6章 三途川 菊
「うぅ、、ここはどこだ? なんだコレ⁉」
目が覚めると菊は拘束されていて、謎の部屋にいた。紫月との交戦により負った傷もきれいに治っている。しばらく戸惑い、周りを観察していると、いきなり後ろから声がした
『目が覚めたようね。』菊の後ろにあった、閉まっていたはずの扉から紫月が出てきて、不敵な笑みを浮かべながら菊に喋りかけてきた
「なんのつもりだ」菊は警戒しながら紫月を睨む
(いったい俺はどれくらいここにいるんだ?傷も治っているし、こいつは何がしたいんだ?鬼灯は無事なのか?)
『どれくらい経ったのか、私は何がしたいのか、鬼灯は無事なのか、ハテナがいっぱい見たいね。』紫月は淡々と菊の考えていることを口にする
「!、お前、俺の考えていることを?なぜだ? っ!だから俺がお前のどこを攻撃しようと考えているかわかって、避けたり、スキをつけた、、?」と言いかける菊を遮り
『ご名等!!まぁ気づくのは戦い中がベストだったけどね。』と紫月は菊をからかった
「てめぇ!こんな拘束をぶちぎってやる。 剣剥! おい、どうしたんだ?」菊が呼びかけても、剣剥は返事をしない。
「おい、大丈夫か?どうしたんだよ。」と菊は何度も剣剥に呼びかけ続ける。すると
『うぐぅ、、、菊、、、その変な匂いのせいで体が、、、はやくその匂い消してよぉ、、、』と剣剥
「おい、まさかお前が俺をここに連れてくるときに吹きかけたやつのせいで剣剥がこんなに苦しそうなのか?」仲が悪くても、剣剥のことを傷つけられた菊は剣剥のことも気にしつつ、怒りに震え、自分のせいでこうなっていることから守りきれない自分が憎かった。
『へぇ、意外と勘がいいのね。あなたに力を貸した馬鹿な幽霊は私の特製香水で体がしびれてきているのよ。もう少し時間が経てば私の言うことを聞いて思い通りに動く操り幽霊になるわ。あなたに力を貸すことなんて不可能になるの』と紫月は勝ち誇ったように言う
「なん、だと?剣剥!聞こえるか?おい!」(俺のせいで、、、剣剥が、、、俺のせいで、、、)
菊は自分のせいでみんなが傷ついていくのが怖かった。身近な人がどんどん不幸になっていくのが怖かった。家の人達から距離をおいたのも、友達を作ろうとすることがなくなったのも、自分がいることで巻き込まれ、不幸になるのを見るのが怖かったからだった。
剣剥が何も話さなくなってしまい、菊に謎の感情がこみ上げてくる。
「俺は、、、俺はぁ!!!!」