鉄剣
頭 :リビングアーマーの兜
体 :リビングアーマーの鎧
肢 :リビングアーマーの脚鎧
装飾品:
◆10,000シル
◆残りSP6
色々と上がっているな。ステータスの横に(+5)が付いてるが、ステータス強化系のスキルだろう。Lv1上がる毎にステータスが1上がるのはでかいな。SPが6余っているが残しておく。
ステータスの体力とMPは1レベル上がる毎に増える。増える量は種族でバラバラだが、リビングアーマーは1レベル毎に体力5、MP3が上昇量だ。
スキルレベルは忍び足が一番高いな。まぁガシャガシャとうるさいから、普通の時でも使っているからだろうな。
おっと新スキルを確認しとこうか。
気配遮断:自分の気配を察知されにくくなる。
魔力遮断:自分の魔力を察知されにくくなる。
気配察知:周りの気配を察知しやすくなる。
魔力察知:周りの魔力を察知しやすくなる。
隠密:気付かれずに行動しやすくなる。
隠蔽:自分の周りを隠して見つかりにくくする。また、鑑定系の魔法に抵抗しやすくなる。
なるほど。魔物誘引の対策としては遮断系と隠密か隠蔽か?察知系も使いやすいし問題ない。隠密と隠蔽の違いは、隠密は自分に対して効果を発動する。隠蔽は自分の周りだそうだ。使えるな。
それに少し調べてた時、掲示板で見たのだが許可もなく鑑定する人がいるみたいだ。その対策として隠蔽は優先にあげたいな。
だが、魔物誘引対策とか、鑑定対策として色々スキルを取るのはいいが、あまりスキルを取りすぎると今度はステータスが疎かになって詰むからな。ステータスはレベルが上がっても増えないからな。ステータスにもSPを振らないと。
そんな事よりさっさとさっきの場所まで戻るか。魔物からドロップした物もあるし、他の人に取られるのも嫌だしな。
で、戻ってきたのだが
「ちゃんと残ってたな」
まぁここを離れてた時間に関しては数分ぐらいだ。街から少し離れてたとはいえ、このゲームのマップってかなり広いからな。ここにピンポイントでくる人もいないだろう。
それにこの時期で始める者は少ないだろう。1周年を迎えたとはいえ、1周年記念からもう2ヶ月だ。何かイベントがやってるわけでもない。初心者プレイヤーは少なそうだ。
「それより周りから魔物が集まってくる気配がある」
これが気配察知かな?便利だが感心してる場合ではない。俺は遮断系と隠密、隠蔽を強く意識する。まぁ意味あるか分からんが。察知系と遮断系、隠密と隠蔽はパッシブスキルだ。あと忍び足も。
パッシブスキルというのはスキルを任意で発動するスキルとは違い、常時発動してるスキルだ。つまり、腰を屈めてそろりと歩けば見つかりにくくなる。もちろん派手に動けば敵に気付かれるが。
集まってきた敵も俺を見つけられずキョロキョロしてるな。その間にさっき倒した魔物達のドロップを回収していこう。ちなみに魔物を倒すとポリゴンになって、ドロップだけその場に残る。
って事で回収しました。
・スライム×10
スライムの粘液 10個
スライムの核 5個
スライムジュエル 2個
・ホーンラビット×7
ホーンラビットの肉 7個
ホーンラビットの毛皮 4個
ホーンラビットの角 1個
・ゴブリン×7
ゴブリンの肉 7個
ゴブリンの腰布 6個
魔石・小 4個
・ウルフ×7
ウルフの肉 7個
ウルフの毛皮 3個
ウルフの牙 2個
収穫はこんな感じ。あとは集まった魔物達を鑑定。これで魔物図鑑に登録されるみたいだ。
とりあえず一旦街へ戻るか。
って事で戻ってきた。とりあえず噴水広場に座って魔物図鑑を開いてみる。魔物図鑑のスキルを発動。消費MPは0、ありがたい。
手に分厚い本みたいなのが出てきた。おぉファンタジー!さて早速開いてみる。最初のページに魔物検索等、色々な検索方法が書かれている。
直接名前を入れてもいいし、あいうえお順だったり、ゴブリン種みたいに種族順だったりと。まぁ今回は名前検索でさっきの魔物達を見ていく。
・スライム
子供でも余裕で勝てる雑魚オブ雑魚。雑食である。
◆ドロップ
スライムの粘液 コモン
スライムの核 コモン
スライムジュエル アンコモン
・ホーンラビット
油断をしていると頭の大きく発達した角に貫かれる。角は硬くて丈夫。
◆ドロップ
ホーンラビットの肉 コモン
ホーンラビットの毛皮 コモン
ホーンラビットの角 アンコモン
・ゴブリン
顔は醜悪で少し知能がある。たまにウルフを従えている厄介な魔物。あと臭い。
◆ドロップ
ゴブリンの肉 コモン
ゴブリンの腰布 コモン
魔石 アンコモン
・ウルフ
連携をとって攻撃を仕掛けてくる、初心者殺しの異名を持つ魔物。
◆ドロップ
ウルフの肉 コモン
ウルフの毛皮 コモン
ウルフの牙 アンコモン
??? レア
魔物を検索すると魔物図鑑が独りでに動いて、パラパラと自動的に検索した魔物のページを開いてくれる。
おぉ!こんな感じで開いてくれるのか!ってかウルフからレアなアイテムが出るのか!これは狙いたいぞ!
レアリティーはコモン、アンコモン、レア、ユニーク、レジェンド、ワールド、ゴッズと七段階ある。レアはまだ低い方だが、こんな低レベルの魔物からレアが落ちるなんて凄いぞ!
ちなみに魔物からドロップした素材や、採取した素材を鑑定すれば素材図鑑に登録される。まぁ素材はそこまで興味がないというか、レア以上なら調べてみてもいいけど。
コレクターの血が騒ぐな!早速ウルフを乱獲しよう!あれ凄く気になる!出るまで狩り続けるぞ!
読んでいただきありがとうございますm(__)m