始まりの理由
「お前も一緒に寝ただろう!なぜあーしはダメなんだ!サウロはお前のものなのか?あん?」
起きた姫星は、男女が同じベッドに入る意味について語る雄太に逆上していた。
「そんなん男同士でもするんだろ?あーし知ってるぞ?蓮弥に聞いたし!あーし達は、同じメンバーじゃん!身内みたいなもんじゃん!家族じゃん!ファミリーじゃん!」
同じ意味の言葉を連呼する姫星に雄太はあっけにとられ、俺は腹をかかえて笑ってしまった。
「あー、もうわかったよ。お前ら別に付き合ったりはしてないんだな?」
姫星は、俺をゆっくりと見た。
「なんだよ!俺を見るなよ!あーそうだ付き合ってなんてねぇよ」
「だそうだ!」
姫星は続けてそう言った。
「そっか。まぁ…もういいや」
雄太は、めんどくさそうに頭をかいた。
「で…雄太は何しにきたんだ?」
「おいサウロ!コーヒー!」
「かってに入れてくれ…俺のも頼む」
「おう」
台所に姫星は、向かうとコーヒーの袋を探して戸惑っていた。
「昨日連絡こないから、心配になったんだよ」
「あぁ、すまんすまん眠くてな」
「ちょっと待てよ、お前ら深夜まで曲作ってたんじゃないのか?」
ぐうの音もでない。
「いや、いろいろあったんだよ」
「いろいろってなんだよ」
「…お前は、俺が好きかよ」
「は…はぁ?姫に似てきたな。ちひろくん」
困った顔をして呆れた様に雄太は、言った。
「もういいだろ。で、なんだったんだ?」
俺は、この場を納めようと話しをそらした。
「んー、それなんだけどね。お祭りに出ることが決まったんだ」
雄太は、不満げだったが渋々話し始めた。
「お祭り?」
「うん。ちひろくんと、姫が手伝いに行っている間に決まったんだけど、一応蓮弥と蒼馬には、話しを通してるし、二人ともちひろくんは、いいって言うだろうから承諾しといたんだ」
「まぁ、俺は全然大丈夫だが…」
「あーしも大丈夫だが!」
話しを聞いていた姫星が台所から顔を出し返事をした。
ただ、今の話しに姫星の返答の話しは、でていなかったのだが、口には出さないでおこう。
「タカさんが、もってきた話しでね。一度一緒に会いに来てくれってさ」
「あーそうか、なるほどな、わかった。」
また、何かしらの企画を考えているのか、俺達のバンドをどこかに紹介してくれたのだろう。
俺は、おもむろに服を着替えだした。
「おい!あーしがいるのを、忘れるなよ!」
まだ、眠いのか頭が回っていない様だった。
「あぁ悪い、忘れてた」
俺達は、コーヒーで一息ついてから準備をしてタカさんの居酒屋みかんへと向かった。




