俺達のscore④
「リハーサルまだなんだよね?よかったー!ひとまず間に合って!」
雄太は、胸を撫で下ろした様だった。
俺も、車につく頃には雄太は車から降りて、台車に機材を置きはじめていた。
「もう少しで始まるからな。急ぐぞ!姫!お前も降りて手伝えよ!」
「はいよー」
俺達は、急いで準備を始めた。
最低限の楽器しかもたずに、いったんは車を出た俺達だったが、車に全員を連れてくるべきだった。
これは、2周しなければならないかもしれない。
「今、蓮弥に連絡したし!そのうち来るはず!それまで、車で涼もうよぉ」
姫は、そう言って俺達に提案してきたので、俺と雄太は、とりあえずバッグドアを閉めて車に乗り込んだ。
「あっちぃー、さすがに死ぬ!」
「はははは。そぅだろ?」
姫は、スマホをみながらほくそ笑んでいた。
「お前は、手伝えよ」
と、俺は姫の肩を揺らした。
「さわんな!死ね!」
「いや、暑さで死にそうだわ!」
「まぁまぁ二人とも、いったん落ち着いて!体力を温存しよ」
暑い中、3キロという道のりを歩いて、ガソリンスタンドに行った雄太に俺達は、言い返せなかった。
しばらく、待つと蓮弥と蒼馬が、少し離れて車に近づいてきた。
何かがあったのだろうと、思ったが俺は、黙っていることにした。
「あんた達、またケンカしたっしょ?もぅいいからさ、今日は、ライブなんだから、切り替えてね」
初めて耳にした姫星の言葉に俺は驚いた。
二人には、そういったことを言葉にする様になったのかと。
「うん、そうだね。蓮弥。切り替えていこ!」
「俺はそのつもりだったけどな」
「チっ!そういうとこ!蓮弥!」
姫星が蓮弥に注意するなんて、思いもしなかった。
俺の知らないところで、こいつらは、こいつらで、練習していたのかもしれない。
「みんなー、もういいから急ぐぞー」
雄太が率先して、みんなをうまくひっぱって行ってくれている。
この形がもう、俺達のバンドな感じがしていた。
俺じゃぁここまでは、できなかったことかもしれない。
俺達は、ステージへと向かった。




