俺とお前のキーコード④
「ねぇ聞いてるか?サウロぉ」
どうやら、寝ているみたいだった。
人は、あまりいないとは言え、一人で長話をしたことが恥ずかしくなってこっそりと病室をあとにした。
病院の駐車場には、雄太が待っていてくれて、そのまま帰った。
その日からだったと思う、サウロの様子がおかしくなったのわ。
数日後の練習の日だった。
スタジオに入るとサウロが先にアンプのセッティングをしていた。
「よぉサウロぉ。元気になったか?」
「おぉ、すまなかったな。まぁまぁだ」
そっけない態度、よそよそしい目配り。
その時は、気のせいだと思った。
だけど、タバコも屋上に吸いにこないし、あーしとは目も合わさない。
なんなら、雄太ともぎこちない感じだった。
3回目の練習の時だった。
「なぁ、サウロ。あんた最近おかしくない?」
「はぁ?いや、別に…」
やっぱりあーしには、そっけない態度。
「なんだよ!それがおかしいって言ってんだよ!」
「なんだよ急に。別に普通だろ」
やっぱり、あーしとは目も合わさない。
「それだよ!なんであーしの目をみない!あーしは、ここだ!」
あーしは、手を大きく開き、サウロを見た。
そしてサウロは、やっぱり目の前にいるあーしのことを、避けるように下の方を向いていた。
「腹が立つ!なんなの!おまえぇ!」
サウロに向けた憤りで、どーしようもなくなっていた。
繰り返していた日々が当たり前になって、あーしは、それが当然の様に。
言葉にする。
それが当たり前の様に。
知らなかった。
当たり前が当たり前じゃなぃ世界中の人がいるのに。
知る必要がなかった。
知ることができていなかった。
あーしは、まだまだ未熟なんだなぁ。
子供なんだなぁ。
って感じることで、逃げていた。
そんなの、そいつの自由じゃん。
「死ねよ!」




