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目立ちたくない召喚勇者の、スローライフな(こっそり?)恩返し  作者: ざっきー
第一章 どうやら、異世界に転移したらしい
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7. 鑑定は、正確に


⦅手に魔力を集めて、敵に投げつけるだけじゃ⦆


 マホーは簡単に言うけど、そんな簡単にできたら誰も苦労は…………しなかった!

 俺が放った氷の矢がゴブリンたちに突き刺さり、次々と倒れていく。

 でも、こんなにスイスイ倒せていいのだろうか?

 小説の主人公たちは、結構苦労して習得しているような気がするけど……


⦅それは、儂が補助しておるからじゃ!⦆


 そ、そうだよね。

 危ない危ない、もう少しで「俺って、天才かも」と勘違いするところだった。

 改めて気を引き締め、ゴブリンたちと対峙する。

 ソウルも危なげなく一匹ずつ確実に仕留めていて、残りは雑魚が二匹と例の三匹だけになった。


⦅ようやく、やつらのお出ましじゃぞ。せっかくじゃから、あの三匹を鑑定してみよ⦆


 俺は、教えてもらいたての『鑑定』を発動する。



     【種族】 ゴブリン

     【職業】 回復役

     【レベル】 23

     【スキル】 回復



     【種族】 ゴブリン

     【職業】 召喚士

     【レベル】 30

     【スキル】 召喚



     【種族】 ホブゴブリン

     【職業】 ゴブリンリーダー

     【レベル】 41

     【属性】 土



 見た目は普通のゴブリンだが、回復役と召喚士というやっかいな職業を持っている。

 残念ながら?結界魔法の使い手はいなかった。

 二匹のレベルは、冒険者でいえばEランクとⅮランクというところ。

 そして、一番大きな個体は、ゴブリンキングではなくゴブリンリーダーのようだ。

 それでも、レベル41はBランクの冒険者に相当するし、土魔法が使えるみたいだから、かなり強いのではないだろうか。


⦅なんじゃ、この中途半端な鑑定は。やるなら、もっときちんと鑑定をせよ!⦆


 あれ? 師匠に怒られたぞ。

 どうやら、マホーは気に入らなかったらしい。

 俺としては、ここまでわかれば十分だと思うけど……

 だって、『レベル』『魔力』『攻撃力』の数値は大体同じなんだよな?


⦅戦ってみれば、わかるぞ⦆


 そうだな、とりあえず実践あるのみ!

 えっと……まず倒すのは、回復役と召喚士だな。

 さっきと同じ氷の矢で、二匹同時に攻撃を……って、ん? ゴブリンリーダーが土壁を出して庇った!

 俺から次々と撃ち出されるの氷の矢をリーダーが魔法と体を張って弾き返し、回復役がすぐに癒している。

 その間に、召喚士がスモールウルフを召喚していた。

 召喚された五匹は俺が残らず倒したが、ソウルはまだ雑魚ゴブリンと戦っていたから危ないところだったな。


⦅どうじゃ、わかったじゃろう?⦆


 三匹の連携が見事なのはわかったけど、他に何かあるのか?


⦅リーダーの防御力は、『55』じゃ⦆


 なるほど……土魔法と高い防御力を駆使して仲間を守り、その間に回復と召喚をさせているのか。


⦅そうやって時間を稼いで、おぬしの魔力が尽きるのを待っておるのじゃ⦆


 剣を持っていない俺は、魔法攻撃しかできないと判断。

 ソウルへ召喚獣で攻撃を仕掛けて、俺に攻撃と防御の魔法を行使させるってことか。

 あいつら、頭良いな。


⦅では、この場合、先に倒すべきはどいつじゃ?⦆


 盾役のゴブリンリーダー……だよな?


⦅正解じゃ! では、そろそろ儂がいくぞ…ほれ!⦆


 リーダーの足元から突然土のとげが現れ、下から一気に体を貫く。

 これが本当の、串刺しというやつだな……かなりの衝撃映像だけど。

 いくらやつの防御力が高いとはいっても、この攻撃には耐えられなかったようだ。

 そのまま崩れ落ち、絶命する。


「カズキ、やっぱり残りの二匹は俺にやらせてくれ!」


「ソウル!!」


 守りを失っても、レベルはそれなりだぞ!と叫んだころには、勝負がついていた。

 剣が一閃し、危なげなくソウルは二匹を真っ二つに……おいおい、俺のところまで血が飛び散ってきたぞ。

 

⦅ホッホッホ、良かったのう。あやつのおかげで、『回復』と『召喚』のスキルを手に入れたぞい⦆


 ……えっ、どういうこと?


⦅血の飛沫が口や目から体内に入り、『粘膜』に付着したのじゃろう。飲まずとも、体に取り込まれればスキルが奪えることが証明されたのじゃ⦆


 ま、マジかよ……全然、嬉しくないのだが。

 心境はかなり複雑だけど、無事に討伐は終わったから良しとするか。


 ―――って、なるわけない! すぐに、水魔法で死ぬほどうがいして、目も洗浄したよ!!



「カズキって、強いんだな……俺も、もっともっと練習して、強くなりたい!」


「…………」


 ソウルから尊敬のまなざしを向けられたけど、労せずしてチート能力を手に入れてしまった俺は後ろめたい気持ちになってしまう。

 自分一人の力で努力を重ねて剣の腕を磨いてきたソウルのほうが、俺より遥かに立派だ。

 そんな彼を失望させないようこの能力に驕り高ぶることなく、困っている人のために使っていこうと決意したのだった。




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