休日の音叉①
数週間がたった。
あれから集まって雄太と計画した夏までの予定を話すと、蓮弥に後から指摘を受けた。
あたり前のことだが、実力不足とお金の問題。
半年あるが、さすがにみんな生活がある。
ずっと練習できるわけでわない。
大舞台、それを半年あまりで補えるのか、それだけではないが一番の問題である。
そんなことを考えながら休日に、たまには外でコーヒーでも飲もうかとノートパソコンを持って靴を履いた。
12月も中盤、今年ももう終わりそうだ。
いつもより今日は、暖かくて俺は服の袖を捲った。
俺はスマホのメモを開いて新しい曲の歌詞を考える。
癖みたいなものだ。
人通りが多くなってくると、どういう人達がどんな理由で歩いているのかを考える。
顔つきや身なりで全てがわかるわけでわないけれど、言葉にできることは多い。
たとえば、40代ぐらいの中年サラリーマンが歩いているとしよう。
この人は、自信に満ち溢れていた。
スマホのゲームを歩きながらしている。
危ないことだということは、置いておいて余裕があるんだろう。
でも、何も熱中できることがないのかもしれない。
唯一の楽しみが歩きスマホなのかもしれない。
よくみたら、スーツが新しい。
新調したのか、もしかしたら会社で昇進したのかもしれない。
でも、実はコスプレおじさんなのかもしれない。
そんなことを考えながら、歌詞を考えるといつも違うフレーズが思いついたりする。
パソコンの前だと、夢とか希望だとかそんなニュアンスの言葉ばかりを考えて現実が見えなくなってしまう。
そのための散歩でもあるのだ。
コーヒー屋に着き、テーブルに座った俺はノートパソコンを開いた。




