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十三話 わがまま幼女様

ステータスの更新の話にしたかったんだけど、ちょっと書きすぎたから次回かな。


タイトル考えるのが一番難しい…


軽い夕食を食べながら、少しだけビールも嗜む。あまりお酒は強い方ではないが、やはり鎧を集めきったという達成感を噛み締めながら飲む酒は格別に美味しい。今はコレクションは少ないが、もっと多く集めたらコレクションを見ながら酒を嗜むのもいいなぁ。


さて、夕食も食べたしそろそろログインするか。ビール1本しか飲んでないから、たぶん問題なくログイン出来るだろう。


『行ってらっしゃいませ、しゅうと様』


うん、問題なくログイン出来たな。エンリットの宿から外に出る。さて、まずはメティスがいるか確認しないとな。


おっ?ログインしてる。希少素材を売ってほしいって言ってたからな。えーと、メニューからフレンド一覧でメティスをタップ。タップしたら電話のマークとメールのマークと後は三?のマーク出てきたな。三みたいなマークはフレンド解除だったりトレードだったり、まぁ設定やその他みたいな項目かな?


それはよくて、メティスに電話だ。電話をタップして――


『ハロハロなのよー!』


「あっども」


『どうしたのよ?あっ森熊周回順調なの?まだ二日目だからまだ三分の――「おわった」――一って……今なんて?』


「いやだから周回終わったって言った」


『ククク……面白い冗談なのよ。今なら許すのよ?実はまだ半分でした、ごめんなさいって言えばね。それともあまりにしんどくて周回を投げ出したの?』


「いや冗談じゃなくて本当に終わったんだよ。希少素材、買い取ってくれるんだろ?」


『………いまエンリットの宿屋前なのね!今すぐエンリットの銅像前に来るのよ!私もすぐ行くのよ!』


なんで俺の場所が分かったんだ?と思ったが、フレンド一覧に俺の居場所が書いてある。あと左下のミニマップなんだが、フレンドは紫の丸で表示されるみたいだ。


「あっおい!?」


切れちゃったな。別にトレードなら離れてても出来るんだから、喋りながらトレードしても良いと思うのだが。


ちなみにトレードあるならワールドマーケット必要ある?と思うが、トレードは詐欺に遭う可能性が高いのだとか。なので信頼している人とトレードするのを公式が推奨している。何故なら、詐欺に遭っても運営は対応しないから。被害に遭っても自業自得という事だ。


エンリットの街の中心には銅像が建てられている。その近くにポータルストーンがある。銅像はこの街の初代領主の銅像なのだとか。銅像にどういう人物なのか書かれていたが興味なしなのでスルー。武器とか手に持っていたなら読んでたが。


左下のミニマップを拡大して見てると、紫の丸いマークがゆっくりとだがこっちに向かってきている。


メティスもこの街にいたのか。俺はミニマップを閉じ、メティスが来るであろう道に目を向ける。遠くからでも見えるな。必死にとてとて走ってきているメティスが。


なんか周りのプレイヤーもNPCも微笑ましい顔で見守っているのだが……あっ転けた!周りもあたふたしているが、すぐにメティスは立ち上がりこちらに走ってくる。俺の元までもうちょっとだ!頑張れ!ってこれ、初めてのお使いを見ている感じだな。ようやく俺の元まで来て――


「私を遠目で見つけたのなら、なんでこっちに歩いてこないのよ!馬鹿なのよ!君、馬鹿なのよ!」


「い、いや悪い。銅像の前って言われたから、動かない方がいいのかと」


「どうせ心の中で頑張れとか他人事の様に応援してたのよ!絶対そうなのよ!」


と、言いながら俺の脚鎧にポコポコと両手で怒りをぶつけているのだが、全く痛くない。


「おっしゃる通りで。いやほんとすいません」


「じゃあ鑑定させてくれたら許してあげるのよ。もちろん鎧にもうスキル付けてるのよね?君が出鱈目を言ってないのなら、君の鎧にはLvMAXの装備スキルが付いてるって事なのよ」


「えっ…いやまぁいいけど」


おっ?鑑定されたな。何で分かるのかは、画面中央下にチャット欄がある。そこに※メティスからの鑑定に抵抗出来ませんでした。と書かれているからだ。


鑑定は人にすると必ず誰か分かるようになっている。つまり許可なく鑑定すると名前が分かるので、掲示板に晒されてしまう事がある。許可がない鑑定はマナーが悪い悪質プレイヤーだから注意喚起の為だ。


それを理解しているからこそ許可なく鑑定する奴はほとんどいない。


「ほんとに装備スキルがカンストしてるのよ!どうやったのよ!」


「どうやったも何もドロップしたんだが」


「ありえないのよ!私の計算ではもう二日〜三日掛かるとおもってたのよ!何匹ぐらい狩ったか教えるのよ!」


「811匹」


「はぁ!?一個あたり大体73匹!?」


「お、おぅ」


いや計算はっや!俺はそっちでビックリしたわ。


「あんまり大きい声を出すと周りから注目されるから小声で話すけど、普通は新緑の革鎧を出すのに150体〜200体回ぐらい狩らないといけないのよ」


「えっ!?まじで?」


「大マジなのよ。そのユニーク、レアドロップ率がかなり上がってるのよ。ククク…ビックリしたけど、私の目に狂いは無かったのよ!希少素材がこれからいっぱい手に入るってなれば……やったぁー!」


「ちょ!?目立ってるから!さっき小声で話そうって行ってたでしょ!」


「ごめん興奮してしまったのよ。行きたいこところがあるから、話しながらここを離れるのよ」


メティスは興奮すると周りが見えなくなる感じかな?いやまぁ別に良いんだけどね。


「で、どこ行くの?」


「冒険者ギルドなのよ」


「了解。じゃ行くか」


俺が冒険者ギルドに向けて歩き出そうとしたら、目の前にメティスが腕を組みながら仁王立ちする。


「なんだよ」


「君こそ何をしているの?私を君の肩に乗せるのよ」


「いやなんでだよ。目立つだろ」


「私は君と違って小さいのよ。君の歩幅が大きいから私が苦労するのよ。まさかレディーの、それも幼女のお願いを聞けないの?」


「幼女をフルに活かしてくるな」


「当然なのよ。さっ、早くしゃがむのよ」


「はぁ……分かったよ」


そう言って俺はしゃがみ、俺の右肩にメティスを乗せる。君、妖精かな?って事で冒険者ギルドに向かう。


あっそうそう、中央下のチャット欄は基本的に経験値だの状態異常になった時にログが流れる。鑑定もそうだな。


ただ、ほんとに気にしてないと鑑定されたかどうかなんてスルーしてしまう。基本的にチャット欄は見ないからな。俺が初めてメティスから鑑定された時も全く気づかなかったしな。ってな話をメティスにしたら


「設定で音なるように出来るのよ」


「そうなの!?」


俺は早速確認。…ホントだ。自分に特定のマイナス効果が付与、または特定のスキルを使用された場合に音で知らせる。オフになってるわ。


「なんでオフになってるんだろ?」


「昔は許可なく鑑定する人が多かったのよ。でも今はほとんどいないのよ。あとそれ敵からの状態異常にも音が鳴るのよ。だから先のエリアでは結構頻繁になって煩くて切ってる人も多いのよ。プレイに支障が出るから公式は最初からオフにしてるのよ。もちろん気にしないならオンにしてもいいのよ」


なるほど。んじゃ俺はオンにしておこうか。それよりも――


「あのーメティスさん?俺の肩に乗りながらクッキーみたいなの食べるのやめてくれません?」


俺の右肩でクッキーをバリバリ食べる幼女。口が小さいからかちょくちょくポロポロと零している。


「別に零したって関係ないのよ。零したお菓子はすぐポリゴンとなって消えるのよ」


「そうですか。ってかなんでスタミナ補給してるんだ?ちゃんと食事してなかったのか?」


「君が!私を!走らせるからなのよ!私は生産職で幼女なのよ!ちょっと走るだけでスタミナすごい減るのよ!」


ちょ!?食べながら怒ってるから口の中のクッキーめっちゃ飛んできてる!?こいつわざと口の中のクッキー飛ばしてやがる!細かいのはポリゴンになって消えるからって地味に鬱陶しい嫌がらせを!


「悪かったって!今度見つけたら俺が迎えに行くから!」


「当たり前なのよ!」


わがまま女王様だな。いや幼女様か。


ちなみにVITを上げると、走る等でのスタミナ減少を少し緩和してくれるとの事。初耳だわ。ただ、戦闘スキル使用時に減るスタミナは緩和されない。あとメティスは生産職だからVITはほとんど上げてない。


それと、こういうゲームはDEXっていう命中のステータス項目があるのだが、このゲームにはない。


違うゲームなら命中(DEX)上げれば敵に回避されなくなるとか、弓なら火力上がるとか、生産職なら成功率上がるとかあるのだが、このゲームは基本的に自分の腕次第だ。もちろん、弓術取ってるなら弓に多少の補正は掛かるけど。


「それで?ギルドに何しにいくんだ?」


「ん?依頼の中に珍しい素材報酬がないか見に行くのよ」


「冒険者ギルドの依頼報酬ってゴールドだろ?」


「冒険者ギルドの依頼じゃないのよ。依頼はプレイヤーでも出せるのよ。欲しい素材があるけど、自分で取るのは難しい人が依頼を出すのよ。生産職がよく依頼を出してるのよ。ワールドマーケットでも欲しい素材が無い事もあるのよ」


「へぇーそうなのか」


「ちなみにプレイヤーが冒険者ギルドに依頼を出せば、どこの冒険者ギルドでもプレイヤーの依頼が反映されるのよ」


「つまり、俺がもし首都ノルジストで依頼を出しても、このエンリットでも反映されて受けれるってことか」


「そうなのよ」


ほぉー。それはなかなか便利じゃないのか?しかもプレイヤー依頼(クエスト)をクリアしてもランクを上げられるとの事だ。


ただ、失敗すればもちろんペナルティもある。それも両者にだ。


なぜ両者にペナルティがあるのかというと、初心者でも受けれる易しい条件にしているのに、内容はめっちゃ難しいクエストで、わざと初心者を依頼失敗にする悪質行為があったからだ。


逆に初心者でも簡単にこなせる様な依頼を、ギルド内メンバーや新人初心者に出させて、それをギルドランクを上げたい者が一気に受注して片付ける、高速ギルドランク上げが流行った。トレードでギルドメンバーや新人に金を握らせて、簡単な依頼を出させてたみたいだ。


まぁその悪質なやり方は光の速さで修正されたらしい。失敗すれば、両者(依頼を出した側が多い)にペナルティが発生する。まぁ適切な条件、二次職以下や二進化魔物以下は受けれないとか結構細かく設定出来るので、依頼を出す時は慎重に条件を出す。分からないならギルド職員に任せられるからそっちのが適任だ。


ちなみに依頼を出したらリアル1週間までは冒険者ギルドに貼り出される。誰も受けず、1週間経ったら強制的に依頼キャンセルになるが、ペナルティは無し。


高速ギルドランク上げに関しては、プレイヤーは、プレイヤー依頼(クエスト)を受けれるのは1日2回までに修正された。高速ギルドランク上げが流行って僅か1時間の出来事である。


恐らく賢いAIが管理してるから、異常にギルドランクポイントを稼いでるのがAIバレたから修正が早かったのだろう。と、メティスが言ってる。


「俺もちょっと見てみたいな」


プレイヤーがどんな依頼を出してるか気になる。すこし見てみようか。



ちなみに攻略サイトにはちゃんとリビングアーマーの種族固有スキルも書かれている。【防具吸収】も必ず失敗しないというのも検証済みである。


なかなか強いユニークなのだが、実はリビングアーマーはそこまで人気じゃない。その理由はいくつかあるのだけど、やっぱ一番の理由は金銭の関係かな。それは他の種族にも言えるのだが……。もう少し後の掲示板で装備スキルのステータス強化・中とかの話も出るので、そこで詳しく話そうかと。


読んでいただきありがとうございますm(__)m

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