四話 冒険者ギルド
主人公のステータスは次の戦闘後に紹介します。
いやー!忍び足まじで超便利だわ!数分前まではシーフや暗殺者が取るスキルだからハズレだなと思ってた俺を殴ってやりたいわ!有用だわ!
なぜ有用かというと、スキル確認も終わったことだし冒険者ギルドに向かうか!とミニマップを確認し冒険者ギルドを把握して立ち上がり向かったのだが
ガシャン――ガシャン――
いやうるせぇ!歩くたびに俺のグリーブがガシャガシャうるせぇ!ちょっと周りも何事!?ってこっち向くから恥ずかしいんだよ!
出来るだけ音を立てないように足が地面に触れる瞬間、ゆっくりそぉーっと足を地面に着けると少しはマシになるが、それだと壊れかけのブリキの玩具みたいになるし。
どうしよう俺ずっと注目されながら今後過ごすのか!?と思ってたところ忍び足があるのに気がついた。まじハズレだと思ってすいません!一生感謝する!
って事でだいぶ音を抑えられたからそこまで注目されなくなって、やってきました冒険者ギルド!噴水は街の中央にあるのだが、そこから南に数分歩いたところに冒険者ギルドがあった。ちなみに王城は噴水から北だ。
しかし最初の街だからか?冒険者ギルド結構大きいなぁ。ここまで歩いて少し気になったのだが、この街には魔物もいるんだよな。
基本的に魔物は人間の街には入れないと書いていた。でも普通に歩いてるんだよな魔物。俺も魔物だが、俺はまだ人間よりの魔物だから大丈夫なんだがな。そこら辺の話も冒険者ギルドで聞ければいいな。
ちなみになぜ最初に冒険者ギルドに行くのかというと、掲示板で絶対に最初に行けというのを見たからだ。まぁ画面の右端にでてるチュートリアルも冒険者ギルドにいけと出てるからな。
って事でお邪魔しまーす。
「おぉ…」
ほんと凄いなこのゲームは!酒場兼ギルドになっているのか!酒場は二階なのだが、美味しそうな匂いが鼻腔をくすぐる。いかんいかん、まずは冒険者登録だ。ギルド内はそこまでプレイヤーが多い訳じゃない。むしろNPCが多いな。受付の上に看板があり、一番右の受付が冒険者登録となっているのでそこの列に並ぶ。空いていたのですぐ俺の番になった。
「ようこそ冒険者ギルドへ!冒険者登録ですか?」
「そうだ、よろしく頼む。それと冒険者指南を受けたい」
「分かりました!冒険者カードを発行しますので、その間に冒険者の心得を地下で学んできてください!地下へはこの受付の横の奥にあるポータルからいけます!」
「ありがとう」
へぇーこの世界はポータルとかあるのか。アレだよな、ワープ的な。まぁ確かにもう一つの異世界とはいえゲームだ。移動時間に何時間も費やすなんて嫌だし、それこそプレイヤーから不満が出るだろうからな。せっかくの休みに街から街まで移動時間でだけで休日が終わりましたとかどんな修行僧ゲームだよってなるし。それと冒険者ギルドは銀行みたいな事もやっている。
ってなわけでポータルへGO!光に包まれ視界もホワイトアウトするが、それも一瞬。気がつけば広い闘技場の様な場所に立っていた。
「おう!ここに来たって事は冒険者の心得を覚えに来た駆け出しか?」
「はい、そうです」
目の前には顔に傷が入ったザ・教官って男がいる。
「いい心掛けだ!では早速教えていくぞ!」
冒険者の心得を教えてもらうのだが、要は戦い方の説明や雑学が主だな。剣の素振り100回だとか、スキルの使い方。あとは画面左上にある緑のゲージは体力だとか、その下の青のゲージはMPだとか。
青ゲージの下にある少し長い黄色のゲージはスタミナ。満腹ゲージともいって、何もしてなくても勝手に減っていく。走ったりスキルを使用時にも減っていくが、まぁ微々たるものだ。とはいえスキルばっか使ったりするとすぐに空腹になるので、満腹ゲージ管理をしながら戦うのが基本。
リビングアーマーという種族でも満腹ゲージはあるみたいだ。食事をこまめに取ろう。剣術はスキルには最初からスラッシュというスキルが使えるみたいで、ディレイというのも教わったか。
ディレイというのはスキル使用後、再度同じスキルを使う為に発生する待機時間。クールタイムとも言うな。要は連続でスキルは使えないということだ。ちなみにスラッシュのクールタイムは5秒。
まぁこういう基本とした事や、細々とした事を冒険者の心得①〜⑧までクリアする。このクエストの良いところはクリアする度にSP1貰えるのだ。
そして、これをクリアする事によってSPで獲得出来るスキルに種類が増える。それがステータスUP系のスキルだ。掲示板で初心者が最初に行った方が良いと言っていた理由はこれだ。
このステータスUP系のスキルは出来れば全て取ったほうがいい。それぐらい取ってる者と取ってない者の差がでかくて、どの職や魔物でも必須級との事だ。
ということで全て終わらせたのでステータスUP系のスキル取得します。
【体力強化・小】
【MP強化・小】
【物理攻撃力強化・小】
【物理防御力強化・小】
【魔法攻撃力強化・小】
【魔法防御力強化・小】
【俊敏強化・小】
【運強化・小】
はい、全て取得しました。これ一つでSP2使うのは痛いが、冒険者の心得と初心者ボーナスとか1000万記念とか全て合わせてSP23あったから余裕だ。残りSP7。
よし、とりあえずギルド受付で冒険者カードを貰いに行く。
「こちらに手を翳してください!」
受付に行くと、受付嬢が何やら四角い石板の様な物をカウンターに置く。その四角い石板の上には手を翳すだけのスペースと、石板の上の方に薄いインゴット?が置かれている。俺はそっと石板に手を翳す。
すると石板が光り、手を翳した下に魔法陣が浮かび上がる。魔法陣が出てから数秒、薄いインゴットの形が変わり、何か文字が刻まれていく。そして光が収まり冒険者カードが完成する。
「おぉ…ファンタジー」
「では冒険者カードをお渡ししますね」
俺は冒険者カードを受け取った瞬間
《チュートリアルを完了しました。SP3を獲得しました》
《フレンド機能を解放しました》
《クラン機能を解放しました》
おぉ、なんか色々解放されたな。SPも貰えたし。冒険者カードをインベントリに入れてと。ちなみに冒険者ギルドにもランクというものがあって、最低ランクがFで一番上がSSSみたいだ。
ランクが上がる毎に冒険者カードに使われてるインゴットが変わるのだとか。FとEは銅、DとCは鉄、Bは銀、Aは金、Sはミスリル。それ以上はまだ分からないとの事だ。受付嬢にきいても教えてくれないのだとか。
冒険者ランクを上げるのはそこまで重要ではない。まぁクラン設立したいなら上げなければならないが、まぁソロなら特に必要ない。だが街に入るとき入場料を払わなくていいので冒険者ギルドに加入するのはオススメだ。
で、フレンド機能とクラン機能がなんか解放されたけど、特に使う予定無いので気にしなくてもいいだろ。
冒険者ギルドに入ってすぐ左にクエストボードがあるのだが、その反対側にあるのは魔物図鑑や素材図鑑、この世界の事を書いた本があるみたいでそこにも寄る。SPで獲得出来るスキルが増えるみたいだ。
とりあえず魔物図鑑と素材図鑑を少し読んだらスキルが増えたのを確認。で、この世界の事を書いた本を読んだのだがまぁこの国がどういう場所なのかは分かった。
この国はハイルジスト王国。いろんな種族が暮らす国である。もちろん魔族が暮らすことも許容している。そしてこの街は首都ノルジスト。
他の国では街すら入る事が出来ないのに、この国に魔族が入れる理由はこれだ。
ちなみにハイルジスト王国は地図では左下にある。ハイルジスト王国の上にある大きな国は神聖ユースティア皇国。人間至上主義の国であり、人間以外は見下す傾向のある国だ。特に魔族なんてのは見下すどころか敵視して、魔王国とは離れているが打倒魔王国を掲げている。
そして神聖ユースティア皇国の右にある大きな木が遠くからも目立つ国はエルフ国。そしてその下に獣人国がある。どちらも大きな森の中にあり、領土争いをしている。まぁわりと仲が悪い国である。
そしてその大きな森の下にあり、ハイルジスト王国の右にある大国、魔王国アインヘル。基本的に人族も魔族も入る事が出来る国だ。俺も魔族だから行くとしたらこの国だな。
そして大陸の真ん中にある竜が住んでるという大国。生物の頂点に立ち、この世界が危機に陥れば動くと言われてる竜の国。まだプレイヤーの誰もが行けていない未開の地だそうだ。
主な国はこんな感じだが、エルフと獣人の国を除く四大国と言われている。エルフと獣人の戦争でどちらかが領土を吸収すると五大国になるだろうと書かれている。
あとはドワーフの国だとか人魚の国だとかあるみたいだ。ドワーフはハイルジスト王国よりもさらに左下にあるのだとか。
まぁこの辺りの地理に関してこんなもんか?さて、そろそろ街の外に出て戦闘もしたいな。
チュートリアルをクリアして貰ったSPを合わせると10SP残っている。この分もスキルを取って置こう。で、選んだのが
【魔物図鑑】SP1
【素材図鑑】SP1
【HP自然回復】SP2
【MP自然回復】SP2
【鑑定】SP2
【解体】SP2
こんなもんか。魔物図鑑は倒した魔物の詳細をいつでも確認できる。素材図鑑はまぁついでだな。
HP自然回復とMP自然回復は、とりあえず回復手段がアイテムしか無いからとりあえず覚えておいた。
鑑定はわりと便利そうだしな。それと解体は魔物を倒した時に、魔物の希少素材が手に入りやすいのだとか。これはコレクターは喉から手が出るほど欲しいスキルじゃないのか?
とまぁこんな感じでスキルを取った。さて、そろそろレベル上げに行きますか!
読んでいただきありがとうございますm(__)m