5章 プライド
ドーン!!
激しい音を立てて菊と紫月が交戦するに十分な広場の地面に降り立った。
切り合いが続き、両者は少し距離を取った。
『あなたなんのつもり?もうあなたとの戦いには飽きたわ。諦めなさい、全てはわたしの思いのままになるのだから』と言って鬼灯の方に戻ろうとする紫月に向かって、菊がまた挑発した。
「待てよ、残念なことにさっきから俺は、お前の望んだ通りにゃ死んでねぇ。さらにお目当ての鬼灯には逃げられちまったしな。つまり、お前の思い通りになってねぇこと山程あんだろ。ましてや俺みたいなガキにお前の計画潰される運命だしな」と、ザマァ見ろと言わんばかりの菊
『そう、、、あなた、よほど死にたいらしいわね。まぁ、あなたが死んだら彼女の絶望する顔が見られそうだし、今すぐ殺して死体を彼女のところへ持っていってあげるわ』
挑発された紫月はものすごい速さで菊に斬りかかる。
「っ!」菊はなんとか剣で避けながら紫月に攻撃できるチャンスを探しながら戦った
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激しい戦闘が続いていくうちに菊の動きは鈍くなり視界もだんだんとぼやけてきていた。
『菊!!もう限界でしょぉ、これ以上無理に体力強化を続けたら体が持たないよぉ』と剣剥
「うるせぇ!クッソ、まだまだ行くぞ!」
菊の力も限界に達してきていることを気にしている剣剥だったが、菊は一切聞く耳を持たず紫月に斬りかかリに飛び出した。そのとき、菊はめまいがして一瞬ふらついてしまった。紫月は容赦なく菊に重い一撃を与えた。
「グガァァ!」
菊は紫月の一撃によって遠くに吹き飛ばされてしまった。菊はそのまま、めまいと激痛のあまり起き上がることができなかったが、うつ伏せの状態で菊は顔を上げて言った。
「行かせねぇ、絶対に鬼灯だけは守らねぇと、、、ここで負けたら、俺は鬼灯に顔向けできねぇからな。それに、俺のプライドが許さねぇ」
体はもう限界を訴えており、そのまま倒れろと言わんばかりだった、しかしまだ起き上がろうとする菊
『フフ、やっぱり人間って面白いわ。そうだこの子を使って彼女を絶望させる方法を思いついちゃった。まずはこの子を連れて帰らないと、、、確か名前は`菊`だったかしら。』紫月はそう言いながら短剣を出したときのように謎の香水のようなものを出した。
「何をするつもりだ、、?」菊は危険を察知するも、動くことができず、睨むことしかできない。『フフ、連れて行くからにはこの幽霊も用心しておかないとねぇ。』紫月はそのままゆっくりと地面にうつ伏せになっている菊に近付き、その香水を吹きかけた。
「何だ、これ、頭が、ふわふわする。やべぇ、意識が、、、」菊は気を失ってしまった。






