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僕達のscore②

足が重い。

夏の朝から車がガス欠。

ガソリン代をケチった姫のせいだった。


7月の頭だっていうのに、もう夏真っ盛りの太陽の下で楽器を持って急な坂を(のぼ)っていた。


姫は、みんなには謝って俺を見るなり舌打ちして一番後ろに隠れている。

雄太は、スタンドまで歩いて車の対応だ。

俺達は、それじゃリハーサルに間に合うか、わからないからと、こうして自分達の足で歩いているわけだ。


「おい!お前ら大丈夫か?」

俺は、後ろを向きみんなを見た。


すると一番後ろに今にも倒れそうな姫が見える。

「おい!大丈夫か?姫?」


俺は後ろに行き、汗だくで、今にも倒れそうだと言うのに姫は(にら)みをきかせていた。

「うる…うるさい!し…死ね!」


こいつとの関係は、最初に戻って変わってはいない。

相変わらずだが、ギタースキルは、もう俺は超されたかもしれない。


「お前が先にぶっ倒れんじゃねぇぞ。着いたらアイス買ってやるからな」


そんなやりとりを見て少し前に歩いていた蓮弥と蒼馬が笑っていた。


あとから、こっそりと蒼馬に言われた。

「最近、姫ちゃんとサウロくんもいい感じに戻ってきたね」

そんなこともないのだが、お互いに〝普段は〟寄りかからない様にしている。

自意識過剰かもしれないが、そんな暗黙の了解みたいなものができていると感じていた。


20分ぐらい上っていたと思う。

俺達の着ていた、せっかく作ったflapのTシャツは、汗で(にじ)んでいた。


「やっと着いたか」


山の上ってほどでもないが、住宅街から舗装された道路を大分(だいぶ)(のぼ)って来た場所だった。

「みんな着いたぞぉ…」


さすがに俺も疲れていた、今からリハーサルできる状態ではなかった。

とりあえず休みたい。

そう思い、あたりを見回すと、フェスのスタッフが俺達を見て近づいてきた。


「よぉ。ちひろ!久々だな!」

清々しい笑みを浮かべたスタッフのTシャツを着たそいつは、元ギターの佐山秀明(さやまひであき)だったのだ。

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