二人のプラグレス⑦
大志とは、そのまま別れた。
いい思い出ができてよかった。
いつかバンドをやっていれば、また会うだろう。
俺達は次の日、朝の便の飛行機に乗った。
「なんだか、疲れたなぁ」
「まぁね」
今回姫が窓際に座りアイマスクをしていた。
「おい!寝る気か!?」
「悪い?」
俺は隣でちょっかいをかけた。
というか、指でつついてやった。
「もう!やめて!眠いのあーし!」
「おい!見ろよ窓!人がゴミの様だぞ!」
────ガラガラガラ
窓を閉められて一旦俺は、落ち着いた。
「ふぅー」
「ねぇ、あーし思うんだよね。ピートとサトクリフの演奏も聞いて見たかったなって。もっと素敵な音楽になっていたかもしれないよね」
たられば、なのかもしれない。
あれをしていればとか、こうなっていれば、なんて言い訳みたいな話かもしれない。
でも、もっとよくなった現実に夢をみたいのは、みんな一緒だ。
「そうだな」
「みんなもともとビートルズだったんだよね。名前が違ってもさ」
彼らの最終的な気持ちは、一緒だったのかもしれない。自分を、考え方を、一人じゃないと。誰かに伝えたくて。
「すごいなぁって思うよね」
「あぁ」
そこに落ち着いてしまう姫に俺は感心してしまっていた。
「ねぇ、そういえば大志くんって結婚してたんだね」
「え!?」
「あぁやっぱり!サウロって鈍感なとこあるからなぁー」
昨日の、路上ライヴで大志の着けていたネックレスに指輪が付いていたそうだった。
そして、聞いたらしい。
───サウロに帰り言っといて
そう言ってあいつは笑っていたらしい。
「ねぇ、あーし。また大志とサウロと演奏したいな!」
「あぁそうだな」
後日、大志から写真つきでメッセージが届いた。
世間は狭いな。どうやら、結婚相手は俺の初恋の人だったらしい。
なるほど、あいつがベースを弾けたわけだ。
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