打ち上げ!
「お疲れ様でーす」
ライヴは終わり、俺達は打ち上げ会場にきていた。
ライヴハウス近くにある養老の川というお酒の種類がたくさんある。なんでも美味しい居酒屋だ。
出演していたバンドの4組は、参加していた。
「ブルースター名前変えたんですね!」
話しかけてきたのはバンド、ノスタルジアの正志という奴だった。
何度か対バンしたことのあるギター担当の奴だ。
「おう、久しぶりだな。あんまり話せなかったが元気だったか?」
「はい!サウロさんやっぱめちゃくちゃギター上手いですよね!」
なぜか、いつも俺をヨイショしてくれる。
褒められるのは、嫌いじゃないが返すものはなにもない。
あまり今までモテたこともないが、同性に好かれるっていうのも悪くない。
「ありがとよ。お前もなかなかいいベースラインだったぞ」
「ありがとうごさいます!サウロさんに言われるなんて生きててよかったー!」
そこまで、言うこともないだろうと、そんなあたりさわりのないこと言葉のキャッチボールを楽しんでいた。
「ところで、次のライヴなんですけど、俺達と、また対バンしないですか?」
まぁ、そんなことを言われたら俺もやぶさかではない。
ノスタルジアは、少しビジュアル系よりだ。
少しジャンルは違うが、ボーカルも上手くて、それなりにファンもついているみたいだった。
「そうだな…じゃ…」
「騙されないで下さい!こいつの手です。僕とか蓮弥といる時もずっとサウロさんの話ししてるんですから、こいつ」
珍しく蒼馬が割って入ってきた。
「…そうか」
前に蓮弥から同郷だと聞いたことがある気がした。
別に対バンぐらいいいじゃないかと思いつつ、蒼馬としっかりと話す機会があまりなかったと俺は、そう思い正志をおざなりに蒼馬と話しだした。
「そういえば、蓮弥から聞いたがお前ら付き合っているんだって?」
俺は、ビール片手に話しだした。
ライヴ前、蓮弥から直接俺に連絡がきた。
言っておきたいことがある。なんて言われたから、何事かと思ったが、拓史のこともあってか、そんなことかと俺は思ってしまっていた。
でも、よくよく考えるとどうなのだろう。
同じバンド内で恋愛なんて、バンド崩壊の一歩じゃないのだろうか、俺は、そんなことを考えていた。
「はい…でも、大丈夫ですよ。僕と蓮弥は、付き合って長いですし、そう簡単に別れません!」
蒼馬は、そう言ってガッツポーズをした。
別れる別れないじゃないんだが…
「そういえば、お前らってどういう繋がりなんだ?」
俺は、蒼馬と蓮弥のなれそめ、というか昔話を聞いた。
なんとなく、蓮弥には昔のことを聞いたことがあったが、見る視点が違うとこうも違うのかと思った。
価値観なんてものをないがしろにするわけじゃないが、そんなものは結局一人の意見にすぎない。
第三者がかかわってこその自分であるべきだ。
なんとなく、作詞に使えそうなフレーズを思い浮かべながら、話しを聞いていた。
「でも、サウロさんと、姫ちゃんも付き合ってるんじゃないんですか?」
俺は、思わず飲んでいたビールを吹き出した。
「な、なんでだよ。」
「えーだって、よく、一緒にいるし傍から見たらイチャイチャしているように見えてますよ?」
クスクスと蒼馬は、笑っていた。
そんな風に見えていたとは意外だった。
気をつかうのは、あまり得意じゃないのは、わかっていたつもりだが、距離間を考えてもっと喋ったほうがいいのだろうか。
「みんなと同じ扱いをしているつもりなんだけどなぁ」
「好きらんですかぁ?」
顔を赤らめ手に顔を置いた蒼馬は、酔っている様だった。
「なに言ってんだよ。お前らのことみんな好きだぞ!」
俺は、蒼馬の肩に手を回しはぐらかした。
すると、一つ前のテーブルから視線を感じた。
ふと見ると蓮弥と姫が俺達のことを目を丸くして見ていたのだった。
─────プルルルルル
スマホが鳴った。
画面には、秋山 雄太の文字。
「おぅ、もう終わったのか?」
「うーん、今日はもう行けそうにないかも」
「そうか、わかった。また俺達だけで打ち上げしようぜ」
「ありがと。じゃねバイバーイ」
「はーい」
雄太には、ライヴハウスオーナーのボスと蘭さんとで別で打ち上げに行った。
というか、行ってもらった。
もともとは、俺が誘われていたのだがマネージャーになることだし、今回は雄太に行ってもらった。
本当にただの飲み会だが、いろいろ情報が手に入る。
温故知新ここからに繋がっていくんだ。
「ねぇねぇ、僕を放っておかないでよぉ」
隣の蒼馬が俺の肩に顔を乗せてきた。
その顔を赤らめている中性的な顔を立ちを間近にみて少しドキドキしてしまっていた。
「いやいや、待て待て、どうした!?」
俺は、必死にそれを抑止した。
「ちょちょちょちょちょ!すんません、こいつ酒飲むの心配だったんすよ。俺連れて帰りますんで!」
蓮弥が慌てて蒼馬に駆け寄り肩を抱いた。
「もう、蓮弥ったらおませさん!」
─────ちゅ
そう言って蒼馬が蓮弥のホッペにキスをすると、店内はドッと歓声が湧いた。
今日一番の歓声だったかもしれない。
蒼馬と蓮弥が帰ると、姫が隣に座ってきた。
何だかモジモジしていると、俺の耳元でそっと口を開けた。
「あーしもしてあげよっか?」
いやいやいやいやいやいやいやいやいやいや
、嬉しい…が。
「バーカ」
姫は、顔を赤らめて笑っていた。
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